そりゃ出せません、「桜を見る会」の出席者名簿。出せる内容じゃありませんから。
えっ? 「桜を見る会」の出席者名簿を出せって? 無理なこというなよ。常識で考えてもみたまえ。出せるわけがないだろう。政権批判の材料とするから出せっていう要求に、むざむざ、どうぞこの資料で存分に叩いてくださいって、そりゃあり得ないことはおわかりだよな。
行政には何が大切かって? 「国民の行政に対する信頼」が大切に決まっているだろう。信頼って、安心して任せておくってことだよ。国民は、政権に全部お任せてしておけばいいんだよ。余計な心配や詮索などすることはない。政府に対する厚い信頼こそが、民主主義の基本じゃないか。
えっ? 民主主義は「国民の忌憚のない権力に対する批判」によって成り立つって? 「批判のためには、国民には知る権利」が保障されなければならないって? なに言ってんの。政府のアラを探して批判しようという権利が国民にあるというのなら、政権の側には対抗して「隠す権利」がなければならない。これが公平というもの。安倍内閣はこの基本に基づいて政権を運営している。
だから、あらゆる資料は取捨選択する。都合がよいものは出す。政権に都合の悪いものは出さない。隠匿も改竄もありだ。政権維持のためには当然のこと。
今は、民主主義の世の中だ。民意に支えられて政権ができているんだよ。その政権が、出せないって言うんだから、出さないの。「桜を見る会」の招待者名簿が世に出てみろよ。政権が倒れかねない大事件になる。宮本徹議員からの資料提出要求あったとたんにシュレッダーにかけたのは、ヤバイから慌てて破棄したのさ。せっかく破棄したものだ。バックアップデータがあろうとなかろうと、都合が悪いんだから絶対に出さない。どんなことがあっても出すものか。
この名簿、うっかり出せばたいへんだ。鵜の目鷹の目で調べ上げられることになる。アキエ関連もいくつも出て来る。反社の皆様方の名もゾロゾロ。悪徳商法だってジャパンライフばかりじゃない。なによりも,安倍後援会・安倍選挙関係者の名が連なる。調べていけば、公職選挙法違反にも、政治資金規正法違反にも発展しうる。そりゃ、困る。なっ。こんな名簿、出せるわけのないことはお分かりだろう。
理屈は、どうにでもつく。たとえば、「個人情報の保護」だ。誰が「桜を見る会」に招待されたは、プライバシーに関わる厳秘の情報だ。「行政の透明性」より,個人情報の保護こそが大切じゃないかね。反社の皆様にも、アキエ夫人の友達にも、悪徳商法の方々にも、プライバシーというものがある。
そりゃあ、各界の功労者や代表者が招待されたわけだが、晴れがましく名誉ある立場と言えども、世間に知られたくないという奥床しい方は大勢いらっしゃる。そのような人びとの気持ちを考えなければならない。
勲章だって、褒賞だって同じことだ。もらったことを秘密にしておきたいという方もいる。そうだ。来年からは、すべての受賞者を秘密にしよう。
今は苦しいが、もうすぐ国会も終了だ。逃げ切れるかどうかは、世論次第。世論調査を見てみろよ。国民は賢い。野党とメディアがこれだけ叩いても、内閣支持率は40%を維持しているだろう。こういう、ものわかりがよくてもの言わぬ国民の支持に、安倍政権は支えられている。これが、民主主義というものだよ。
(2019年12月6日)