澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

「法と民主主義」2・3月号紹介 ー 「軍事大国への大転換阻止を ― 安保3文書改定をめぐって」

(2023年2月1日)
 2月となった。本日は、光の春の趣き。本日の毎日朝刊に、「きさらぎ」の語源を「衣更着」とするのは間違いという。寒さが強調される時季ではなく、むしろ、春に向けて草木が更に生えてくるという意味での「生更木(きさらぎ)」が正しいと述べられている。

 「生更木」が正しく「衣更着」は間違いとは何とも不粋な断定。たしかに、季節感には「生更木」が合っているが、それでも長年にわたって馴染んできた「衣更着」は捨てがたい。「正しい」「間違っている」とは、いったいどういうことなのだろう。

 これまで長年にわたって馴染んできた「自衛隊違憲論」も、「専守防衛」政策も、今や様変わりした防衛環境下では「間違っている」というのが、新安保三文書の立場。正しいのは、「軍事大国への大転換」であり、「敵基地攻撃能力の保有」である。そのためには「大軍拡・大増税」が不可避だというのだ。とんでもない。戦争への道の押し付けは御免を被る。

 そこで、1月末に発刊の「法と民主主義」(2023年2・3月号【576号】)である。ぜひお読みいただきたい。その特集が、「軍事大国への大転換阻止を ― 安保3文書改定をめぐって」である。

 この特集は、岸田内閣が強行しようとする防衛戦略を、歴史的に紐解き、その内容を詳細に検討して、日本の平和のためではなくアメリカの軍事戦略上の要請であるという本質を明らかにし、その危険が沖縄・南西地域に集中する実態を暴き、経済・財政面からの極端な不適切を明らかにする。そのことを通じて、憲法原則から如何に逸脱するかを明らかにして、「軍事大国への大転換」への対案としての外交のあり方、平和の作り方を論じる。時宜に適った特集として、自信をもってお勧めしたい。

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特集●軍事大国への大転換阻止を
― 安保3文書改定をめぐって

◆特集にあたって … 編集委員会・飯島滋明
◆「安保3文書」にいたる道 … 前田哲男
◆改定された安保政策3文書の危険性 … 大内要三
◆岸田大軍拡路線の本質 … 布施祐仁
◆安保関連3文書改訂と沖縄 … ?良沙哉
◆抜本的軍事費の増加・生存権とわが国財政 … 熊澤通夫
◆安保関連3文書の憲法学的検討 … 小沢隆一
◆新外交イニシアティブ(ND)提言「戦争を回避せよ」
── 対米外交の鍵は在日米軍基地の「事前協議」 … 猿田佐世
◆どのようにして平和を実現するのか … 稲 正樹

◆連続企画・学術会議問題を考える(8)
  【緊急特集】市民と法律家の力で日本学術会議法改悪を阻止しよう
◆司法をめぐる動き〈81〉
 ・2022年参議院議員通常選挙 選挙無効確認請求事件
   ── 国会議員主権国家から国民主権国家へ … 伊藤 真
 ・12月の動き … 司法制度委員会


◆連続企画●憲法9条実現のために(43)
 経済安全保障法の経済面での懸念点 … 阿部太郎
◆メディアウオッチ2023●《静かな「独裁者」》
  「平和国家」から「軍事国家」へ メディアはまたも戦争に加担するのか … 丸山重威
◆とっておきの一枚 ─シリーズ?─〈№18〉
 そこにいる当事者のために … 金井清吉先生×佐藤むつみ
◆インフォメーション
 ・改憲問題対策法律家6団体連絡会パンフレットのご案内
 ・敵基地攻撃能力の保有などを新方針とする安保関連三文書改定の閣議決定に抗議する法律家団体の声明
◆時評●社会保障を受ける権利に関し後退禁止の原則を認めない司法判断の危険性 … 今野久子
◆ひろば●第6回「『原発と人権』全国研究・市民交流集会in ふくしま」の開催に向けて … 海部幸造

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