レガシーは アベノマスクと 値が決まり
(2020年9月27日)
昨日(9月26日)の毎日朝刊・仲畑万能川柳欄に掲載された入選句の内の1句。
役立たずアベノマスクと呼ぶあだ名 川崎 さくら
うまいものだ。アベ本人を「役立たず」と罵るのでは洒脱さに欠け、句にならない。アベノマスクを役立たずと言って、ペロリと舌を出すところに妙味がある。こういう秀句には、いくつも真似の句ができる。
無為無策アベノマスクと呼ぶあだ名
愚者愚物アベノマスクと呼ぶあだ名
浅知恵をアベノマスクと呼びにけり
能なしを呼んだあだ名がアベマスク
ろくでなしアベノマスクと呼ばれけり
無駄づかいアベノマスクのごとくなり
浪費癖アベノマスクのさながらに
中身なしアベノマスクのやってる感
先細りアベノマスクとあだ名され
そりゃひどいアベノマスクとイジメられ
こっそりと上司にあだ名アベマスク
もう一つ。9月18日の秀逸句。
従順な犬を利口と人は呼び 越谷 小藤正明
これは含蓄が深い。もちろん、犬をテーマに人間や社会を語っているわけだ。従順は生きるに易く、それゆえに利口である。抵抗する人生は生きにくい。それゆえ利口とは言えないが、敢えて利口ではない生き方の選択こそが「その人らしく生きる」ということではないか。人は犬ではないのだ。おや、犬に失礼。
従順な子らを良い子と人は呼び
従順な社員を模範と会社呼び
従順な判事をヒラメと人は呼び
従順な夫を利口と妻は褒め
主権者よ従順なれと総理言い
従順は臣下の美徳と君が言う
天皇は従順な民だけを慈しみ
犬と臣民従順なるが利口なり
まつろわぬ人を過激と人は呼び
聡明な人を危険と人は呼び
従順な限りでこの世は「自由」です
従順を捨てて拾いし自由かな