参院選3日目ー自共対決時代の幕開け
参議院の議席総数は242。憲法改正の発議に必要な、その3分の2は162議席である。
非改選議員121人のうち、自民・維新・みんなの「積極改憲3派」議員数の合計は、自50・み10・維1の合計62人。今回参院選で、これに100議席を加えれば、162議席となって参議院の「3分の2ライン」に到達する。
さて、本日の朝日・毎日・読売・日経などが、「世論調査による序盤の選挙情勢」を報じている。調査結果はいずれもよく似た内容。
朝日は、各政党の予想獲得議席を「下限?中心?上限」で表している。その中心値で、自民68・みんな7・維新6の合計81である。上限値でも合計92で、100議席のラインには届かない。この改憲3派だけでは3分の2ライン到達の現実性はなさそう。
もっとも、自民と連立を組む公明を改憲勢力に入れて「改憲4派」となれば、話しはちがってくる。非改選の公明議員が9人いるから、非改選の改憲派合計議席は71。改憲4派が今回改選で91議席とれば、「3分の2ライン」に到達する。朝日の中間値は自民68・みんな7・維新6・公明10の、ぴったり91議席。「3分の2」の発議要件をクリヤーする人数となる。
読売は、このことを「自民党、公明党、日本維新の会、みんなの4党で、非改選議員を合わせると参院の3分の2(162議席)に届く可能性がある」と報道している。心なしか、「嬉しげに」である。議員の数だけに単純化できる問題ではないが、容易ならざる事態ではある。
かつては、両院に日本社会党を中心とする「3分の1の護憲の壁」が築かれていたが、今その壁はあとかたもない。これから、新しく築かねばならないが、今回参院選をその第一歩としたいもの。その観点から注目すべきは、共産党の健闘ぶりである。各紙とも、共産党の大幅な議席増を予測している。
朝日は「4?6?8」、毎日は「5?8」、読売も「倍増の可能性」、日経は「維新、みんな、共産の3党はしのぎを削る」との表現。この党の、この議員が、改憲阻止の壁の土台となり、芯をつくる。
この情勢は参院選の前哨戦と位置づけられた、都議選の結果からの勢いである。震源地の東京での政党支持率調査は以下のとおり。
「毎日」 自民32、共産7、民主6、公明6、みんな5、維新4
「読売」 自民40、共産7、民主7、公明4、みんな5、維新3
首都だけをとってみれば、共産党は自民党に対抗すべき第2党の地位を固めている。この勢いは、他の地域に伝播していくことになるだろう。政策の内容においては以前から自共対決であった。のみならず、支持の勢力の大きさにおいても、自共対決の時代の到来を予感させる。
今、改憲を阻止する最も確かな保障は共産党を強く大きくすることである。議会内に確呼たる共産党の存在があって初めて、院外の諸運動も勢いづくことになろう。
(2013年7月6日)