澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

「侵略者ロシアはウクライナから撤退せよ」「無法者プーチンよ恥を知れ」

(2022年2月25日)
「平和」とは、こんなにも、もろくはかなく壊れやすいものだったのか。
あらためて、創らねばならないと思う。軍事の均衡による危うい「平和」ではなく、確かな平和を、崩れぬ本当の平和を。
相互の信頼に基づく堅固な平和を築く営みが必要なのだ。
賢治の言葉を噛みしめたい。「求道即ち道である」

 昨日、ロシア・プーチンの非道が明らかになって以来、自問を続けている。平和について、日本の果たすべき役割について、憲法9条について、自分のなすべきことについて…。自問はいくつもあるが、もどかしくも自答はなかなか出てこない。

 このおぞましい事態の最大の教訓は、軍事の均衡によってかろうじて保たれている『平和』の危うさである。迂遠のように見えても、平和を求める国際世論の醸成による真の平和を築く努力を重ねなければならない。

 心強いのは、ロシアの蛮行に抗議する世界中での多くの人々の行動である。とりわけ、ロシア国内で、戦争に反対する抗議デモが起きていること。AP通信によると、24日にはロシア54の都市で1745人が拘束され、そのうち少なくとも957人がモスクワだったという。

 伝えられているとおり、ロシアでは、今、恐れを感じずに声を上げることはできない。そんな中で、ウクライナの国旗に合わせた青と黄の花を手にしたデモ参加者や、「ウクライナの人たちに謝りたい。私たちはこの戦争を始めた人たちに投票していない」「私は自分の国が恥ずかしい。戦争はいつでも恐ろしい。私たちはこれを望んでいません」などという市民の言葉が紹介されている。

 また、こんなジャーナリストの呼びかけが報道されている。

 「ウラジミール・プーチンが友好国であるウクライナを攻撃したことで、多くの人々が今、絶望や無力、恥を感じていることでしょう。しかし落胆するのではなく、今夜7時にあなたの街の広場に集まって『ロシアの人々はプーチンが始めた戦争に反対する』とはっきりと伝えましょう」

 全国各地で行われた集会は、誰からともなく広がったSNSの呼びかけで始まったという。モスクワでは、市中心部の広場に午後7時に集まろうと呼びかける投稿が拡散したため、当局が広場を封鎖。それでも、時間になると広場の周辺には千人以上とみられる市民が集まり、「戦争反対」と声を上げたと報じられている。

 このような人々の存在が平和への希望である。集会はモスクワのほかサンクトペテルブルクや中西部のエカテリンブルク、極東のウラジオストクなどでも行われ、戦争に反対する声は国内のコメディアンや歌手、俳優、アスリート、作家などの著名人からも相次いでいるという。

 昨年のノーベル平和賞を受賞したリベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」のムラトフ編集長はユーチューブに動画を投稿し、「我々の国は、プーチン大統領の命令でウクライナと戦争を始めた。私は悲しむと共に、恥じている。ロシア人による反戦運動だけが、この惑星の命を救うことができる」と訴えた。同紙はウクライナへの連帯を示し、25日の新聞をロシア語とウクライナ語で発行するという。

 私も何かをしたい。しなければならない。せめて、ロシア大使館前で、叫びたい。「侵略者ロシアはウクライナから撤退せよ」「無法者プーチンよ恥を知れ」と。

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