澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

マイナンバー 知らせて危険。知らせられるともっと危険。

年末から年初にかけて確定申告のための支払い調書(源泉徴収の票)が届いた。
今までにないこととして、事前に「調書作成のためにマイナンバーをご連絡ください」とする問合せが何件かあった。そのいずれの問合せにも、「マイナンバー記載なしで調書の作成をお願いします」「その方がお互い面倒でないでしょう」ということで、なんの問題も起きていない。行政が「どうしても必要」という場合には、それなりの対応をしなければと思ってはいたが、そのようなケースに遭遇することはなかった。

マイナンバー、使って何の得もない。うっかり使えば、漏洩のリスクが大きい。知られた者も知らされた者も、リスクを抱えることになる。こんなもの、ないに越したことはない。こんな制度は眠り込ませるに如くはない。

目についた限りで、関連した幾つかの情報をご紹介する。

不記載の給与支払い報告書 市が受け取り拒否を撤回
小松島市(徳島県)「生活と健康を守る会」は、1月18日小松島市に対し、マイナンバー不記載を理由とする申請書等の受け取り拒否を改めるよう申し入れました。
 1月16日、漁業を営む会員の島田佳代さん(仮名、74歳)がマイナンバー不記載を理由に、市から給与支払報告書の受け取りを拒否されました。
 小松島市生健会は3月の税金集団申告に向け、昨年11月から税金学習会を3回開催。その中でマイナンバーについて学習をし、プライバシー侵害のおそれがあるため、マイナンバーは書かないことを確認してきました。
 1月18日は、毎月第1、第3月曜に開催している「なんでも相談会」の日でした。受け取りを拒否された島田さんは相談に訪れ、「給与支払報告書を仕上げ、市役所に提出しようとして拒否された」ことを話しました。
 早速、市に申し入れることにし、島田さんと井上博善会長ほか役員3人が参加しました。市役所からは税務課長と担当係長が出席。初めに、生健会から「給与支払報告書の受け取り拒否は、国の定めたマイナンバーの取り扱い原則から逸脱している。不記載でも受け取るのが原則だ。なぜ受け取り拒否したのか」と質問し、その経緯の説明を求めました。
 担当係長は「窓口担当職員から事情を聴いた。受け取り拒否でなく、会員の方がどうするか考えるため持ち帰った」との説明。島田さんは「マイナンバー不記載では受け取れないと、担当者が言った」と反論。
 その後担当係長から「行き違いがあり、迷惑をかけました。不記載の意思が確認できる場合は受理します」と謝罪がありました。
 その場で(マイナンバー記載のない)給与支払報告書を提出しました。
 2月14日から始まる確定申告のマイナンバー記載の取り扱いについても、尋ねました。「所得税に関するマイナンバーについては、市税務課(所得税申告を受け付ける市の窓口)では確認しないよう税務署から指示されている」「住民税については、マイナンバー記載の場合、証明するものの提示を求める。不記載の場合は、『来年の申告では記載するよう』指導する」との説明がありました。
 最後に井上会長は、「マイナンバー制度により事業所は事務が増えている。国民はマイナンバー漏えいによるプライバシー侵害を心配している。マイナンバー制度は廃止すべきである」と述べました。
(以上、2017年2月5日号「守る新聞」。同会ホームページから)

税申告マイナンバー不要 全生連が省庁交渉で確認

全国生活と健康を守る会連合会(全生連・安形義弘会餐)は8日、国が個人情報を管理するマイナンバー(共通番号)制度をめぐり、担当省庁と国会内で交渉し、税申告の際、マイナンバーの記入がなくても申告が受け付けられることを確認しました。総務省、国税庁、内閣府の3省と交渉しました。
 総務省の担当者は、「マイナンバーの記入がない場合も税申告を拒否することはない。申告を受け付ける。記入がないことによる罰則もない」と話しました。参加者は、新潟県南魚沼市の住民が税申告の際にマイナンバーを記入しないことを伝えたところ、市役所から「記入拒否の理由書を住所・氏名とともに提出せよ」と同市が作成した「マイナンバー未記入理由書」への記入を求められた事例を紹介。「まったく必要がないと周知徹底してほしい」と申し入れました。
 総務省の国税庁の担当者は、「法令上、そういった書類を出してもらう必要はない。自治体にもそういった指導はしていない」と回答しました。
 全生連はこのほか、▽行政から発送される通知などにマイナンバーを記載しない▽国民のプライバシーを侵害するマイナンバー制度そのものを廃止する-ことを求めました。
(しんぶん赤旗 2017年2月10日)

マイナンバー 記載なくても不利益ない 全中連に各省庁が回答
全商連も加盟する全国中小業者団体連絡会(全中連)が(2015年)10月27、28の両日に行った省庁交渉ではマイナンバー(共通番号)制度実施の延期・中止を求めるとともに「共通番号の記載がなくても提出書類を受け取り、不利益を与えないこと」などを要望しました。主だった各省庁の回答を紹介します。

【内閣府】
・「扶養控除等申告書」「源泉徴収票」などの法定資料や雇用保険、健康保険、厚生年金保険など書類に番号が記載されていなくても書類は受け取る。記載されていないことで従業員、事業者にも不利益はない。
・従業員から番号の提出を拒否されたときは、その経過を記録する。しかし、記録がないことによる罰則はない。
・「個人番号カード」の取得は申請によるもので強制ではない。カードを取得しないことで不利益はない。
【国税庁】
・確定申告書などに番号未記載でも受理し、罰則・不利益はない。
・事業者が従業員などの番号を扱わないことに対して国税上の罰則や不利益はない。
・窓口で番号通知・本人確認ができなくても申告書は受理する。
・これらのことは個人でも法人でも同じ。
【厚生労働省】
・労働保険に関して共通番号の提示が拒否され、雇用保険取得の届け出で番号の記載がない場合でも、事務組合の過度な負担が生じないよう、ハローワークは届け出を従来通り受理する。罰則や不利益はない。
・労働保険事務組合が番号を扱わないことによる罰則や不利益な扱いはない。
・番号を記載した書類を提出するとき、提出者本人の番号が確認できない場合でも書類は受理する。

以上のとおり、マイナンバー不記載による納税者等の不利益はない。一応、事業者にはマイナンバー記載の義務は定められており、労働者には協力義務があることにはなっている。だから、行政が、マイナンバー記載の指導を求めることは違法ではない。しかし、国民が自らのマイナンバー不記載の意思を明示すれば、法はこれを強制することを想定して作られてはいない。刑罰のないことはもちろん、強制や誘導のための一切の制度はない。

一方、うっかり番号を預かると、担当者には秘密保持義務が課せられ、「秘密を漏らし、又は盗用した者は、3年以下の懲役若しくは150万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(番号法第50条)」とされる。これはたいへんなことではないか。
マイナンバー人に知らせて危険。人から知らせられると、もっと危険。
(2017年2月12日)

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Published in 日曜日, 2月 12th, 2017, at 22:05, and filed under 税金.

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