「コントロールとブロック男」に欺されてはならない
今日、「14名の曲学阿世の徒」から、「コントロールとブロック男」に、阿諛追従の報告書が手渡された。この両者の見え透いた出来レース、茶番に過ぎないと笑って見過ごすわけにはいかない。ことは一国の憲法の命運に関わる。日本国憲法の平和主義が規範としての実効性を保つのか、失うのか。憲法の命運は一国の命運でもある。一国の命運は、一国の国民の命運を決する。一国が大事なのではない。この国の国民一人一人の生命や自由が危うい。いや、この国の国民の命運を超えて、国際的な悲劇や惨禍を生じかねない。
「コントロールとブロック男」は、またまたペテンの発言を繰り返している。こんな男の、こんな軽薄発言に欺されてはならない。オリンピック誘致程度の詐欺行為はさしたる実害を伴わない。しかし、集団的自衛権行使容認ともなれば、そのペテンの影響の重大性は比較にならない。この地とこの世に、憎悪と殺戮を招きかねないのだ。
今日、この男がこう言ったと報道されている。
集団的自衛権見直しをめぐり、「『日本が再び戦争をする国になる』といった誤解がある。しかし、そのようなことは断じてありえない。憲法が掲げる平和主義はこれからも守り抜いていく」と強調した。「あらゆる事態に対処できる法整備によってこそ抑止力が高まり、我が国が戦争に巻き込まれなくなる」と訴えた。(読売)
この男は、「平和は、限りなく武力を増強することによってコントロールされます」「集団的自衛権行使容認によって戦争は完璧にブロックされています」というのだ。「仮想敵国を上回る武力を装備することによって平和が保たれる」。「好戦的国家と同盟を強めることが、日本国憲法の平和主義を守り抜くことになる」というのである。なんたるペテン師。でなければ愚か者。
自国は限りない善、自国の武力は何をやっても自衛の武力。相手国は限りない悪、相手国の武力は危険極まりない侵略のためのもの。一国のトップが、そのような発想から抜け出せない。日本国憲法が、15年戦争の惨禍の反省から生まれたことについて自覚がない。歴史的には我が方こそが危険な国家であった客観的事実を「自虐史観」として認めようとしない。これでは、近隣諸国に、軍備増強の口実を与えようとしているに異ならない。
さらに、この男、「自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争に参加するようなことはこれからも決してないと明言した」(読売)そうだ。これこそ、見え透いたウソ。
見え透いてはいても、ウソを言わざるを得ない事態であることは重要である。この男、開き直って、「これからは湾岸戦争やイラク戦争のようなチャンスがあれば、自衛隊が武力行使を目的としてじゃんじゃん参加していきます」「それこそが積極的平和主義」「それこそが我が国の平和を守る行動なのですから」と言いたいところなのだが、そうは言えない。本音を隠し爪を隠して、精いっぱいの笑顔をつくらざるを得ないのだ。
結局のところは、「集団的自衛権行使容認は違憲」という大原則に穴をこじ開けることがこの男の今の狙いなのだ。どんなに小さい穴でも開けてしまえば、あとはどうにでもなる。蟻の一穴から洪水に至るまでは、一瀉千里だ。ワーワー騒がず、小さく産んで大きく育てる。そのための、作り笑いでお為ごかしの「平和のための集団的自衛権」。そう、これが例のナチスの手口。
またこの男、こんなことも言ったという。
「武力攻撃に至らない侵害」として、漁民を装った武装集団が離島に上陸してくる「グレーゾーン事態」を挙げ、早急に立法措置を講じる考えを強調した。(読売)
相接する両国が、ともにこんな想定をし合い実行していれば、相互の不信と軍備の増強を必然化し、いずれは衝突せざるを得ない。憲法が想定する隣国間ではあり得ない。
憲法がないがしろにされること、平和主義が傷つけられることを、恐ろしいと思う。日本の国民は、本当にこんな男に、こんな政権に、権力を託したのだろうか。背筋が寒くなる不安を感じざるを得ない。
日本ペンクラブが、真っ先に反応した。
「安倍晋三首相が憲法9条が禁じてきた集団的自衛権の行使を検討する考えを表明したことについて、日本ペンクラブ(浅田次郎会長)は15日、『民主的な手順をまったく踏まない首相の政治手法は非常識』との声明を出した。声明では、『国会の議論も閣議決定もしないまま個人的に集めた「諮問機関」なるものの報告を受けて、憲法の解釈とこの国のあり方の根本を一方的に変更しようとしている』と批判。浅田会長は記者会見で、『このような手法でなにもかもできあがることになったら民主主義の危機であり、法治国家の危機』と話した」(朝日)。
この迅速な姿勢に学ぼう。腹を据えてこの問題に向かいあわねばならない。よし、明日の昼休みの時間には、街頭に立とう。
あす、16日(金)お昼の12時15分、ビラやプラカードの用意はないが、ハンドマイクだけはある。地元の「本郷湯島九条の会」として、本郷3丁目交差点「かねやす」前で街宣活動をする。どなたでも、ご参加を。
(2014年5月15日)