澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

安倍君、これ以上、沖縄をいじめるのはやめなさい! 大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい!

本日は、1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから、72回目の憲法施行記念日。もとより、この憲法が理想の憲法というわけではない。一字一句、永遠に手を付けてはならないとする「不磨の大典」でもありえない。旧憲法の残滓を多分に引き継いで、改正を要する部分もあることは当然である。

しかし、72年前に実定憲法となった日本国憲法の主要部分は、人類の叡智の結実というべき近代憲法として、現代日本に有用で貴重なものと言わねばならない。憲法規範とは、社会の現実をリードすべきものであるのだから、社会が憲法に追いついていない以上、規範としての日本国憲法はその貴重な存在価値を失わないのだ。

憲法にはコアの部分の体系とは相容れない大きな例外領域を残している。それが象徴天皇制という憲法の飛び地とも、番外地とも、ブラックホールともいうべき制度。憲法本来の体系とはなじまないこの夾雑物を廃絶することは、真の意味での「憲法改正」である。

政治勢力を革新と保守に二分すれば、日本国憲法制定以来、革新の側は憲法を理想の方向に「改正」する力量を持ちえなかった。いま、天皇制廃絶の「改憲」を提起する実力をもっていない。将来の課題としておくほかはない実情なのだ。

さりとて、保守勢力による「憲法改悪」を許さないだけの力量は、革新が身につけてきたところである。現にこの72年間、保守ないし右翼勢力の改憲策動を封じて、日本国憲法は一字一句変えられていない。

革新陣営に憲法改正を実現する力量なく、さりとて保守勢力にも憲法改悪の実力を欠くことが、長く憲法を改正のないまま推移させてきた。

今また、憲法は、保守ないし右翼の側からの攻撃に曝されて試練の時にある。が、けっして改憲実現が容易な事態ではない。改憲を阻止し憲法を擁護しようという市民の力量には侮りがたいものがある。

本日、この憲法を擁護しようという護憲派の市民集会が、全国の各地でもたれた。東京有明では、その中央集会が開催され、盛会だった。

「2019 平和といのちと人権を! 5・3憲法集会 -許すな!安倍改憲発議-」の会場は人の波で埋まった。天候にも恵まれ、主催者発表で6万5000人の大集会だった。

集会のスローガンは、以下のととおりである。
 私たちは
 安倍政権のもとでの9条改憲発議は許しません
 日本国憲法を守り生かし、不戦と民主主義の心豊かな社会をめざします
 二度と戦争の惨禍を繰り返さないという誓いを胸に、
 「戦争法」の廃止を求めます
 沖縄の民意を踏みにじる辺野古新基地建設の即時中止を求めます
 被災者の思いに寄りそい、原発のない社会をめざします
 人間の平等を基本に、貧困のない社会をめざします
 人間の尊厳をかかげ、差別のない社会をめざします
 思想信条の自由を侵し、監視社会を強化する「共謀罪」の廃止を求めます
 これらを実現するために行動し、安倍政権の暴走にストップをかけます

メインステージでのスピーチは、耳を傾けるに値する気合いのはいったものだった。沖縄・原発・格差・貧困・教育・外国人・差別、そして選挙共闘が話題となった。中でも、永田浩三さんと本田由紀さんの発言は出色だった。東京朝鮮学校生徒の訴えとコーラスも胸に響くものだった。

永田浩三さんのやや長いスピーチを、産経が全文文字に起こしている。「こんな怪しからんことを言っている」という趣旨なのかも知れないが、文字で読み直すと、あらためて覚悟を決めた発言の迫力が伝わってくる。しかもその迫力を包み込んだユーモアが耳に心地よい。主要なところを抜粋して、紹介させていただく。これで、会場の雰囲気を感じていただきたい。

「皆さん、こんにちは。32年間、NHKでプロデューサー、ディレクターをしていました。今は大学の教員として若者とともにドキュメンタリーを作ったりしています。今日は、総理の仕事をしている安倍晋三君について話したいと思います。知らない人は、あの嘘つきといえば思い出されるかもしれません。

 私と安倍君は同じ1954年生まれです。同じ学年には志位和夫君、前川喜平君、ドイツの首相、メルケルさんがいます。安倍君は福島原発事故の後、すぐに原発をやめると決めたメルケルさんとは相性が良くないみたいですし、加計学園の獣医学部を作るのが、いかに無理筋だったかを証拠立てて語る前川君が苦手なようです。あと志位和夫君も苦手みたいです。

 私たち1954年生まれは、皆、戦後民主主義教育の申し子です。日本国憲法の3つの柱、『国民主権』『基本的人権の尊重』『平和主義』がどれほど大事なのか、小学校や中学校でしっかり学んだんです。先生たちも熱心でした。
 
 小学校4年生のとき、東京五輪がありました。オリンピックは参加することにこそ意義がある。日の丸が上がるかどうかは関係ない。優れた競技やすごい記録に拍手を送るんだ。アベベ、チャフラフスカ、ショランダー…。柔道で神永昭夫がオランダのヘーシンクに負けたときも、ショックはなくて、ヘーシンクに私は拍手を送りました。『日本を、取り戻す。』『がんばれ! ニッポン!』。その旗を振る安倍君、少し了見が狭すぎませんか」

 「大学を卒業し、安倍君はサラリーマンを経て、政治家になり、私はNHKのディレクターになりました。ある時、思いがけない接点ができました。2001年のことです。私は、日本軍の慰安婦として被害に遭った女性たちを扱ったNHKの番組の編集長でした。一方、その時、安倍君は内閣官房副長官。君は放送の直前にNHK幹部たちにちょっかいを出し、番組が劇的に変わってしまいました。永田町でどんなやりとりがあったのか。その後、朝日新聞の取材で輪郭が明らかになっています。私は抵抗しましたが、敗れました。体験したことを世の中に語ることができず、孤立し、長い間、沈黙を続けました。悔しく、また恥ずかしいことです。あのとき君はそれなりの権力者でした。放送前に番組を変えさせるなんて、憲法21条の言論の自由、検閲の禁止を犯すことになり、そのことが世の中にさらされれば、君は今のような総理大臣になっていなかったことでしょう」

 「今、官邸記者会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が菅(義偉)官房長官からさまざまな圧力を受け、質問が十分にできない中、それでも、われわれの知る権利の代行者であろうと必死で頑張っています。私には人ごととは思えません。でも、私と大きく違うのは、望月さん自身が勇気を出してSNSや集会で状況を発信し、市民とともに事態を共有することで、ジャーナリストを含めた連帯の輪が広がっていることです。市民とジャーナリストの連帯、メディアを市民の手に取り戻す。希望の光がわずかに見える思いです」

 「安倍君の話に戻ります。君が以前アメリカを訪問したとき、キャロルキングの『You’ve Got a Friend』という曲が好きだと言いましたね。『どんなに苦しいときでも友達でいようよ』。僕も大好きですし、その感覚はわかります。でも、残念だけど、君とトランプ米大統領は友達なんかじゃない。欠陥だらけの高額な兵器を買わされるカモにされているだけです。君には戦争の中で傷ついた人、声を上げられない弱い人を思いやる気持ちが欠けています。君の『You’ve Got a Friend』は友達にえこひいきをし、国の仕組みを私物化することです。それは友情ではない!」

 「友情とはもっと気高く素晴らしいものです。君は実力以上に大事にされました。これ以上、何を望むことがあるでしょうか。同い年、同じ学年として忠告します。『これ以上、日本社会を壊すことはやめなさい! これ以上、沖縄をいじめるのはやめなさい! 大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい!』

 「今日は5月3日、32年前、朝日新聞阪神支局で小尻知博記者が銃弾に倒れました。言論の自由が脅かされる社会なんてあってはなりません。ここにお集まりの皆さんが思っておられるのは多分、こうだと思います。リセットすべきなのは、元号ではなく、今の政権なのだと」「今の政権は嘘をつく、今の政権は嘘をついているのです。嘘にまみれた安倍政権こそ終わりにすべきです。心あるジャーナリストとの連帯で、安倍政権を今年中に終わりにさせましょう。ありがとうございました」

(2019年5月3日)

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Published in 金曜日, 5月 3rd, 2019, at 22:20, and filed under 安倍政権, 明文改憲.

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