《NHK文書開示請求訴訟》次回10月26日法廷は、森下俊三の不法行為がテーマ。
(2022年10月17日)
NHK森下俊三経営委員長の不法行為責任を問う
《NHK文書開示請求訴訟》10月26日(水)14時・415号法廷。
NHKと森下俊三経営委員長の両名を被告として、NHKの報道姿勢と総理大臣任命の経営委員会のあり方を根底から問う《NHK文書開示請求訴訟》。その第5回口頭弁論が、以下の日程で開かれます。
日時 10月26日(水) 午後2時
法廷 東京地裁415号
今回の法廷では、原告主張の第7準備書面の要約を、パワーポイントを使って、弁護士澤藤大河が解説いたします。テーマは、被告森下俊三の不法行為責任にしぼった陳述です。ぜひ傍聴をお願いいたします。
なお、今回傍聴券の配布はありません。先着順に415号法廷に入廷してください。コロナ対策としての空席確保の措置はありませんので、傍聴席の座席数は十分だと思われます。
また、閉廷後報告集会を開催いたします。時刻・場所は未定ですが、決まり次第お知らせいたします。こちらにも、ご参加下さい。
この訴訟は、原告114名の情報公開請求訴訟です。もっとも、行政文書の公開を求める訴訟ではなく、NHKに対して、その最高意思決定機関である経営委員会議事録の開示を求める訴訟です。いい加減に誤魔化した議事録ではなく、手抜きのない完全な議事録と、その文字起こしの元になった録音・録画の生データを開示せよという訴訟になっています。
問題の議事録は、経営委員会が当時の上田良一会長に「厳重注意」を言い渡したこと、そしてその前後の事情が明記されているものです。なにゆえの「厳重注意」だったか。経営委員会が、NHKの報道番組に介入して、放送を妨害する意図をもっての「会長厳重注意」だったのです。
NHKの良心的看板番組「クローズアップ現代+」が、「かんぽ(生命)保険不正販売」問題を放映したところ、加害者側の日本郵政がこの番組をけしからんとして、NHKに圧力をかけてきました。経営委員会は、この外部の圧力から番組制作を護らなければならない立場であるにかかかわらず、なんとその正反対のことをしでかしました。当時経営委員会委員長代行だった森下俊三が先頭に立って、日本郵政の上級副社長鈴木康雄らの番組攻撃に呼応して、番組制作現場への圧力を加える『会長厳重注意』を強行したのです。放送の公正を歪める、放送法違反の行為です。
森下俊三はその後経営委員会委員長となり、さらに再選されて今なお、経営委員会委員長におさまっています。こんな経営委員を選任したのは、あんな内閣総理大臣、安倍晋三でした。大きな責任があります。
訴訟までされながら、なぜNHKは、原告たちに開示を求められた議事録やデータを出さないのか、あるいは出せないのか。NHK執行部に議事録を出せない理由はありません。むしろ、経営委員から不当な「厳重注意」の処分を受けた会長側とすれば、きちんと議事録を提出してことの曲直を糺して欲しいという希望があるに違いないのです。
原告たちは、被告NHKに対する文書開示請求権を持っている。その請求権の履行を妨害しているのは、経営委員会委員長の森下俊三なのです。これを、不法行為として、損害賠償を請求しているのです。
何しろ、NHKという組織では、経営委員会が最高権力者です。NHKの会長を選任することも、クビを切ることもできます。NHKが独自の判断で、経営委員会議事録の開示も非開示もできるはずはありません。お伺いを立てて、経営委員会のご意向次第。何しろ、議事録には経営委員会の放送法違反が書き込まれているのです。
以上のスジを約10分のパワポにまとめて、ご説明いたします。本来、権力を監視することを本領とするのがジャーナリズムです。権力から独立していなければならない巨大メディアが、こんなにも権力にズブズブなのです。NHKという巨大メディアの政治権力への従属性という問題の本質がよく見える法廷となるはずです。