わたしはふしぎでたまらない ― どうして退陣しないのか
本日(5月2日)の毎日新聞「みんなの広場」(投書欄)に、「歯止めかからぬ支持率低下」と題した意見が寄せられている。長崎県諫早市の麻生勝行さん(77)からのもの。
ご意見の要旨は以下のとおり。
「これほどまでに疑惑にまみれてしまった安倍政権。国民の批判は高まるばかりだ。どうして退陣しないのだろうか。」「安倍晋三首相には政治的良心や適切な判断力が欠如しているようにしか思えない。」「森友学園疑惑、加計学園問題、自衛隊の『日報』隠しなど、隠蔽や改ざんのオンパレードである。どれ一つとして国民が十分に納得できる説明をしていない。誠実な正しい政治をしていないのだから、国民を満足させる答弁ができないのは至極当然である。」「全国世論調査によると安倍内閣の支持率は30%で不支持は49%。支持率の低下傾向に歯止めがかからない状況だ。安倍首相は勇気を持って退陣すべきではないか。」
まったくおっしゃるとおりではないか。
政治の現状 森友、加計、『日報』、隠蔽や改ざんのオンパレード
政府の対応 国民が納得できる説明をしていないし、できない。
その原因 安倍首相に、政治的良心や適切な判断力が欠如していること。
国民の反応 歯止めかからぬ支持率低下
投書者意見 首相は勇気を持って退陣せよ
良識ある国民の多くが同じ気持ち、同じ意見だと思う。とりわけ、「安倍首相には、政治的良心や適切な判断力が欠如している」との指摘には、深く頷かざるを得ない。安倍政権の早期退陣要請は、もはや天の声である。
ところで、この投書には金子みすゞの「ふしぎ」という詩が引用されている。
「わたしはふしぎでたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀にひかっていることが。」
投書者は、安倍首相やその取り巻きたちの、政治的良心を欠いた醜悪さを「黒い雲」と受けとめている。その醜悪な「黒い雲」政権が行う、黒く醜い諸政策が、国民の眼前に現れるときには、必ずしも「黒い雲」から落ちてくる「黒い雨」として見えるわけではない。取り繕われ、粉飾されて「銀にひかって見える」のだ。あたかも、美しい銀の雲から降ってきたものの如くに…。このことが金子みすずの言葉を借りて、「ふしぎでたまらない」と語られている。
投書者の思いは、こうであろう。
眼前に銀色に美しく光って見える雨に欺されてはいけない。いまようやく、多くの人の力で、政権の醜悪さが明らかとなった。だから、力を合わせてこの政権を退陣に追い込まねばならない。
なお、みすずの詩は、次のように続く。
わたしはふしぎでたまらない、
青いくわの葉たべている、
かいこが白くなることが。
わたしはふしぎでたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。
?
わたしはふしぎでたまらない、
たれにきいてもわらってて、
あたりまえだ、ということが。
一節、投書者の思いを付け加えよう。
わたしはふしぎでたまらない、
良心欠いた政権がこれだけみんなに叩かれて
それでも退陣しないのが。
もう一節。
わたしはふしぎでたまらない、
うそにまみれた内閣に30%の支持がある、
どこのどなたのご冗談。
(2018年5月2日)