澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

11月5日(火)午後 「シンポジウム~日本郵政と経営委首脳によるNHK攻撃の構図を考える~」

11月5日、NHK問題のシンポジウムのお知らせ。
「圧力はなかったのか? 報道の自律はどこに~日本郵政と経営委首脳によるNHK攻撃の構図を考える~」
13時~ 参議院議員会館B109(地下1階)
パネリスト
田島泰彦(元上智大学教授)/皆川学(元NHKプロデューサー)
小林緑(元NHK経営委員)/杉浦ひとみ・澤藤統一郎(弁護士)

チラシのダウンロードはこちら→http://bit.ly/31tpSYI
https://kgcomshky.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/sympo12.png
なお、下記「10月11日(金)夕刻、NHKに激励と抗議を」もご覧下さい。
http://article9.jp/wordpress/?p=13490

かんぽ生命保険の不正販売は底なしの様相。だが、この問題を機に、はるかに大きな問題がもちあがっている。この、かんぽ不正販売を暴いたNHK番組「クローズアップ現代+」の制作に対する外部からの干渉である。しかも、干渉したのは単なる外部ではない。NHKと監督官庁(総務省)を共通にする日本郵政による番組への露骨な干渉。日本郵政の先頭に立って干渉を加えたのは、総務省の元次官である。NHKからみれば、総務省からの圧力に見える構図なのだ。

さらなる問題は、NHKの経営委員会がこの干渉に一枚加わったこと。驚くべきことに、経営委員会が日本郵政の意を受けて、NHK会長に厳重注意をした。そして、NHK会長はこれを撥ね除けることをせず、唯々諾々と受け容れた。番組制作現場を守る、外部の干渉から報道の自由を守るという姿勢を露ほども見せていない。会長としての見識に欠け、頼りないことこの上ない。

この日本郵政・経営委員会の干渉は、明らかに番組制作現場に対する「かんぽ生命保険の不正販売追及報道などはやめておけ」というメッセージ。現場は萎縮せざるを得ない。予定されていた、「かんぽ不正販売」報道の続編放映は無期延期となった。関連するホームページも削除となった。然るべき立場からのNHKへの圧力や干渉は、有効に利くことが立証された。これは、恐るべき事態ではないか。

今のところ、役者は3人である。まずは元総務事務次官の鈴木康雄・日本郵便上級副社長、これが元兇。次いで、その意を受けてNHK会長を厳重注意とした石原進・NHK経営委員会委員長。そして、情けなくもこれを受け容れた上田良一・NHK会長。昨年11月に郵政側に上田会長名の事実上の謝罪文が届けられている。さらに、この3人の背後には、4人目の役者として高市早苗総務大臣が控えている。総務大臣は、経営委員会の判断を積極的に後押ししてはいないが、消極的には是認している。

全体像はこんな具合に見える。
《総務省・高市早苗⇒日本郵便・鈴木康雄⇒経営委員会・石原進⇒会長・上田良一》
この4階建ての圧力が、NHK現場の番組制作スタッフにかかってきているのだ。この圧力と露骨な干渉が、制作現場を萎縮させ、報道を歪めている。これを座視してはおられない。

権力の干渉はどんな場面でも望ましくはないが、とりわけ介入してはならない分野がいくつかある。権力が介入の衝動をもち、介入の結果が取り返しのつかない重大な結果をもたらす分野

まずは教育である。そして学問、信仰、文化・芸術。さらに、司法も報道も報道の自由は、なによりも権力の干渉・介入からの自由を意味する。その自由が保障されていなければ、国民は真実を知ることができない。再び、NHKが大本営発表の伝声管となる時代を繰り返してはならない。

この当然の理を明確ににするものとして、放送法第3条は(放送番組編集の自由)と題して、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と定める。

念のためだが、NHK経営委員会は飽くまでNHKの経営面の基本方針を定め、役員の職務の執行を監督する機関であって、放送法第29条(経営委員会の権限等)「経営委員会は、次に掲げる職務を行う。」と限定列挙されているが、放送番組編集に関与する権限はない。

むしろ、放送法第32条(経営委員の権限)は、「第1項 委員は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができない。」「第2項 委員は、個別の放送番組の編集について、第3条(放送番組編集の自由)の規定に抵触する行為をしてはならない。」と、個別番組への干渉を禁止されている。

さらに、内規である「NHK経営委員会規程」は、第3条(権限)において、「第5項 委員は、放送法または放送法に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができない。」「第6項 委員は、個別の放送番組の編集について、放送法第3条の規定に抵触する行為をしてはならない。」と念入りに、経営委員が、個別の放送番組の編集に介入することを固く禁じている。

今回の、経営委員会の行為は、少なくともこの法の理念に違背する行為と言わねばならない。世論による、《総務省・高市早苗、日本郵便・鈴木康雄、経営委員会・石原進、NHK会長・上田良一》への厳しい批判と、現場スタッフに対する激励が必要ではないか。

そのような観点からのシンポジウムである。ぜひ、ご出席を。
(2019年11月1日)

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