澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

自公も豹変 アベ政権を取り巻く空気が変わってきた

 世の中は何か常なる 飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる
 世の中は何か常なる 南北の昨日の敵対今日の蜜月
 世の中は何か常なる アベ政治昨日の権勢今日の消沈

北朝鮮の豹変ぶりにも驚ろかされたが、本日の毎日夕刊のトップ記事にも驚いた。見出しが、「森友文書 自公、財務省に資料提出を要求 あす期限 財務省に」というのだ。明らかに、アベ政権を取り巻く空気が変わってきている。

毎日記事のリードは以下のとおり。
自民、公明両党の幹事長・国対委員長は7日午前、東京都内で会談し、学校法人『森友学園』への国有地売却に関する財務省の決裁文書が書き換えられたとされる問題について、8日までに調査結果を報告するよう財務省に求める方針で一致した。自民党の二階俊博幹事長は会談後、西村康稔官房副長官に対し、資料などを速やかに国会に提出するよう要求。菅義偉官房長官は記者会見で「与党の要請を踏まえて財務省にしっかりと対応させたい」と語った。

毎日の記事は続く。
自民党の森山裕国対委員長は記者団に『大阪地検に押収されている資料の写しはあると思うので、しっかり対応してもらいたい』と述べ、写しを国会に提出することも検討すべきだとの考えも示した。また『財務省は省を挙げて調査、聞き取りを可及的速やかに行う必要がある』と指摘した。

自公幹部の会談では、公明党の井上義久幹事長が『決裁書類に関する資料調査と関係者聴取の結果を一両日中に報告すべきだ』と提案し、二階氏も『そうすべきだ』と応じた。二階氏はこの後、党本部で西村氏と会い、『(資料など)出せるものはできるだけ早く出せ』と要求。西村氏は『出せるものは出します』と応えた。

財務省は6日の参院予算委員会理事会で『文書をただちに確認できない』などと説明した。野党は『ゼロ回答で不十分だ』と一斉に反発し、国会審議に影響が出ている。」(以下略)

私が「驚いた」というのは、昨日まで、公明党は、森友決裁文書の書き換え疑惑について、「言及を控える財務省の対応は妥当」と政権擁護に回っていたはずだからだ。産経の報道によれば、公明党の山口那津男代表は昨日(3月6日)、文書隠匿の財務省のやり口を「妥当」と公言し、あたかもアベがトランプに対するが如く、アベ政権のすることには「なんでも賛成」という、下駄の雪さながらの不見識を示していた。

産経はこう報道している。
「公明党の山口那津男代表は6日午前の記者会見で、財務省が学校法人『森本学園』(原文のママ)への国有地売却をめぐる取引の決裁文書の書き換え疑惑の資料が『直ちに確認できない』とした説明について、『捜査の対象になっているということであれば、一定の配慮、つまり言及を控える対応は妥当だ』と述べた。

その上で、『検察当局が文書を持っているということだから、捜査を遂げるまでは外部の者がそれに触れることは限度がある』と語り、財務省の姿勢に理解を示した。」
さらに、産経らしく、山口の言をこうも紹介している。
「朝日新聞が書き換えを『確認した』とする決裁文書にも言及し、『もとの決裁文書を朝日新聞は「確認した」と報道しているようだが、どうやって確認できたのか。いつ、どのように、誰が(確認したのか)、そこがよく分からない。検察に当該文書が行っているとすれば、外部の者が触れることができないのが普通だ』と指摘した。」
これが、6日付産経ニュース(ネット版・2018.3.6 13:11)の報道だ。ところが、1日を経ずして、「昨日の淵が埋まって今日は瀬に」なったわけだ。その理由の穿鑿が興味深い。

公明・産経コンビの6日付ネット記事は、いくつもの面でアベ政権へのヨイショとなっている。

何よりも、『捜査の対象になっているということであれば、一定の配慮、つまり言及を控える対応は妥当だ』と堂々と言ってのけていることだ。国権の最高機関である国会の権威をないがしろにし、検察が捜査している間は大臣や官僚の答弁義務を免除ないしは緩和してしかるべきだというのだ。山口という方国会議員だったはずだが、明らかなアベ政権へのヨイショ優先の姿勢。

また、政権に大きな打撃を与えるこの決裁文書改竄。公明・産経ともできれば、事実そのものを否定したい。否定できなければ、せめて重大な問題という印象を薄めたい。この願望が「書き換え確認などできないはず」という言葉になっている。

さらに、朝日のスクープだからこそ貶めたい。そのことが、山口にとってはアベ個人へのヨイショになり、産経にとっても角逐する巨大な商売敵への一矢となるからだ。

これが、6日午前の「財務省・ゼロ回答」があった直後の山口コメントであり、産経の記事なのだ。

それが1日にして覆った。「公明党代表の権威・見識とはその程度のもの」という文脈で捉えるのではなく、「自公の幹部にとって事態は、そうせざるを得ないほど深刻なのだ」と考えなければならない。到底、このまま「ゼロ回答」で乗り切ることはできない。昨日の山口コメントの線で突っぱねていては、政権存立の危機を招きかねない、との判断なのだ。

与党の両党に要求されれば、財務省も資料提出を拒むことはできまい。政権も財務省も裏では了解済みのことではあろう。だから、財務省から開示された資料を駆使して、次の段階の追及が始まることになる。

結局のところ、この経過は、アベ一強の脆さをさらけ出すこととなった。世論と野党の結束がアベ政権を追い詰めていることに、自信をもちたい。
(2018年3月7日・連続更新1802日)

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