澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

大阪地検は、森友学園事件を徹底して再捜査せよ

本日(3月29日)大阪第一検察審査会の事務局から連絡があった。森友事件関連の刑事告発に関連する審査申立に対して、議決が出た。3月15日付の議決で、文書の作成が3月28日のことのようだ。

周知のとおり、森友事件とは、政治の頂点にいる安倍晋三とその妻昭恵に関わる疑惑である。だからその解明は容易ではない。政治や行政の場での自浄作用は期待しがたい。メディアも野党もよく追求はしたが最後の決め手を欠いた。世論も憤ったが持続せず、この薄汚れた内閣の存続を許してしまった。結局のところ、最後の手段として刑事司法に期待が寄せられたのは当然の成り行きで、刑事告発が相次いだ。

大阪地検特捜部に集約された告発は、被告発者(被疑者)数38名、6罪の告発罪名についてのものだった。被告発者38名の内訳は、財務省本庁関係者23名、近畿財務局関係者10名、国土交通省大阪航空局関係者4名、森友学園関係者1名。告発罪名は、背任、公用文書毀棄、虚偽有印公文書作成・同行使、有印公文書変造・同行使、証拠隠滅、公務員職権濫用である。

2018年5月1日大阪地検特捜部は、その全告発を不起訴処分とした。「検察よ、お前もか」である。国民の検察に対する信頼を大きく裏切ったものと言うほかはない。とりわけ、特捜の信用は地に落ちた。その結果、舞台は大阪検察審査会に移った。週刊金曜日の報道では、検審には6団体・個人が、9件の検察審査申立をしているという。そのすべてが、大阪第1検審に係属している。

私が代理人として関わっているのは、醍醐聡さんら「幕引きを許さない市民の会」の会員が告発し審査申立をした下記の2事件。いずれも、2018年6月5日受理となったもの。なお、いずれも地検不起訴処分の処分理由は「嫌疑なし」ではなく、「嫌疑不十分」というものだった。

平成30年第13号
被疑者池田靖(近畿財務局統括国有財産監査官)に対する背任 及び
被疑者佐川宣壽(財務省理財局長)に対する証拠隠滅

平成30年第14号
被疑者美並義人(近畿財務局長)に対する背任

本日報告のあった結論は、以下のとおりである。
第13号事件について
 被疑者 池田 靖(背任)   不起訴不当
 同   佐川宣壽(証拠隠滅) 不起訴相当
第14号事件について
 被疑者 美並義人(背任)   不起訴相当

「起訴相当」の議決ではなかったものの、統括国有財産監査官が国有地を極端な廉価で売却したことを背任とする被疑事実については、検察の不起訴処分は「不当」として、再度捜査を徹底せよと指摘されている。首相夫妻が絡んでの、不当廉売である。徹底して捜査し、公開の法廷で黒白をつけるべきが真っ当な国のありかたである。それこそが、首相夫妻関与の疑惑解明への第一歩である。

なお、佐川宣壽は「証拠隠滅」での告発については、「不起訴相当」となったが、別のグループの「公用文書毀棄」での告発を不起訴不当とした。

また、被疑者美並義人(近畿財務局長)に対する背任が不起訴相当となったのは、局長として形式的には問題の国有地売買の責任者だが、前任局長の時代に手続は進行しており実質においては関与していないからだという。

なお、本件に関して、醍醐さんと私との連名で下記のコメントを発表した。

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平成30年大阪第一検察審査会審査事件(申立)第13号
審査申立人 代表  醍醐 聰
代理人弁護士    澤藤統一郎

1.私どもが審査申立をした池田靖氏に対する背任の嫌疑について、相当に踏み込んだ理由を添えて「不起訴不当」を議決された大阪第一検察審査会(以下、「第一検審」と略す)の審査員各位の見識に敬意を表したい。

2.「起訴相当」の議決に至らなかったのは残念ではあるが、池田靖氏の背任罪をめぐる判断において、第一検審が、「前記業者の見積内容ほどの工事が必要か否かの検証がなされていない」と指摘し、大阪地検に対して「さらに調査を尽くすべき」とした点は、私たち申立人が、判例等を添えて、言われるところの本件地中埋設物は工事の支障になる瑕疵には全く当たらないと指摘したことにも通じると考えられる。
この点について、大阪地検が第一検審の指摘を重く受け止め、ゼロから捜査を尽くすよう、強く要求する。

3.さらに第一検審は池田靖氏の背任の背景に政治家らからの働きかけの影響についてもさらに捜査を尽くすよう大阪地検に求めたことは重要な意味を持つ。
私たち申立人も池田氏個人の背任を問うことで事件の真相が解明されたとは考えておらず、全容解明の端緒という位置づけで池田氏の背任罪を告発したものである。
したがって、この点についても、私たちは大阪地検が第一検審の指摘を重く受け止め、徹底した捜査を尽くすよう、強く要求する。

以上

(2019年3月29日)

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