澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

創価学会にお願いしたい。安倍政権の政教分離原則違反行為に、「謗法厳誡」の立場から、もっと厳格な対応をしていただきたい。

「聖教新聞」とは、言わずと知れた創価学会の機関紙。その一昨日(8月24日)の紙面に次の記事が掲載されたという。これは、興味津々。

「創価学会の名称を騙った提灯献灯 警視庁に告訴申し立て」
 創価学会は靖国神社主催の「みたままつり」(7月13~16日)において、学会を勝手に騙り、「創価学会」の名称入りの大型提灯を陳列させた氏名不詳者を23日、偽計業務妨害罪及び名誉毀損罪で、警視庁(麹町警察署)に告訴の申し立てを行った。
 提灯を献灯するためには同神社に所定の費用を支払う必要があるが、学会は献灯の申し込みなど一切行っていない。にもかかわらず、「みたままつり」で学会の名称が入った大型提灯が陳列されたため、これを見た関係各方面から学会に問い合わせがあり、日常の法人及び宗教業務が妨害された。
 また告訴状では、学会の名称入り提灯が陳列されることは、「謗法厳誡」を旨とする学会が謗法を容認したとの印象を与えるものであり、学会の名誉を毀損すると指摘。悪質な犯罪行為の再発防止のため、厳重な捜査と、被告訴人に対する厳重な処罰を求めている。

靖国神社の恒例行事である「みたままつり」とは、靖国神社自身の説明によれば、下記のようなもの。
 東京のお盆時期に当たる7月13日から16日までの4日間行われる みたままつりは、英霊をお慰めする行事として昭和22年に始まり、ご遺族・戦友・崇敬者の方々から献納いただいた大小約3万灯の献灯が掲げられます。
 みたままつり の趣旨をご理解いただき、御祭神奉慰(ほうい)顕彰(けんしょう)のため献灯下さいますようお願い申し上げます。
  大型献灯:1灯 12,000円
  小型献灯:1灯  3,000円

千代田区観光協会はこう紹介している。「日本古来のお盆にあたる、7月13日から16日までの4日間、国のために尊い命を捧げられた英霊を慰める行事として、昭和22年(1947年)に始まり、毎年開催されてます。」

こういう説明を読んでも、ご理解いただきたいとされる「みたままつり の趣旨」はよく分からない。「お盆の時期に、英霊をお慰めする」行事という理解で十分ということなのだろうか。仏教行事であるお盆(盂蘭盆会)と神道の関係はどうなっているのか、英霊は六道を輪廻しているのか、本来国家が管理するとされていた死者の魂が盆のあいだだけは家族のもとに帰るということなのか。そんなことはどうでもよいのか。

靖国神社は、天皇制政府によって創建された軍国神社である。戦争神社と言ってもよい。古い歴史を持つでははなく、伝統というほどのものもない。天皇や陸海軍との一体性がアイデンティテイ。みたままつりはさらに新しく戦後にできたもの。民族の歴史とか、民族の伝統から生まれたものではなく、神社にふさわしい行事とも言えない。この神社に教義というほどのものがあるわけではなく融通無碍であることが強みなのだ。いまは、「A級戦犯の分祀は教義上できない」と言っているが、状況変わればどうにでもなるのだ。

今年(2018年)の「みたままつり」に、「創価学会」の大型提灯が献灯されていたことは、ネットで話題となっていた。提灯に書かれた献灯者の名義は「創価学会」であって、中間機関名や地方組織名の記載はない。

てっきり、「創価学会も角が取れて丸くなったものだ」「自公連立政権をやっていける仲なのだ。創価学会も自民党におもねらざるをえないのか」などと思っていた。しかし、どうもそうではないらしい。誰かが12000円を支払って、「創価学会」の提灯を献納した。それが、創価学会にとっては、偽計業務妨害にもなり、名誉を毀損する行為でもあるというのだ。

創価学会名義の献灯は、見ようによっては、「創価学会が、国のために尊い命を捧げられた英霊を慰める」という立派な行為をしたようでもある。が、これは創価学会にとっては告訴せざるを得ない悪質な犯罪行為なのだという。それを理解するには、「謗法厳誡」という学会信者に課せられたタブーを知らねばならない。

「謗法」(「ほうぼう」とも「ぼうほう」とも読むようだ)とは、「法」すなわち日蓮聖人の正しい教えを「謗(そし)る」こと。ケチをつけることだ。四箇格言という日蓮の他宗派批判がある。「真言亡国、禅天魔、念仏無間、律国賊」という苛烈なもの。この厳格な他宗批判の伝統墨守こそが創価学会の本領であって、他宗批判に緩みを見せることは、あってはならない「謗法の容認」なのだ。「国のために尊い命を捧げられた英霊を慰める」ためとした提灯の献灯などは、他宗教の考え方で創価学会員としてあるまじき行為。あたかも創価学会が、「英霊を慰める」行為をやっているような「騙り(かたり)」は絶対に許せない。だから、厳重な捜査と、氏名不詳の犯人に対する厳重な処罰を求めているというのだ。

であるならば、安倍晋三やその一統の、靖国参拝や伊勢神宮参拝あるいは玉串料や真榊奉納などという政教分離原則違反の違憲行為に対して、創価学会には「謗法厳誡」の立場からもっと敏感に厳格な対応をしてもらいたい。安倍の所業は、提灯一個の献灯どころの生易しいものではない。その悪質な違憲行為の黙認は、自公連立優先の思惑から、創価学会が謗法を容認したとの印象を与えるものであり、学会の名誉を毀損することにもなりかねない。ぜひとも、悪質な政教分離違反行為の再発防止のため、厳重な抗議をお願いしたい。

(2018年8月26日)

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