ハトのタマゴからタカが生まれた。瓜の蔓にトリカブトが生った。
(2022年11月8日)
本郷三丁目の皆様、こちらは「本郷・湯島9条の会」です。月に1度の街頭宣伝活動です。少しの時間お耳を貸してください。
ニワトリのタマゴからはニワトリが生まれます。ウズラのタマゴからはウズラが孵る。これが当たり前。ところが、鳩のタマゴから鷹が生まれる、という奇っ怪な現象が、今、われわれの目の前で起きています。これはタネもシカケもあるトリックに違いない。
鳩のタマゴだったはずの岸田文雄。殻を破ってヒナとなって首相の座に就いたその姿をよく見たら、何と爪を研いだタカではありませんか。えっ? 何だこれは? すっかり日本国中が観客はだまされてしまっています。
長く続いた安倍政権がようやく幕引きとなって菅政権となったとき、誰がどう見ても変わり映えはしませんでした。安倍から菅へ、ムジナからタヌキへ、政権がたらい回しとなったのです。嘘とゴマカシと私物化と、そして日本国憲法大嫌い、改憲したくてたまらないというその安倍の政治姿勢は、安倍政治の片棒を担いでいた菅に受け継がれました。多くの人がそう思い、ほぼ、そのとおりとなりました。
菅政権の不人気で、ようやく安倍・菅政治に終止符が打たれたとき、今度こそは、多少は変わり映えのする、マシな政権ができるだろうと期待しました。タヌキやムジナの政治ではない、ハト派の政治が実現するのではないか。自民党内の良心に期待をした国民は多かったのではありませんか。私も、その一人でした。
だれもが、岸田をハトのタマゴだとばかり思っていました。自民党だって、戦争大好き、改憲命の人間ばかりじゃない。鈴木善幸・宮沢喜一・加藤紘一・古賀誠等々の人脈に連なる岸田文雄ではありませんか。宏池会前代表の古賀誠などは、「憲法9条は日本の宝」「9条は日本最大の抑止力」「9条は世界遺産」とまで言っています。
岸田が首相になれば、安倍菅政権とは違う色になる。「平和憲法を擁護して専守防衛に徹し、あらゆる国との平和外交を展開する」そんなイメージを振りまいたのです。
ところが彼は首相になるや、「自らの任期中に自民党が党是とする憲法改正の実現を目指す」などと言い始めました。おやおやと思っている内に、国防費の2倍化です。そして、敵基地攻撃能力論です。「スタンド・オフ・ミサイル」など物騒なことも容認しようとしている。今や、専守防衛は有名無実となろうとしています。
もしかしたら、岸田首相は、自分はハトだ。しかし、安倍派から、タカの振る舞いを強制されてやむを得ないのだ、と言いたいのかも知れません。
もしそうなら、安倍と統一教会の癒着問題を徹底して暴くことで、安倍派の勢いを殺ぐことができるではありませんか。なんと言っても、日本国内で統一教会を容認し、育て、利用してきたのは、岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三の三代なのです。党として、この癒着を徹底して抉り、暴露することで、岸田は、安倍のくびきから逃れて独自の道を歩むことができます。
安倍の残影を恐れて、それができなければ、岸田はいつまでも、安倍の影に怯えるだけの人物に過ぎません。安倍の影とは、改憲・防衛費増強・核武装、そして分配よりは成長の、自己責任経済政策…。
これから暮れにかけて、政府は「安全保障3文書」を確定して発表します。岸田が、本格的な戦争政策に踏み切るかも知れないのです。皆さん、平和憲法を大切に、戦争勢力のタカ派を押さえ込む世論作りに、ご一緒に声を上げてください。