澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

天下分け目の秋葉原に、「アベやめろ」コールの嵐。

7月1日である。安倍内閣が集団的自衛権行使容認の閣議決定をしたあの日からちょうど3年。両院で「底上げの絶対多数」を握った自公与党と、これを閣外から支えた維新。その非立憲勢力が暴走してトンデモ政治状態が続いたこの3年。ようやくにして、これに歯止めが必要との風が吹き始めている。

明日(7月2日)が、注目の東京都議会選挙。本日が、その選挙期間の最終日である。今日までは、ブログでの選挙運動が可能だ。そして、ブログの記載を消す必要はない。だから、しっかりと書いておきたい。

なによりも、アベ一強政治の暴走をストップさせなければなりません。あなたが、平和や民主主義や暮らしを大切にしたいと願うなら、決して自民党に投票してはなりません。そして、衣の下に鎧が見える、自民党と同類の都民ファーストの会にも、です。都知事・小池百合子、なんの実績もありません。なんの理念も、なんのビジョンも。ただ、風を読み、風に乗るだけの節操のない人。

さらに公明党。国政では自民党の下駄の雪となり、腹心の友ともなってともに悪政を推進し、自民党劣勢と見るや手のひらを反して都政では小池と組もうという、これも節義・節操に欠けること甚だしい。何をやりたいのか、政治の理念を語ることがあまりにも少い。

真っ当な政治を取り戻すために、ぜひとも日本共産党の諸候補への投票をお願いいたします。文京選挙区では、共産党公認の福手よう子が厳しい闘いを繰り広げています。ぜひ、当選させてください。

なお、共産党都委員会のホームページは以下のとおり。
http://www.jcp-tokyo.net/
共産党の公認・推薦候補一覧は以下のURL。
http://www.jcp-tokyo.net/profile/list.html
そして、福手ゆう子のサイトは以下に。
https://twitter.com/yukofukute
https://twitter.com/yukofukute
http://yufukute.exblog.jp/

文京区の選挙情勢は、全体の政治状況を象徴している。
都議の定数は2。この2議席を、これまで自民・民主・共産の3候補が、熾烈に争ってきた。順位が入れ替わって勝敗の明暗が変わる。前回選挙では、自民と共産が勝って、民主が落ちた。

今回は、前回民主党公認候補として出馬し落選した増子博樹が、今度はタスキの色を変えて、都民ファーストの会から立候補する。鳩山邦夫秘書から民主党議員を経て、都ファに鮮やかな転進。4年前前回の民主基盤の得票は1万7500票。その大半は期待できないだろう。公明票の基礎票と、小池支持の風の上積みを期待する。公明党は自党の候補者を擁立する力量はない。どの候補にでも、票をとりまとめることができるのが、この宗教政党独特の「強み」。

自民前職で立候補するのが、中屋文孝。東京都議当選3回で、前東京都議会警察・消防委員長、自民党東京都第18代青年部長という肩書。前回選挙では追い風吹いて、2万8400票とダントツのトップだった。今回は、確実に公明票が離れる。安倍政治への逆風が批判票として離れる。

前回の共産候補は3期目の小竹紘子で1万9700票だった。今回は民進党と争わない。民進党区会議員の中には公然と福手応援者が出ている。社民党・自由党・革新無所属などの支援もある。自民離れ票も期待できる。メディアは福手有望とは書かないが、新人の福手にバトンタッチがうまくいけば、十分に当選の目はある。

ところで、昨日の当ブログで、「明日、新たに檜舞台に躍りでる『戦犯』は誰だろう。楽しみでならない。」と書いた。新しい名前はでなかったが、選挙運動最後の日の「戦犯」の任務は、本命のアベ・シンゾー本人が本領発揮して立派に務めた。さすが、シンゾー。

朝日.comでは、「首相演説に『「辞めろ』『帰れ』の声 都議選で初の街頭に」「首相街頭演説に籠池氏現る 『100万円返金したい』」とのタイトル。

私は近所にいながら、現場を見ていない。臨場感あふれるリテラの記事を引用する。

『駅前を覆い尽くす政権批判のプラカード、そしてものすごい音量の「安倍やめろ」の声──。安倍首相は本日16時から秋葉原駅前で行われた都議会選の応援演説に登壇したが、自民党候補の応援どころではなく、国民の激しい批判の声にさらされる結果となってしまった。
「安倍やめろ」コールは自民党陣営の演説スタートまもなくからはじまった。聴衆からは安倍政権を批判するさまざまなプラカードが掲げられ、「安倍やめろ」と書かれた大きな横断幕まで登場。それを自民党スタッフは「自民党青年局」の幟を並べることで隠そうとするなど必死に。他方、駅前にはあの籠池泰典・前森友学園理事長夫妻まで登場するなど、演説会はまさにカオス状態となった。
そして、安倍首相が16時40分ごろに演説カーに登ると凄まじいブーイングと「帰れ!」コールが噴出。安倍首相がマイクを握ると、支持者らが拍手を送るも、より強くなった激しい「帰れ!」「安倍やめろ!」の声に掻き消されたのだ。
この国民の批判が殺到する事態に、しかし、安倍首相は反省するどころか逆ギレ。なんと聴衆を指差しながら「演説を邪魔するような行為」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだのだった。
国民の批判の声に陰謀論丸出しで“演説妨害”と決め付けるというのはいかにも安倍首相らしいが、しかしいくら話をスリ替えようが、負け惜しみを言おうが、安倍首相にとって、こうした批判を浴びせかけられる絵ができあがってしまったことは大誤算だったはずだ。この都議会選で安倍首相は2度、応援演説に参加したが、どちらとも街頭ではなく小さな屋内の会場だった。これは批判のヤジがあがることを見越し、声があがりづらい屋内を選んだことは明白。だが、にもかかわらず、会場からはヤジが飛ぶ結果に。』

秋葉原は、右翼の結集地でありアベ支持勢力にとってのメッカである。2012年暮れのアベ政権樹立となった総選挙の最終日には、ここに日の丸と旭日旗が林立した。都内で、安倍が街宣に顔を出すとしたらここしかないはず。それがこの結果だ。天下分け目の秋葉原になるやも知れぬ印象。さあ、明日が選挙だ。
(2017年7月1日)

あなたたちのおかげです。安倍首相と『加計3悪人』とその仲間たち。

いよいよ都議選が目前だ。この都議選は、なによりもアベ一強弾劾選挙だ。付随して自公政権批判の選挙。アベ自民と公明党への打撃が、憲法の擁護に直接つながってくる。

アベ自民の勢力を減殺し、「市民と野党」連合勢力を大きくすることが、特定秘密保護法や戦争法、そして共謀罪の発動を阻止し、その法の廃止の展望につながる。

さて、私の身のまわりでは、その手応えは小さくない。私は、文京区本郷に住んで20年余になる。20年余ご近所との付き合いは、深からず濃からず…。そのご近所のお一人が、こちらから語りかけずして、「今度(だけ)は、共産党に入れる。安倍さんって明らかにおかしい。公明党も。でも本当におかしいのはこんな人たちを選んだ私たちだものね」と。これは、20年来なかったことなのだ。

この好ましい状況は誰のおかげだろう。アベ自民から見ての「戦犯」は誰だ。メディアは、「都議選の戦犯は安倍首相と『加計3悪人』」と言っている。『加計3悪人』とは、萩生田・菅・下村の3人。

とりわけ、下村博文は文科大臣時代に学校法人加計学園から200万円の闇献金を受領していたとして叩かれ、しょうもない釈明記者会見で、さらに自らの首を絞めた。これが自民党都連会長なのだから、自民党の目はない。

『加計3悪人』にアベを加えた4人だけのおかげではない。いや、さすが自民党人材は豊富だ。日替わりメニューで出てくるニュー・スターたち。おなじみのイナダ朋美、豊田真由子様、そして二階俊博幹事長。

イナダは本当に弁護士なのだろうか。法的素養と法的な思考・判断力ゼロを露呈して恥じるところがない。豊田様の暴言は議員様たちの裏の顔を露わにして分かり易い。河村健夫議員の「あれはたまたま彼女が女性だから、あんな男の代議士なんかいっぱいいる。あんなもんじゃすまない」というホンネと相まって、影響はとてつもなく大きい。そして、大物が登場する。二階俊博幹事長である。

「二階氏は30日夕の国分寺市の演説で、自身を含む政権中枢の発言を伝えている報道機関に矛先を向け、『マスコミは偉いには違いないが、偉いと言っても限度がある。あんたらどういうつもりで書いているのか知らんが、我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか』と述べた」と報じられている。

この論理、「スポンサー・ファースト主義」という。あるいは「スポンサー・オンリー主義」。「国が金を出しているのだから、国立大学では日の丸・君が代を掲揚斉唱しろ」というあの理屈。いまや、「スポンサー・ファースト主義」は三歳児からの幼稚園・保育施設に「国旗国歌に親しむ環境」の押しつけにも使われている。

「我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか」というときに、二階の頭の中にある「我々」とは誰のことだろう。

政権や権力中枢のことだろうか。与党勢力のことだろうか。あるいはこの世を支配している企業のことだろうか。いずれにしても、ジャーナリズムに対して、堂々と「カネの力に屈せよ」という、凄すぎるこのセンス。さすが自民党幹事長。やっぱり安倍さんと、安倍さんにつながる人々はおかしいのだ。

コチラから見ての最大の功労者、アチラから見ての最大の戦犯は、やはりアベ・シンゾー本人なのだ。それにしても、明日、新たに檜舞台に躍りでる「戦犯」は誰だろう。楽しみでならない。
(2017年6月30日)

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