澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

「原水爆の被害者は わたしを最後にしてほしい」(故久保山愛吉)

大型連休最終日の本日(5月7日)は、江東区夢の島で公益財団法人第五福竜丸平和協会の理事会。5月27日評議員会に提出の事業報告や、決算・予算案そして人事提案作成などが議題。

川崎昭一郎理事長を筆頭に理事は5名。それに、私と浦野広明さんが監事。安田和也事務局長が加わって8名で議事が進行する。理事(5名)・評議員(10名)の役員全員が核廃絶の理念に共鳴したボランティア。当然のごとくまったくの無償での活動。予算規模からも、この団体では経理上の不祥事は起こりようがない。

席上、2016年度(16年4月~17年3月)の第五福竜丸展示館の入場者総数が、106,855人と報告された。6年前の東日本大震災で入館者数が激減し、いまだに震災前の水準回復までには至らないものの、ようやく年間入館者数10万人の大台を回復した。展示館の来館者人数は、核廃絶運動消長のバロメータの一つと言ってよい。ぜひ、もっともっと多くの来館者を得たいもの。

団体の見学者が、765団体で27,428人。うち、小学校84校4,353人、中学校177校11,913人、大学を含むその他の学校91校、1,328人とのこと。

小学生の来館者の少ないことが話題となった。従前の半数を回復できていないという。とりわけ、都内の小学校からの来館者が少ない。近隣の学校には勧誘のビラをお渡しして働きかけはしているのだが、なかなか成果に結びつかない。学校の先生方の関心が薄れているのではないだろうか、という危惧が語られた。

小中学校のどの社会科教科書にも、戦後史の一コマとして、水爆実験による第五福竜丸被災の事実は記載されているのだという。それでも、授業では通り一遍のものになっているのではないか。その授業から、第五福竜丸実物展示見学までの距離をどうしたら埋められるのだろうか。やはり、原水禁運動の拡がりと熱気の問題となろうか。現在、原発事故被災に対する関心は高い。そのことと、核兵器や核実験による放射線被害との結びつきが十分に意識されていないのが残念だ。

子供も大人も、多くの人に第五福竜丸展示館に足を運んでいただき、歴史の生き証人である巨大な船体を眼前に、充実したパネル展示やガイドの説明で、1954年3月1日のできごとの意味をお考えいただきたい。日本の原水禁反対運動は戦後すぐから盛んであったのではない。第五福竜丸の被災をきっかけに国民的大運動になったのだから。館内の展示内容は、毎年2度ずつ変わる。ぜひとも、友人を誘っての繰りかえしのご訪問を。

現在の展示企画は、第五福竜丸の建造70年を記念して、木造船の歴史に焦点を当てた内容になっている。『この船を知ろうー建造70年の航跡』につづいて、6月からは、『この船をつくろうー船大工 匠の技』と題して、どのように船が造られるのかをたどる展示となる。建造の地和歌山県古座(串本町)、練習船改修の旧強力造船(三重県伊勢市)などからの資料提供を得て、船大工の船造りの工程や船大工の技、大工道具などを展示する。下記の実演イベントも用意されている。

特別イベント「船大工 匠の技を視る」
7月23日(日)午後2時~
第五福竜丸船首下特別ステージにて、大工さんのお話しと実演。
第五福竜丸の改修をした、三重県伊勢市の船大工が愛用の大工道具といっしょに夢の島に登場!! どなたでも参加できます! 無料。

また、6月17日(土)には、第46回ビキニふくしまプロジェクトとして、「マーシャルとふくしまをむすぶ」朗読と講演もある。
マーシャル最新事情を、第五福竜丸展示館の学芸員2人が報告し、福島の現状について井戸川克隆前双葉町長が講演する。

なお、第五福竜丸展示館の公式ホームページは以下のとおり。
http://d5f.org/
懸案だった英語の表記も充実したものとなった。海外からの熱心な見学者が増えているという報告もあった。

会議のあと展示館の外に出ると、久保山愛吉さんの石碑の側の花壇にバラが咲いていた。展示館の公式サイトには、今日(5月7日)アップされた次のような、やさしい文章のお知らせがあった。

連日、途切れることなく来館者でにぎわっています。
お天気のいい連休ということもあり、小さなお子さんを連れた方やバーベキューで遊びにいらしている方たちも、立ち寄られているようですね。
「原水爆の被害者は わたしを最後にしてほしい」
という久保山愛吉さんの言葉を刻んだ石碑の周りでは、バラがいっせいに咲きはじめました。
生前、久保山さんが育て、その後妻・すずさんが丹精したバラを株分けしていただいたクイーン・エリザベス(ピンク)、平和を願って植えられたピース(黄色)アンネのバラ(オレンジ)・・・。
季節の花たちも咲き誇っています。
連休明けからは本格的な修学旅行シーズンで、たくさんの小中学生たちを迎えます。
(2017年5月7日・連続第1498回)

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公益財団法人第五福竜丸平和協会は、東京都から都立第五福竜丸展示館の運営を委託され、「都立第五福竜丸展示館ニュース 福竜丸だより」(隔月刊)を発行している。その2017年7月号が、通算400号となる。

「たより」は毎号8ページ。充実していると思う。定期購読については、以下のURLを開いていただきたい。
http://d5f.org/contribute.html

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Published in 日曜日, 5月 7th, 2017, at 23:02, and filed under 第五福竜丸.

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