平和を求める沖縄県民の代表・伊波洋一候補に大きなご支援を。
(2022年7月6日)
冷戦時代、北海道が仮想敵国ソ連と向き合う防衛の最前線とされ、自衛隊精強部隊の配備地とされた。今、仮想敵国中国と最前線で向き合うのは沖縄であり先島・西南諸島とされている。米軍基地はこの地に集中し、自衛隊基地も増強されつつある。その「防衛」政策の象徴としての辺野古新基地建設強行が注目されざるを得ない。
政府にとっての沖縄が防衛上の要地である以上、住民の政治的な支持を固めておきたい場所なのだが、基地負担の押し付けは県民の反発を必然とする。それだけでなく、歴史的な事情から沖縄は反戦平和の意識と運動の強い地域である。本土政府の沖縄に対する基地受け入れ容認の要請と、沖縄県民の反戦平和の要求との熾烈なせめぎあいの構造が続いて、今日に至っている。
沖縄県民は「オール沖縄」を結成した。「オール」は、自分たちこそが沖縄県民の総意を代表するものとの自負を表している。「オール沖縄」に結集しない勢力とは本土政府からの切り崩し・懐柔に屈した人々。妥協して条件闘争路線をやむなしとした人々というわけだ。
今回も、本土政府の沖縄に対する基地受け入れ容認の要請と、沖縄県民の反戦平和の要求とのせめぎあいという重大な参院選地方区。「オール沖縄」対「自・公」、革新対保守の一騎打ちという構図で大接戦が報じられている。当然に辺野古新基地建設の可否が大きな争点となっている。実は、選挙戦の形を借りて、政府と沖縄県民とが争っているのだ。
「オール沖縄」の候補が、伊波洋一(無所属・現)。元宜野湾市長・元沖縄県議会議員、立憲・共産・れいわ・社民そして地元の社大党がこぞって支持している。保守側が、古謝玄太(自民・新、公明推薦)元総務省課長補佐、元NTTデータ経営研究所マネージャー。
伊波候補は、「辺野古の新基地建設反対闘争が始まってから、もう25年以上。この闘いは私たちの誇りであります。絶対にこの辺野古の新基地を作らせてはならない」という立場。対する古謝はどうか。これまで、保守側は辺野古新基地建設を容認するとは言ってこなかった。民意が反対ということが誰にも分かっていたからだ。ところが、今回は挑発的に辺野古新基地建設「推進」の立場を明瞭にしている。政府の立場を沖縄県民に押し付けようという元官僚なのだ。
平和と戦争の問題は、沖縄にこそ、くっきりとした影を落とす。「沖縄を再び戦場にするな」ということこそが沖縄県民の平和の願い。「9条変えろ」「敵基地攻撃」「軍事費2倍」という、自公政権や維新が唱える大軍拡の道を進めば、相手国を刺激して軍拡を加速させ、「安全保障のパラドックス」をもたらすことになる。この悪循環の中で、うっかり集団的自衛権を行使して「敵基地攻撃」を始めたら、「その結果として起こる報復攻撃に、真っ先にさらされるのが沖縄」なのだ。もちろん、ことは沖縄に限定された問題ではない。
伊波洋一候補の、「相手候補は辺野古新基地推進、南西諸島のミサイル基地建設のため、国を挙げて県民相手に挑んでいる。この選挙で新基地ノーの民意をしっかり示そう」という訴えに、耳を傾けたい。