子どもたちをオリンピック観戦に動員するな!
(2021年6月12日)
オリパラは完全に堕落した。政権浮揚の道具になり下がったのだ。スポーツにとってもアスリートにとってもこの事態は悲劇であろう。政権は、なりふり構わず開催と盛り上げに狂奔し、いつものとおり提灯持ちの連中がこれに追随している。
コロナ禍を押しての東京五輪開催の理念が語られることはなく、商業主義とナショナリズムが大手を振っている。菅政権や小池都政は、利用できるものはなんでもという姿勢で、子どもたちまでが利用されようとしている。何ともおぞましい。オリンピックとは、かくも汚辱にまみれたものであったか。
しかし、わずかに爽やかなニュースもある。「小中学生の五輪観戦、辞退次々 電車移動と密回避に不安」という埼玉のローカルニュース。(朝日デジタル)
東京五輪・パラリンピックで子どもたちに割り当てられている「学校連携観戦チケット」をめぐり、さいたま市がすべての辞退を決めるなど、キャンセルする動きが埼玉県内で相次いでいる。新型コロナウイルスの感染への心配を払拭できないためだ。
さいたま市は当初、市内の埼玉スタジアムとさいたまスーパーアリーナが会場となる五輪のサッカーとバスケットボールで、中学2、3年生ら向けの約2万1千人分と引率教員約2千人分を希望していた。だが、「不確定なことが多い」(市教育委員会)として、すべてを見合わせる。
越谷市も埼玉スタジアムへのシャトルバスがある北越谷駅周辺の小学校3校と中学1校で306枚のチケットを希望していたが、すべて見送る。市教委の担当課長は「子どもの安全を第一に考えた」と話す。
「観戦チケット」は大会の延期前に各学校からの希望を受け、県内全体で大会組織委員会から五輪8万5500枚、パラリンピック7100枚のチケットが割り当てられた。新型コロナの感染拡大を受け、組織委が県を通じてキャンセルを受け付けることになった。
各校の判断に委ねた川口市によると、市内の36校から辞退の意向があった。割り当てられた8829枚のうちキャンセルは4488枚に。川越市では割り当てられた5558枚のうち改めての希望は約2400枚にとどまった。市内32校のうち8校が希望していた草加市では、754枚の割り当てのうち628枚をキャンセルした。
組織委が会場への移動を「公共交通機関が原則」としていることも、相次ぐ辞退の要因になっている。小学校のある校長は「専用のバス移動なら対策できるが、電車だと『密』を回避しきれない恐れがあり、断念せざるを得ない」と漏らす。
神奈川では、「【新型コロナ】平塚市、小中学生の五輪観戦中止『密集リスクある』」というニュース。(神奈川新聞)
「新型コロナウイルス感染症を巡り、平塚市教育委員会は11日までに、市立小中学校の児童・生徒らによる東京五輪観戦の中止を決定した。
市教委によると、横浜市内で試合が行われる野球やサッカーなどのチケット計540枚を確保し、市立小中学校計45校を対象に希望者を募り、観戦する予定だった。
市教委は「密集するリスクがある上、観客の有無も決まっていない状況などを考慮した」としている。
神奈川県は、県内の公立・私立学校の児童、生徒らの観戦チケット代金の一部を補助している。」
残念ながら、まだ東京からは、「小中学生の五輪観戦、辞退続々」という報道はない。しかし、次のように、声を上げるべきなのだ。
「百害あって一利もない東京オリパラを中止せよ」
「猛暑の中の生徒動員に反対する」
「生徒をコロナ感染のリスクに曝すな」
「子どもたちを政権浮揚の道具に使うな」
「教育に商業主義を持ち込んではならない」
「ナショナリズム刷り込みのオリンピック利用を許さない」
「教育を小池百合子の私物にするな」
「菅や小池の思惑で、オリンピック観戦を強制してはならない」
「オリンピックではなく、子どもたちの運動会を安全にやらせろ」
「小池百合子よ、人気が回復の切り札はオリンピック中止だぞ」