祝・福手裕子候補トップ当選
(2021年7月5日)
この記事は、7月6日に加筆して若干の修正をしている。東京都議選の結果については、概ね各紙の論調は「勝者なき選挙」という如くである。傍観者からはそう見えるのかも知れないが、勝敗のドラマは起伏に富み多様である。
個人的には、地元文京区で応援した共産党の福手裕子候補がトップ当選を果たしたことが無条件に嬉しい。最近、選挙結果に快哉を叫ぶことが少ないだけに、地元有権者の見識に感謝したい気持。前回同様、2人区に3人の立候補があって、ひとりはみ出して落選したのは、自民党の現職・中屋文孝候補、公明の支持を得ての落選である。選挙戦最終日には小泉進次郎が応援に入ったとのことだが、その効果はまったくなかった。前回自民だけでとった2万6997票(得票率28.13%)が、今回は公明票を含めて2万5097票(29.19%)と減らした。この票の減り方は、自・公グループに対する都民の厳しい審判があったと言ってよいだろう。
前回トップ当選の都ファ候補・増子博樹は、前回票4万2185票(43.96%)を今回は3万0077票(34.98%)まで1万2000余(率にしてほぼ10%)も減らした。これは、非自民保守勢力の退潮である。もっとも、公明票を除いてなお、これだけの票を獲得しているとも言える。
前回は2万6782票(27.91%)を獲得しながら、215票差で次点に泣いた共産福手は、今回は4000票を上積みして、3万0815票(35.84%)での堂々のトップ当選となった。共産支持者だけでなく、立憲・社民・ネット・れ新などの支持者をも糾合しての勝利というべきだろう。おそらくは、オリパラ開催中止の訴えが有権者の共感を得たのだと思われる。
文京の選挙区は、願ったとおりの開票結果となった。予想と大きくは違わない。都全体でも大方は、「自民・公明で過半数の議席に届かない」を主たる評価としているようだ。菅・自公政権に十分な痛手となっている。共産と立民の緩やかな「共闘」もそれなりの効果を上げたようだ。
とは言え、共産党の議席獲得数は19にとどまった。公明の23にも届かない。伸び悩んだにせよ自民が第一党である。また、合理的な存立理由をもたない都ファが、退潮著しいとは言え、それなりの票を得て、議席を維持している。何という民主主義であろうかとも思い、それでも強権政治よりはずっとマシなのだとも思う。
この都議選の結果への評価として納得できるのが、本日(7月5日)の東京新聞<社説>。「東京都議選 五輪強行への批判だ」というもの。以下、その抜粋である。
「4日投開票の東京都議選で、自民、公明両党は合わせて過半数に届かなかった。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、感染対策が迷走し、観客を入れて五輪・パラリンピックを開催する方針を示してきた菅義偉政権への批判の表れだ。
大会を巡って、都民ファーストの会は「最低でも無観客」と訴えてきた。共産党は「中止」、立憲民主党は「中止か延期」を主張した。これに対し、自民は第一党復帰を目指し、公明と合わせて過半数を目標にしていた。菅政権は6月、大会会場の観客数の上限を1万人とし、「無観客が望ましい」とした専門家の提言に反する決定をした。
菅政権の見通しの悪さ、安全安心よりも大会を優先しようとする姿勢が、都民の批判につながったとみられる。今秋までに行われる次期衆院選でも、自公両党は厳しい戦いを避けられない情勢だ。」
東京オリパラ反対、コロナ対策を徹底せよ。コロナ補償を手厚くせよ。医療と介護を充実せよ。コロナを克服したあとも五輪はやめろ。そう、言い続けなければならないと思う。