澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

ワニの口が閉じた。これからは逆に開いて安倍内閣を飲み込むぞ。

本日の毎日新聞1面の左肩に、何度見ても笑みがこぼれる折れ線グラフが掲載されている。安倍内閣成立以来毎月続けられてきた、内閣支持率と不支持率。青の線の内閣支持率が上側にあっ下落を続け、赤の線の不支持率が右肩上がり。内閣成立直後は、支持が70%で不支持はわずかに15%程度。その大差そ55ポイントが次第に縮まって、最新調査でついに逆転したのだ。

普通、「ワニの口」は時とともに開いていくことの喩えに用いられるが、この図は、まさしくワニの口が閉じたことを連想させる。これまでの、安倍内閣の世論誘導策が吹き飛んだ。騙しのテクニックのメッキがはげた。これからが、ビリケン(非立憲)内閣を追い詰める正念場だ。

いったん閉まったワニの口は再び開くことになるだろう。そのときは上顎と下顎か逆になっているはずだ。赤線(不支持率)が上になり、青線(支持率)が下に逆転のワニの口が大きく開いて、戦争準備内閣を飲み込むことになる。

《毎日新聞世論調査:安倍内閣不支持上回る 安保法案、説明不十分8割》
 毎日新聞は4、5両日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は5月の前回調査から3ポイント減の42%、不支持率は同7ポイント増の43%で、2012年12月の第2次安倍内閣発足後初めて、支持と不支持が逆転した。政府・与党が衆院通過を急ぐ安全保障関連法案については、国民への説明が「不十分だ」との回答が81%に上った。会期延長した今国会で安保法案を成立させる方針にも61%が「反対」と答え、「賛成」は28%にとどまった。

 安倍内閣の支持率は13年3月に70%に達した後、徐々に低下し、14年6月以降は40%台半ばで横ばい状態が続いていた。今回の42%は衆院選のあった14年12月の43%をわずかに下回り、第2次、第3次内閣では最低を記録。一方、不支持率は初めて40%台になった。自民党の国会議員が開いた勉強会で「マスコミを懲らしめる」など報道機関に圧力をかける発言があったことについては「問題だ」が76%に上り、「問題ではない」は15%。自民支持層でも「問題だ」が7割弱を占めた。

注目すべきは、次の数字だ。
  戦争法案に  「反対」      58%(前回53) +5
            「賛成」      29%(前回34) -5
  今国会成立に 「反対」       61%
            「賛成」       28%
  戦争法案は  「違憲だと思う」   52%
            「違憲と思わない」 29%
  政府の説明は 「十分だ」      10%
            「不十分だ」    81%

解説記事が付いている。
「首相官邸や与党は、安全保障関連法案を今国会で成立させようとすれば一定の支持率低下は避けられないとみていたものの、自民党の若手勉強会による報道機関への圧力発言問題も重なり、「法案への国民の理解が広がらないまま衆院で採決を強行すれば、さらに10ポイント前後下がるのではないか」(同党幹部)と危ぶむ声も出始めた。

自民党幹部も「ついに来たかという感じだ。勉強会の問題が響いていると思う」と述べた。さらに「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉が大詰めを迎え、結果によっては党内で反発が出るだろう。経済もいつまでいいか分からない」と懸念を示した。公明党幹部は「自民が次から次へとオウンゴールした影響が大きい」と語った。

今国会での成立に反対する層では内閣支持率が24%にとどまり、不支持率は63%。政府・与党が採決を急げば、支持率はさらに下がる可能性がある。

以上は、常識的なものの見方。ところが、世の中、常識的なものの見方だけではない。とりわけ、政府中枢の考え方は、常人には計り知れない。

菅義偉官房長官は記者会見で安保法案を今国会で成立させる方針を繰り返し表明している。安保法案の国民への説明が「不十分だ」との回答が81%だったことに対しても、参院自民党幹部は「100時間審議しても200時間審議しても、この質問への答えは変わらない」との見方を示す。同党の支持率自体は大きく下がっていないことも強気の背景にあるようだ。

同時期に読売も世論調査をし、本日結果を発表している。
こちらはワニの口はまだ閉じていない。しかし、「安倍内閣の支持率は49%で、前回調査(6月5~7日)の53%から4ポイント低下した。内閣支持率が5割を切ったのは、14年12月の第3次安倍内閣発足直後(49%)以来で、「報道規制」発言が影響したとみられる。不支持率は40%(前回36%)。」と、支持と不支持の差は、17%から9%と8ポイント縮まった。読売の調査をもってしても、1億の有権者の内400万人が、安倍内閣支持から不支持へと鞍替えした計算になる。

戦争法案の審議が始まって一か月半。「法案に対する政府の説明は不十分」が圧倒的な民の声である。さりとて、「丁寧に説明すればするほどボロが出る」「審議が進むほどに反対世論が大きくなる」。「次から次へのオウンゴール」はたまたまのことではない。すべては、安倍内閣の体質そのものの露呈ではないか。

内閣支持率に火が付いたこの事態で、政府与党が戦争法案の採決を強行できるはずはない。まさしく、それは火に油を注ぐ愚行だ。

政権の選択肢は二つ。自暴自棄に採決強行してワニの口に飲み込まれるか、それとも法案を撤回してワニを宥めるか。ワニをなめてはならない。
(2015年7月6日)

Comments are closed.

澤藤統一郎の憲法日記 © 2015. Theme Squared created by Rodrigo Ghedin.