澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

「市民連合わかやま」の由良登信(ゆら・たかのぶ)さんに声援を送る。

明日(6月22日)が第24回参議院議員選挙の公示日。明日からのこの選挙戦は、いつにも増して日本の将来に大きく影響を与えるものとなる。

本日(21日)各紙の報道によれば、アベは、昨日(20日)のインターネット番組やテレビ番組での党首討論の中で、「(憲法改正について)選挙の結果を受け、どの条文を変えていくか議論を進めていきたい。次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」と踏み込んだ。この発言は、「秋の臨時国会を念頭に、与野党の具体的議論に入りたいとの考えを示した」ものと理解されている。今度の選挙結果次第では、この秋の臨時国会で具体的な改憲案の条文作りまで進展しかねない。事態はここまで立ち至っているのだ。

アベ政権が悲願とする憲法改悪の野望に道筋を開く選挙となるかも知れないし、アベ政治に打撃を与えて改憲を阻止する選挙となるかも知れない。改憲へのアクセルを踏ませるか、それともブレーキを掛けるか。改憲是か非か、それがテーマの今回の参院選だ。

憲法とは、その国の形の骨格を定め、国の進むべき方向を指し示すもの。アベ改憲とは、日本国憲法の「形」も「理念」も崩そうということなのだ。立憲主義・平和主義・基本的人権と民主主義への、アベ流挑戦にほかならない。基本的人権の中には、表現の自由や信仰の自由という精神的自由だけではなく、福祉(生存権)や労働や教育に関わる社会権も含まれる。だから、政府与党の政策は、国民一人ひとりに寄り添うものになろうはずがない。力あるもの、強い者の利益のためという基本があって、それに票を掠めとるための甘い味付けがされているだけのことと見抜かなければならない。

不幸なことに、我々はこのような反憲法的な愚かな政権に甘んじている。これを許したのは有権者であり、前2回の国政選挙だ。心ある有権者は、大同団結してアベ政権の反憲法体質にノーを突きつけなければならない。共産主義や社会主義是非のレベルではない。おそらくは、「革新」是非のレベルですらない。18世紀末の立憲主義・自由主義と、20世紀前半の福祉国家論のレベルでの大同団結がなされなければならない。

今回の選挙では、「市民と4野党」の選挙共闘ができたことが何よりの収穫。32の1人区全部で野党統一候補の擁立ができたことに限りない祝意を送りたい。

その32人の中に親しい顔がある。和歌山の由良登信(ゆらたかのぶ)さん。「出たい人より出したい人」の典型だろう。こういう人の立候補が好もしく、頼もしい。

由良さんの経歴は、「和歌山弁護士会元会長、日本弁護士連合会元常務理事、日弁連消費者問題対策委員会元副委員長、和歌山県消費生活審議会元副会長」と四つ並べられている。由良さんは、1986年に弁護士になっており、弁護士としての経歴では私が15年ほど先輩になる。由良さんが「日弁連消費者問題対策委員会副委員長」を務めたとき委員長だったのが私。私には、消費者弁護士としての由良さんしか思い描けない。まさか、あの穏やかな風貌から、「安保法制(戦争法)をなくし 立憲主義・民主主義を取り戻す」運動の先頭に立つ人とは予想し得なかった。

「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」から、推薦依頼があったので、よろこんで推薦人の一人として名を連ねた。添えられたリーフには、「ワンコイン(500円)募金にご協力をお願いいたします」とあった。無数のワンコインが支える政治運動なのだ。

由良さんの「ごあいさつ」を引いておこう。
 安倍政権は「戦争する国づくり」に暴走しています。昨年9月19日に強行成立させた安保関連法は、日本が武力攻撃を受けた時の備えではなく、自衛隊をいつでも海外に派兵して武力行使できるようにするものであり、明白に憲法9条に違反しています。
 主権者として、憲法違反の政治を許しておくわけにはいきません。憲法にもとづく政治(立憲主義)を取り戻すために、市民が各地で立ち上がっています。
 私も、その熱い思いを共に抱いて、戦争しない国、平和な国日本を子や孫に引き継ぐために頑張り続けます。
  弁護士 由良登信(ゆらたかのぶ)

参院選の公示前である。もちろん、今日まで由良さんはいかなる選挙の候補者でもない。由良さんの推薦母体は、候補者としての由良さんへの応援を依頼していない。特定選挙に関して由良さんへの投票依頼をする文章は一切ない。飽くまで、政治活動の一貫としてのリーフレットの記事であり、その配布である。

メインのキャッチフレーズは、「市民の力で政治を変える ゆら登信(たかのぶ)」だ。アベ政治を本気で止める!!「ゆら登信の政策」13項目が並んでいる。どれも憲法の理念を実現する生活目線に沿った内容だ。もちろん、すべて選挙運動ではなく政治活動としての訴え。

だから、リーフの紙面で「ゆら弁護士は、ほっとけないの思いで走り続けます」と言っている。私も、そのような走り続ける由良さんを応援する。ブログの掲載によって由良さんへの投票依頼をするのではない。政治活動に走り続ける由良さんを応援する趣旨でのことだ。

由良さんの政治活動も、私のブログの記事掲載も、憲法21条で保障された権利だ。これを規制することはできない。明日、公示予定の参院選に由良さんが立候補の届出をすれば、公選法の適用がなされ、積極にも消極にも選挙運動の規制がかかることになる。

ゆらさん応援のリーフレットの出来がよい。応援する人たちのコメントがまた、すばらしい。すべて名前が明記され、写真も掲載されているが、コメントと肩書だけ紹介したい。

戦争と平和が争点、決めるのは市民です、ゆらさんは、野党合意を実現する唯一の人、市民連合の宝です!!(和歌山大学名誉教授)

私たちは、先の戦争の反省に立って平和憲法を定めました。安倍政権の暴走は止めなければなりません。(弁護士)

庶民の声に耳を傾け代弁する信念の人・ゆら登信さんをみんなの力で国会に送りましょう! (女優・和歌山市出身)

ウソや暴言連発の政権にあきれています。誠実さと弱者への想像力を持たない政治家はいりません。(ママの会@わかやま)

時代は「小さくされた人たち」に聞くリーダーを必要としています。心より応援します。(牧師)

障害のある人も地域で楽しく豊かに暮らせる社会にして欲しい。日本を戦争に巻き込む安倍政権にNO! (社会福祉士・作業療法士)

誰もがもっている「平和」への想い。その想いとあまりにもかけ離れている政治にはがまんできません。(まちづくり協会理事長)

由良さん、がんばれ。私も応援する。「市民が主体となって運動し、市民の願いを託せる人を国政に送り出す、という和歌山の新しい民主主義」が実を結ぶまで。
(2016年6月21日)

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