澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

核戦争防止と核廃絶の方針に揺るぎのない、日本共産党へのご支援をお願いします。

(2022年6月24日)
 ロシアのウクライナ軍事侵攻開始以来、今日でちょうど4か月。2月24日のあの衝撃を思い出す。国境を越えたロシア軍の侵攻に驚いたただけでなく、プーチンの核威嚇に驚いた。軍事侵攻開始演説で彼は、「ロシアは世界で最も強力な核保有国の一つ」とわざわざ言ってのけたのだ。おそらくは、NATO加盟国に対する威嚇であり恫喝である。凶暴、これに過ぐるものはない。

 さらに、プーチンは、NATOに対抗するとして、ロシア軍の「核抑止力部隊」の「特別態勢移行」を国防相らに命じている。明らかな、核による脅しである。暴力団まがい脅迫。法が支配する文明社会では、明らかな犯罪行為。国連憲章違反でもある。

 このプーチンによる核威嚇には生理的な嫌悪感を禁じえない。世界中で、プーチン・ロシアを徹底して批判しなければならない。言葉の真の意味でのゴロツキの行為として。

 核に対する嫌悪と拒絶の感情は、戦後の日本国民が共有したものでものである。ところが今、一部にもせよ、国内に「核には核を」「非核三原則の見直しを」「核共有の検討を」などという議論が起こっていることが信じがたい。私にはとうてい受け入れがたい。

 私は、戦後民主主義の空気を胸いっぱいに吸って育った。私の周りに、とりたてて進歩的な人がいたわけではない。革命の理想など聞かされた経験はない。それでも私は時代の空気を吸い、時代によって育てられた。

 全ての人が例外なく平等であることは当然で疑問をもったことはない。そして、戦争は愚かなことで平和が尊いものであることも、すんなりと受け入れた。愚かで悲惨な戦争の象徴が原爆だった。

 私は、小学校1年生時は広島で過ごした。爆心地近くの幟町小学校に入学し、その後牛田小学校、三篠小学校と転校した。当時、原爆ドームは整備されておらず、瓦礫が散乱していた。立ち入りの制限もなく、そこを遊び場にしていた記憶がある。

 どの学校の先生だったか、担任の女性教師の顔にはケロイドがあった。広島がピカでやられたこと、ピカを許してはならないことが深く心に刻み込まれた。そして、小学校4年生の3月、当時清水に暮らしていて焼津港の第五福竜丸の被害を身近に知った。放射能の雨に恐怖をおぼえた。

 以来、何よりも核兵器の廃絶こそが人類が生き延びるための喫緊の最重要課題であると考えるようになった。幣原喜重郎の制憲国会での答弁の言い回しを借りれば、「人類が核兵器を廃絶しなければ、核兵器によって人類は滅亡に至る」のだ。

 この点、日本共産党は「人類の死活にかかわる核戦争の防止と核兵器の廃絶」を綱領にかかげ、その実現のために力を尽くしてきている。そして、現状の認識としては、「ロシアのプーチン大統領が核兵器使用の威嚇をくりかえしていることに世界が懸念を強めています。今日の核兵器使用の現実的危険を絶対に許さず、『核兵器のない世界』へと前進することが急務です」と述べている。国政選挙に際してはこの政党を投票先とせざるを得ない。

 折も折、ウィーンで開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議は最終日の23日、核廃絶への決意を示す政治宣言と、批准国の方針を記した50項目に及ぶ「ウィーン行動計画」を採択して閉幕した。

 政治宣言は「核兵器の完全な廃絶を実現するという決意」を再確認のうえ、核禁条約を「その基礎となる一歩」と表現した。核兵器の人道的影響について「壊滅的で対処することができない」とし、核兵器を「生命に対する権利の尊重とは相いれない」と断じた。また、宣言では核保有国の「核の傘」の下にある国も「真剣な対応を取っていない」と批判。一方で、核保有国との対話もめざす内容になった。

 さらに、核抑止論について「地球規模の破滅的な結果をもたらすリスクを前提としたもの」として、「誤り」と明確に断じた。核保有国や「核の傘」にある同盟国について「真剣な対応を取っていないどころか、核兵器をより重視する過ちにある」と批判している。

 条約非締結国で、オブザーバー参加のドイツの発言が注目を集めた。「NATO加盟国としての立場と一致しない条約には参加できない。しかし、ロシアによる核威嚇に関し、核使用を禁止する規範の強化が必要だ。条約の賛否を越えて、肩を並べて協力することが出来る。核廃絶に向けて、心を開き、誠実に対話することが必要不可欠だ。そのためにドイツはここにいる」というもの。

 どうして、被爆国である日本が、ドイツと同じように、「核廃絶に向けて、心を開き、誠実に対話することが必要不可欠だ。そのために日本はここにいる」と言えないのだろうか。

 政府の核政策の矛盾を果敢に追求する、今後の国会論戦に期待したい。そのためには、日本共産党の国会内での勢力が小さいままでは、迫力に欠ける。核戦争防止と核廃絶を願う有権者の皆様には、核廃絶の方針に揺るぎのない日本共産党の候補者への投票をお願いしたい。

 7月10日投開票の参院選。比例代表では「日本共産党」という政党名を。あるいは「にひそうへい」「田村智子」などの候補者名を記載して投票してください。

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