ついに出た!『内閣支持率 29.9%』のインパクト
次々と発表される各社世論調査での安倍内閣支持率低下が止まらない。遂に本日(7月14日)発表の時事通信の調査結果で、危険水域と言われる支持率30%割れのの数字が表れた。高慢のアベの鼻が折れた。第1次アベ政権投げ出しの醜態が思い出される。この支持率の数値が当然という思いと、これまでの高支持率はいったい何だったのかという釈然としない思いとが交錯して複雑な気持ではある。
ジリ貧が明らかとなった安倍内閣だが、手負いのアベがどう出るかはまだ読めない。これにまわりがどう反応するかも分からない。改憲の動きはどうなることやら。
常識的には、沈没しそうな船からは乗組員が逃げ出す。乗組員だけではない。ネズミだってヒアリだっておなじこと。逃げ遅れると、船長と不本意な心中となりかねない。これまではウマ味がありそうだとくっついていた有象無象が離れていくことになって、求心力は一気に消滅する。崩壊を待つだけのアベ政権に、もう何をする力もないだろう。
しかし、ジリ貧であればこそ今のうちにできることをやっておかなくてはならない、「我が亡き後に洪水は来たれ」と、猪突猛進することも考えられないではない。
次に選挙をすれば両院とも自民惨敗は明らかで、改憲勢力3分の2の議席は、再びはない永遠の夢となるかも知れない。それなら、今のうちに改憲発議をやってしまえ。捨て鉢にそうなりはしまいか。そのとき、自民の大勢はどうするだろうか。公明は、それでも下駄の雪を演じるだろうか? オポチュニストの集団である維新は風をどう読むだろうか?
都知事選自民惨敗後の世論調査の結果(いずれも、7月7?9日調査)は、以下のとおり驚愕の連続。
NNN 支持32% 不支持49%(差17%)
読売 支持36% 不支持52%(差16%)
朝日 支持33% 不支持47%(差13%)
NHK 支持35% 不支持48%(差13%)
永田町では、「支持率は4割がボーダーライン。2カ月続けて4割を割り込むと危険水域」なのだそうだ。この数字はアベ内閣が明らかに「危険水域」入りしたことを示している。これに加えての時事通信調査である。
時事通信 支持29.9% 不支持48.6%(差18.7%)
時事通信の本日発表の世論調査結果が、「安倍内閣の支持率は前月比15.2ポイント減の29.9%となった。2012年12月の第2次安倍政権発足以降、最大の下げ幅で、初めて3割を切った。不支持率も同14.7ポイント増の48.6%で最高となった」「学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題が響いた。東京都議選で稲田朋美防衛相が、自衛隊を政治利用したと受け取られかねない失言をしたことなども影響したとみられる。」「加計学園に関する安倍晋三首相の発言を信用できるかどうか聞いたところ、「信用できない」が67.3%に上り、「信用できる」の11.5%を大きく上回った。首相が説明責任を果たしているかどうかについても、「果たしていない」79.9%に対し、「果たしている」7.1%となり、首相に対する国民の不信感の高まりが浮き彫りとなった。首相の政権運営は険しいものとなりそうだ。」
「アベ内閣支持率29.9%」は衝撃と言ってよい。国民はアベ内閣とアベ個人に厳しい目を向けている。素晴らしいことだ。
ところが政党支持の調査を見ると手放しでは喜んではおられない。
自民党 21.1%(前月比?3.9)
民進党 3.8%(同?0.4)
公明党 3.2%(同?0.3)
共産党 2.1%(同?0.3)
維新 1.1%(同?0.2)
社民 0.3%(同±0)
支持なし65.3%(同+4.5)
確かに、アベ内閣からも自民党からも人心は大きく離れつつある。しかし、その受け皿がない。国民が信頼に足りるとする、アベ内閣ないしアベ自民党への対抗政治勢力の形成が不十分なのだ。
野党4党と市民運動の連携による「野党連合」こそがその受け皿にならねばならない。それに成功しないと、政治不信だけが蔓延する「議会制民主主義の危機」の時代が訪れることにもなりかねないのだから。
(2017年7月14日)