澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

DHC製品を買ってはいけない「健康食品で被害にあわないために」 ― 「DHCスラップ訴訟」を許さない・第127弾

食の安全・監視市民委員会(FSCW)が、新刊のブックレット「健康食品で被害にあわないために?あなたの肝臓は大丈夫??」を発行した。同委員会の健康食品調査プロジェクト(植田武智)が編集したもの。

肝障害に焦点を合わせて、健康食品(サプリメント)被害に警告を発している。

「人間ドックで見つかる病気の一番が『肝機能異常』。その中の一部は、健康食品が原因のものもあります。みなさんが健康によかれと利用している健康食品の中には、逆に思わぬ被害を起こすものがあるのです。そこで、被害にあうのを防ぐための実用情報を掲載したブックレトを発行しました。」というのがこのパンフの宣伝文句。

その上で、こうも言っている。
「健康食品を利用しているご家族や、お友だちにもプレゼントしてあげてください。
ブックレットの売り上げは、当委員会の健康食品に関する国の制度改正の提言活動の資金源にもなります。ぜひブックレットをお買い上げいただき、私たちの活動を支えてください。」
http://www.fswatch.org/kenkosyokuhin.pdf

なお、信頼に値する記事の出典が下記に明記されてもいる。
http://www.fswatch.org/kenko_pamphlet.pdf

この小さな本の書き出しはこうなっている。
「健康食品を利用しているみなさん、その効果に満足していますか? 『薬のように効いて、食品だから安全』と思っているかもしれませんが、実は『食品だから効果はなく、薬のように危ない』ものもあります。漫然ととり続けると思わぬ被害にあう可能性があります。このパンフレットでは健康食品による健康被害で一番多い薬物性肝障害について注意点を紹介していきます。」

なるほど。健康食品(サプリメント)は薬ではない。だから、効能は確認されていない。したがって、効能を謳ってはならない。ところが、それでは買ってもらえない。だから、あたかも効能があるように、手を変え品を変えて消費者の印象操作をする。効能があるように消費者心理を誤導する。端的に言えば欺すのだ。

欺された消費者の誤解の上に、サプリメントを製造販売する業者の巨大な利益が築かれる。薬品開発のような地道な研究過程をすっ飛ばしてのローコスト生産が可能だからだ。莫大な宣伝費を投じても、薬九層倍の比ではない儲けを期待できる。怪しくも、旨味のある業界なのだ。

しかし、「薬のように効く」と誤解させるだけなら罪は軽い。問題は、「食品だから安全」と消費者を誤解させる罪の深さだ。

健康食品(サプリ)被害の典型が、「薬物性肝障害」なのだという。

このブックレットは、こう警告を発している。
「2017年8月3日に独立行政法人国民生活センターは『健康食品について注意喚起』を発表しました。健康食品の摂取により、まれに薬物性肝障害を発症することがあります。『倦怠感』『食欲不振』『発熱』『黄疸』『発疹且吐き気・嘔吐』『かゆみ』などの症状が見られ、症状が持続する場合は、摂取を止めて速やかに医療機関を受診しましょう、とアドバイスをしています。」

「薬物性肝障害」とは、文字通り薬物が原因で肝臓の機能が障害を受けること。専門医によると、「一般病院での日常的な診療で遭遇する頻度の高い疾患の一つ」だそうだ。従来は病院で処方される薬剤が主な原因だったが、「最近では健康食品が原因のケースが増加しています。1989~98年の10年間の調査では0.7%たったものが、97年~2006年の調査では全体の10%を占めるようになりました。」という。

医薬品の処方による肝障害は医師によって発見され易いが、健康食品(サプリ)の場合は、発見が困難で遅れることになる、という。

被害の具体例の一つとして、「DHCのメリロートで入院」が挙げられている。
「2003年6月からDHCのメリロートというむくみやセルライトに効くとされるサプリメントをとった新潟県の30代女性が摂取開始後1ヶ月ほどで疲れを感じるようになり、黄疸を発症して入院。いったん回復し退院後に再度同じ商品を飲んだところ症状が再発。また静岡県の20歳代の女性も肝障害を起こし入院していました。…国民生活センターのその後の調査では、DHCの商品の1日摂取目安量(3粒)に含まれる「クマリン」の量は、医薬品の2.3倍もあることが判明しました。その後DHCは摂取目安量を2粒に減らし、現在でも販売されています。」

繰り返すが、サプリが効かないことはさほどの問題ではない。サプリを買うカネは自分のものだ。ドブに捨てたってかまわない。しかし、問題は濃縮された特定成分の過剰摂取による健康被害である。通常の調理方法による食物の摂取では絶対にあり得ない濃縮量が毒になる。カネをドブに捨てるにとどまらず、毒を買い込むこともあり得るのだ。

ブックレットは、「被害に遭わないための商品選び4か条」を詳細に述べる。たとえば、「トクホ・機能性表示食品以外の健康食品(サプリ)は選ばない」など。それは、そのとおりなのだろうが、トクホも機能性表示食品も健康被害と無縁ではない。むしろ「一切の健康食品(サプリ)は買わない」が正解ではないか。

さらに、最終章が「被害を受けたらどうするか?」に言及している。「法テラス」の利用法なども述べられていて実用性がある。その中で、業者の賠償責任保険に加入の有無に関心を促している。

周知のとおり、医薬品の副作用には医薬品副作用被害救済制度が存在する。保険料は製薬メーカーに積み立てさせ、過失の有無にかかわらず被害者を救済する仕組みだ。健康食品(サプリ)被害には、もちろんそんな制度はない。

被害賠償の最後の拠り所は、各企業の賠償責任保険からの給付となる。その保険加入の有無へのアンケート結果が公開されており、「『加入していない』『回答しない』事業者の製品購入はやめておきましょう。」と結ばれている。

賠償責任保険に、「加入していると回答のあった」企業は、味の素以下29社。
加入していないと回答があったのが5社。「製造委託先のメーカーがPL(製造物責任)保険に加入しているから」などの理由が寄せられている。

最も問題なのが、回答がなかった21社。DHCは、このなかの1社である。結局のところ、「DHCの製品購入はやめておきましょう」という結論に至る。

このブックレットは、
1部300円(送料別) ※A5判/16ページ/全ページカラー

《被害にあうのを防ぐための実用情報》として、
「安全性を調べるフローチャート」「肝障害の原因と疑われた成分一覧」「商品選びの 4 か条」「損害賠償責任加入の事業者一覧」などを入れたパンフレットを作成しました。
《万が一、健康被害にあってしまった場合の対処法》も入っています。
※送料は 1 部 140 円。それ以上の注文やお急ぎの場合は下記までお問合わせください。
購入ご希望の方は、いずれかの方法でお願いします。
?ブックレット代と送料を下記郵便振替口座にお振り込みください。振替用紙の通信欄に「健康食品パンフ」とお書きください。
?下記「注文書」を FAX してください。
■郵便振替口座:00120-8-776497
■口座名:食の安全・監視市民委員会
<問合わせ・注文先>
電話:03(5155)4765/E メール:office@fswatch.org
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田 1-9-19-207 食の安全・監視市民委員会
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私(澤藤)は、サプリメントの製造販売を手がけるDHCの吉田嘉明が、政治家に金を渡して規制緩和推進の政治と行政を狙ったことを批判した。DHC・吉田嘉明には、その批判が気に入らなかった。高額のスラップ訴訟を提起で、彼は私を黙らせようとした。私だけではない。社会に、「DHC・吉田嘉明を批判するとこうなるぞ」と見せつけたわけだ。

私は、黙らない。私が黙ることは、健康食品(サプリ)に対する規制が緩和されて健康食品被害が拡大することにも通じるからだ。私は、DHC・吉田嘉明に異議を申し立て続ける。彼が象徴する社会の理不尽に対してもだ。

健康食品(サプリメント)の製造販売とは、本来薬事法(現在は、薬機法)の精神からは、あってはならない商分野であり、実質的に違法なのだ。だから、薬事行政からの厳格な規制を受けて当然なのだ。厳格な規制は国民の生命と健康を守るために不可欠であり、規制緩和とは国民の生命と健康をないがしろにすることなのだ。

DHC・吉田嘉明が規制を嫌い、何とか規制を逃れようと手立てを講じるのは、最大限の利潤を追及する彼の立場からは当然でもある。自覚した消費者は、DHCのような企業をのさばらしてはならない。DHC製品を買ってはならないのだ。

思えば、4年前の3月末吉田嘉明自身が週刊新潮誌上に手記を掲載したことがすべての発端だった。みんなの党の党首・渡辺喜美に8億円もの裏金を渡していたことを自ら告白したのだ。この「自白」がなければ、すべては闇の中。私が、吉田嘉明という名を知ることもなかったろう。そして、彼が起こしたスラップ訴訟のなかで、彼のレイシストとしての体質が明らかとなり、これも批判の対象としてきた。

今や、吉田嘉明の沖縄差別・在日差別が、天下周知のものとなっている。彼の差別体質に対する批判を実効あらしめ、彼に差別言動をやめさせるためには、DHC製品を買ってはならない。DHCの健康食品(サプリ)の購入をやめることは、日本の民主主義の進展にも、健康増進にも役に立つ。一石二鳥なのだ。
(2018年3月9日)

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