澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

2012年総選挙・都知事選-あの敗北から1年

昨年の12月16日が総選挙の投開票日。「安倍自民圧勝」、「維新躍進」と憲法の危機を自覚させられ日になった。その後の一年は、その時の危惧がけっして杞憂ではなかったことを物語っている。また、同日に行われた都知事選挙でも、石原後継の猪瀬が大勝、リベラル派の宇都宮は惨敗だった。東京都の反憲法的行政は相変わらずである。

一年前の胸の痛みを思い出す。正月は、ちっとも目出度い気分ではなかった。改憲阻止の世論作りに少しでも貢献しようと、今年の1月1日から当ブログを再開した。1月から3月までは日民協に間借りして。4月1日以後は独立して遠慮なく書くべきことを書いている。もの言わぬは腹ふくるる業、誰にも遠慮する必要なく言うべきことを言えるのは、精神衛生上素晴らしいこと。そして、全体状況が、やや明るさに向かっていることを実感している。

今年の初頭には、安倍の行動は次のように予測されていた。
「7月参院選まではタカ派の爪を隠すだろう。経済政策に専念して、ネジレ解消に成功したら、その後しばらくは国政選挙のないことを見越して本性を表すに違いない」

おおよそは、この筋書きのとおりとなっている。しかし、安倍自民にもいくつもの誤算があった。彼らも思い通りにはいかない苛立ちをもっているはずだ。参院選前の対決テーマは、「96条先行改憲」と「靖国神社参拝」であったが、二つながら彼の思惑のとおりとはなっていない。

それだけではない。ネジレ解消後は集団的自衛権行使容認の解釈変更のために強引な法制局長官すげ替え人事を行い、特定秘密保護法を強行突破したが、ここにも誤算が見える。世論の反発は、彼の予想を遙かに超える大きな規模のものとなった。強行採決に次ぐ強行採決で成立をゴリ押しした特定秘密保護法には、既に法律の廃止を求める異例の運動が巻き起こっている。正体を露わにした安倍自民の壊憲攻撃と、改憲阻止勢力との対決はこれからが本番となる。

私は柄にもなく昨年の都知事選挙で、宇都宮陣営の選対に加わった。これまで経験のないことで、右往左往するばかりだったが、「惨敗」の結果は驚愕だった。ダブルスコア、トリプルスコアという語彙は知っていたが、4倍を遙かに超える票差をどう表現するのかを知らない。なぜ、こんなに大差で負けたのか。選対の公式総括には納得が出来ず、何人もの人に尋ねてきた。最も多くの人の意見は、「知名度の差」だ。「最初から勝負にはならないことは分かっていたでしょう」「勝敗よりは、共闘の形だけが欲しかったのでしょう」などと、私には衝撃の言葉を聞かされた。続いての意見は「石原都政が批判に値するほど悪いと思われていなかったから」という、これはとても不愉快なもの。

惨敗の原因が「知名度の不足」だとすれば、候補者選択の時点で既に勝負あったということになる。猪瀬退陣が現実味を帯びてきた今、リベラル派の候補者を模索しなければならないが、前回選挙と同じ候補者では同じ轍を踏むことにならざるを得ない。本気で勝つためには、知名度の高い、有権者に魅力のある候補者を擁立しなければならない。本気で勝つ気はないと思われる候補者選びや、共闘の形づくり、惨敗の反省がないなどと言われる恐れのある選挙母体であってはならない。前回選挙とは総入れ替えした清新な選挙母体で、勝てる候補者の人選をしなければならない。当然のことながら、昨年の惨敗の責任の一端を負わねばならない私などは、新たな選挙に関わらない方が良いと思っている。

一年前には得意満面だった猪瀬知事が、いまは窮地に立たされている。一年後には、安倍の進退だってどうなっているかは分からない。大きな民衆の力で、安倍の2度目の退陣を見たいもの。今度の正月は、昨年よりは多少マシな気持で迎えられそうだ。

ところで、私が、昨年の都知事選について、「私的総括」した文章を「ブックレット・ロゴス」のシリーズに掲載していただいた。村岡到さんという「活憲左派」を名乗る、その道では著名人の編集によるもの。「活憲左派-市民運動・労働組合運動・選挙」という、内容が浮いて見えてきそうな書名。

「活憲」とは憲法を守るだけでなく使いこなして活かそう、ということ。「左派」とは、日本共産党の活動を冷静に評価し市民活動との共同を展望しよう、ということだという。そのスローガンには、もとより異論がない。

同書の目次は以下のとおり。
 村岡 到 〈活憲左派〉の意味
 池住義憲 「政党支持」でなく、「政策実現」運動を
 片山光広 練馬区職労における共同行動の実績
 澤藤統一郎 都知事選挙「惨敗」の教訓
 佐治義信 非正規雇用の拡大と労働組合の可能性
 柳田勘次 革新勢力の衰退と労働組合活動の後退
 吉田万三 「成長を前提にした時代」からの脱却を 
 櫻井善行 左派の敗北を謙虚に受け止めて
 太田啓補 岡山における共同行動の教訓
 大波慶苗 政治の現況と活憲左派の目標
 平岡 厚 「活憲」のための運動の意義
 北村 肇 討論会への協賛メッセージ『週刊金曜日』発行人
 「国政選挙で共同を進める長野県民の会」の一員 貴会のご盛会を祈念 
 資料 アピール 活憲左派の共同行動をめざす会を創ろう! 
 「戦後民主主義」の後ろ向きの到達点──あとがきに代えて

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四六判134頁1200円+税
(2013年12月17日)

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Published in 火曜日, 12月 17th, 2013, at 21:10, and filed under 未分類.

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