「有識者」ではなく、「曲学阿世の徒」だ
昨日(13日)の毎日・万能川柳に次の句が。
安倍総理(おやぶん)に好かれた人が有識者 (別府・タッポンZ)
まことに言い得て妙ではないか。
安保法制懇の正式名称は、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」。名称には「有識者懇談会」と銘打ってはいないのだが、「懇談会は、別紙に掲げる有識者により構成し、内閣総理大臣が開催する」とされているからには、このメンバー14人はいずれも「有識者」なのだ。もちろん、すべて安倍総理(おやぶん)に好かれた人だけ。安倍総理(おやぶん)の、安倍総理(おやぶん)による、安倍総理(おやぶん)のための私的懇談会。初めから、結論が見えすいている。こんな懇談会のメンバーに指名されて、露骨に安倍総理(おやぶん)にゴマをする人たちを、「有識者」といえるだろうか。
有識者という言葉は、いつころから定着しているのか興味はあるが分からない。かつて、売春防止法制定の際の審議会において、恒例では「学識経験者」を委員に充てるところを、さすがに「経験者」は不都合として、この法律についてだけは「学識者」としたと聞いたことがある。この頃から、学識者を有識者に置き換えたのだろうか。
有識の「識」とは、ものごとの是非善悪を見分ける能力のことといって良いだろう。知識、弁識、識別の識であり、学識、見識、良識、博識、鑑識、識者の識である。おやぶんに取り入って、右顧左眄する人物は到底有識者に値しない。
その「有識者」14人が、明日(15日)安倍総理(おやぶん)に報告書を奉る。当然に、安倍総理(おやぶん)の意に沿った形の集団的自衛権行使容認への解釈変更を可能とするもの。朝日は、その全文を入手済みとして概要を既に報道している。また、この報告を受けて、安倍は記者会見の用意を調えている。出来レースの形づくり。
本日(14日)朝日夕刊の「素粒子欄」。寸鉄人をさす切れ味。
「縛りから解き放たれて、思うがままに武力を使いたい。首相腹心が作った報告書。想像の大国への情念があふれ。」「まず『限定した事例』からスタートし、間口を広げ。ある日気づいたら、憲法は葬られ。そう『ナチスの手口』。」
予想のとおりではあるが、「小さく産んで大きく育てよう」との意図がありあり。どんなに厳格に限定された集団的自衛権の行使といえども、原則を破って容認に踏み出すことが途方もなく重大なことなのだ。「この程度なら」と許容するようなことがあってはならない。
「我が国の外交・安全保障・防衛を巡る状況は大きく変化しており、…我が国の平和と安全を維持し、地域及び国際社会の平和と安定を実現していく上では、従来の憲法解釈では十分に対応できない状況に立ち至っている」「我が国が本当に必要最小限度の範囲として個別的自衛権だけで国民の生存を守り国家の存立を全うすることができるのか」このあたりがポイントのようだ。
ここに露わにされているのは、事情が変われば憲法の解釈は当然に変えてしかるべきだという考え方。それも、時の政権の手によってである。憲法が定める改正手続など経ることなく、政府が必要と考えれば、遠慮なく憲法解釈を変えなさいという、傲慢安倍総理(おやぶん)に奉る、憲法軽視、主権者無視の報告内容と言わねばならない。
おやぶんに知恵を付けているところがあるとすれば、これまでは常識的に理解されていた「自衛のための最小限度の実力」の範囲を拡大することによって、集団的自衛権の一部を取り込むことができる。そうすれば、「違憲論を突破できる(かも知れない)」としたことくらいか。
自国が現実に攻撃を受けた場合に、他に方法がなければ、相当の範囲で反撃をすることが「自衛」の名の下に許されうる、という個別的自衛権の論理は理解不可能ではない。そのような意味での自衛権を行使するための最小限の実力をもつことは憲法上許されるとしてきたのが、これまでの政府解釈である。「最小限度」は当然に自国が攻撃を受けた場合に限られ、他国が攻撃を受けたときにまで及ぶとは考えの及ぶところではなかった。
普通の神経ではできないことを、「遠慮することはない」「やればできる」と安倍総理(おやぶん)を焚きつける14人。これは有識者ではなく、正確に曲学阿世の徒というべきだろう。
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*経営委員会は、籾井勝人会長を罷免せよ。
*百田尚樹・長谷川三千子両経営委員は即時辞任せよ。
*経営委員会は、百田尚樹・長谷川三千子両経営委員に辞任勧告せよ。
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(2014年5月14日)