白い紙に、書かれざる文字を読む。
(2022年11月28日)
真っ白い一枚の紙。
デモの市民の一人の手に、
高く掲げられたその紙の白さが、
万人の心を打つ。
万言の言葉を伝える。
この白い紙には、
どんな字も、どんな文章も書ける。
どんな形も、どんな色も描くことができる。
一番書きたい言葉は、
「自由!」
わけても「言論の自由」。
権力を批判する自由
独裁を弾劾する自由
言論統制に抵抗する自由
国旗への敬礼を拒否する自由
国歌斉唱の強制を無視する自由
不合理を不合理と指摘する自由
人間の尊厳を蹂躙する者への不服従の自由
しかし、なんという理不尽
今、この白い紙に、
書くべきことを書くことができない。
権力への批判も抵抗も、
罪になるのだという。
北京・上海だけのことではない。
香港でも、ロシアでも、
そしてそれ以外の、
野蛮な世界の各地でも。
だから、白紙をかざす人がまぶしい。
その決意のほどを受けとめよう。
その白い紙に込められた
万感の思いを汲みとろう。
権力に屈しない誇りある人々との
連帯を求めて。