12月8日午前7時NHKラジオにスイッチを入れた―総選挙の争点(その6)
幸いに、軍艦マーチも大本営発表もない。トップのニュースは徳島の積雪被害、次いでTPPについての各党の選挙政策、そしてアメリカの大陪審黒人差別問題。開戦のニュースはなかった。
NHKラジオのニュースに総選挙の政見放送が続いた。共産党の小池副委員長が、流暢にアベノミクスの失敗と消費税問題から説き起こし、重点政策を語った。
73年前の今日。1941年の12月8日も月曜日だった。今日と同じく、この日も寒気厳しく東京の空は抜けるように高く澄んでいたという。その日、午前7時NHK臨時ニュースの大本営陸海軍部発表で国民は「帝国陸海軍が本8日未明西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」と初めて知らされた。日中戦争膠着状態の中での新たな戦線の拡大である。これを、多くの国民が熱狂的に支持した。
この日国民はラジオに釘付けになった。正午に天皇(裕仁)の「宣戦の詔書」と東條首相の「大詔を拝し奉りて」という談話が発表され、午後9時のニュースでの真珠湾攻撃の大戦果(戦艦2隻轟沈、戦艦4隻・大型巡洋艦4隻大破)報道に全国が湧きかえった。そうして、この日から灯火管制が始まった。
戦争は、すべてに優先しすべてを犠牲にする。73年前には気象も災害も、軍機保護法によって秘密とされた。治安維持法が共産党の活動を非合法とし徹底して弾圧した。大本営発表だけに情報統制し、宣戦布告を「大詔渙発」として天皇を国民精神動員に最大限利用した。こんな歴史の繰りかえしは、金輪際ごめんだ。
今朝は7時のラジオニュースを聞きながら、布団のなかでぬくぬくと「平和」を満喫した。今のところ戦争はなさそう。軍機保護法も治安維持法もない。共産党も公然と政見放送ができる。これが安倍晋三が脱却を目指すとしている「戦後レジーム」なのだ。安倍晋三が取り戻そうとしている日本とは、「大本営発表の世界」ではないか。この日の宣戦の詔書は、早朝の閣議で確認されたもの。その閣議には、安倍が尊敬するという祖父・岸信介が商工大臣(在任期間1941年10月18日?43年10月8日)として加わっている。そんな日本の取り戻しなど許してはならない。
戦争は教育から始まる。戦争は秘密から始まる。戦争は言論の弾圧から始まる。戦争は排外主義から始まる。新しい戦争は、過去の戦争の教訓を忘れたところから始まる。「日の丸・君が代」を強制する教育、特定秘密保護法による外交・防衛の秘密保護法制、そしてヘイトスピーチの横行、歴史修正者の跋扈は、新たな戦争への準備と重なる。集団的自衛権行使容認は、平和憲法に風穴を開ける蛮行なのだ。
こんな安倍自民に300議席など与えてはならない。12月8日の今日、強くそう思う。
(2014年12月8日)