「みんなの党」も都議会オール与党の一員ー都議選の争点その6
現在の政党の勢力図を大雑把につかめばこんなところだろうか。
国民も都民も、自公政権が新自由主義推進勢力として格差と貧困を生み出す元凶であることに気付いてきた。そのため、自公与党勢力はじり貧の様相を呈し、「小泉改革」などでの一時的な勢力回復はあったもの、結局2009年の前回都議選と、それに続く総選挙で一挙に事態が覆った。自民大敗、民主の第1党化となって局面は変った。ところが、民主党は、政権を取って変節した。国民の期待を裏切ったのだ。では、国民の支持は自公に回帰したか。すんなりとそうはいかない。2012年の自民圧勝は、小選挙区制のマジックの賜物である。
2009年総選挙で民主党が獲得した票数(比例代表)は、約3000万票。これが、2012年選挙では実に2000万票を減らした。この2000万票はどこに行ったか。自民には回帰していない。自民の票は実数ではむしろ減っているのだ。半分の1000万票は政治に愛想をつかして棄権票となり、残りの1000万票は「第3極」に移行した。「維新」と「みんな」の2党である。どちらも、自民党の右側からの補完勢力。民主党に替わって、保守内政権交替の担い手たらんとしている。
国民は自公に騙され、民主にも裏切られた。「第3極」とは、第3の騙しの受皿にほかならない。両党それぞれに厳しい批判が必要である。維新は自滅の模様だから、今「みんな」の批判が重要となっている。
本日の赤旗4面の囲み記事。「みんなの党の松田氏が事実ゆがめて共産党攻撃」というタイトル。内容は、みんなの党の松田公太参院議員が15日、練馬・大泉でこんな内容の街頭演説をしたという。
「都議会はオール与党だ。改革マインドがない」「どこで改革政党を確認するのか。一番わかりやすいのは新銀行東京。新銀行ができたときに、共産党も賛成の手を挙げてしまっている」。小池晃さんのツィッターでは、「録音も入手しました。」とされている。「事実を180度歪めた街頭演説をしています。国会議員の資格が問われます。」との指摘が頷ける。
「みんなの党」の発足は2009年。2004年新銀行発足当時にはまだ影も形もない。だから、都議会オール与党としての責任もない、と考えての発言なのだろう。
しかし、都議会では、新銀行設立は自・公が推進し、民主・ネットも賛成したが、共産と無所属の一人は反対を貫いている。
さらに、「都議会オール与党批判」をしているみんなの党の渡辺喜美代表は、17日に北区王子駅前で記者団から「都議会でみんなの党は、与党の議案に賛成しているのでは」と問われて「みんなの党は一人しかいませんからね」とわけのわからない回答をしている。一人で反対できないようでは、何人いたって役に立ちません(小池晃)。
都議会「みんなの党」の現職は、民主党から鞍替えした「野上ゆきえ」ただ1人。この人も、オール与党の一員として知事提案に全て賛成している。オール与党の一員が、オール与党批判の資格はない。
「第3極」という装いに欺されてはならない。自民批判だけでなく、「みんな」の批判にも全力を尽くしたい。
(2013年6月18日)