東京オリンピック開会前日のこの禍々しさ。
(2021年7月22日)
東京オリンピック開会の前日である。なにか禍々しいことが押し寄せて来そうな不気味な雰囲気。
その不気味さの理由の第一は、コロナ蔓延の急拡大である。東京都の新型コロナの新規感染確認者数は本日1979人となった。先週木曜日比で671人の増である。本日までの7日間平均は1373.4人で、前の週の155.7%となる。なお、本日の全国での新規感染者数は5397人と5000人の大台を超えた。感染急拡大の真っ最中での開会式となる。祝祭の気分など出てくるはずもない。今なら、まだ中止にできる。
不気味さの理由の第二は、開会式開始まで40時間を切っての幹部スタッフの解任劇である。開閉会式のディレクター・小林賢太郎の「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」というコントに批判が集中しての解任。また、また、なのだ。これは深刻である。「何度も繰り返される光景に、現場は冷め切っている」(朝日)のは当然だろう。関係者の祝賀の気分もやる気も失せて当然。今なら、まだ中止にできる。
イジメ虐待吹聴の小山田や、ホロコーストごっこの小林は、本来は汚れた五輪に似つかわしい。居座ってもらった方が、オリンピックの何たるかが分かり易く、教訓的である。そのような汚れた場に出席することが、自らのイメージダウンにつながると思うのがノーマルな判断。欠席表明者が相次いでいる。
NHKの報じるところでは、「オリンピック開会式 スポンサー企業の3分の2が欠席」だという。高いカネを出してスポンサー企業となってはみたものの、この禍々しい東京五輪と親しいことは、却って明白な負のイメージなのだ。
NHKが、明日の東京オリンピック開会式に出席が認められているスポンサー企業78社に対応を取材したところ、回答した55社のうち37社(67%)が会社関係者は出席しないと答えたという。出席すると答えた企業は12社で、このうちトップが参加するのは、わずか1社。徹底的に嫌われた、イメージ最悪のオリンピックなのだ。
出席しない各社が理由をこう述べている。
アサヒビール 「感染拡大の状況や東京会場における無観客開催が決定したことを踏まえた」
東京ガス 「安心・安全な大会を開催するという組織委員会の方針に従い、連携、サポートしていくため」
表向きの理由は無観客の開会式に特権者ヅラでの出席はブランドイメージに傷が付くというだけのものだが、その裏には東京五輪のイメージの悪さがしっかりとある。
一方、「出席する」と回答したのは21%にあたる12社で、6社が未定。出席者については、会社のトップと答えたのは1社にとどまり、幹部クラスが2社。また7社は提供した物品の確認や運営の記録のために現場レベルの担当者を派遣すると答えている。
また、経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体トップが、そろって欠席するほか、各国の要人の中でも出席を見合わせるケースが相次いでいる。政治家もしかり。確実に史上人気最低のオリンピックである。
天皇(徳仁)には、このオリンピックへの出席の是非を語る自由は一切ない。大衆からの対天皇人気を気にする守旧派は、こんなオリンピックの開会式に天皇を出席させたくはないのだろうが、菅政権は天皇に出席と開会宣言の朗読を指示している。天皇と東京オリンピックが似つかわしかろうとそうでなかろうと、天皇の出席と開会宣言の朗読が、天皇や皇室のイメージにどのような影響を与えようと、天皇(徳仁)に内閣の指示を拒否する裁量の余地は一切ない。
さて、明日はどうなるのだろうか。コロナの拡大と医療の逼迫はどこまで進展するのだろうか。まさかとは思うが、スタッフの解任はさらに続くことにはならないか。開会式への出席者はさらにどれだけ減ることになるだろうか。なにか禍々しいことが押し寄せて来はしないだろうか。そんな不気味な前夜である。