アベノミクス崩壊の兆し
去る2月26日の当ブログで、安倍晋三政権の罪業を数え上げてみた。あらためて、「12の大罪・8つの被害」の項目だけを再掲する。
第1の罪 明文改憲の罪
第2の罪 解釈改憲の罪
第3の罪 特定秘密保護法制定の罪
第4の罪 靖国神社参拝の罪
第5の罪 教育破壊の罪
第6の罪 NHKともだち人事の罪
第7の罪 原発再稼動と輸出の罪
第8の罪 労働法制改悪の罪
第9の罪 福祉切り捨ての罪
第10の罪 TPP交渉参加の罪
第11の罪 消費税増税の罪
第12の罪 辺野古新基地建設強行の罪
※危うくされたものは平和
※奪われたものは民主主義
※傷つけられたものは歴史の真実
※損なわれたものは国際的信用
※痛めつけられたものは国民の生活
※失われたものは社会の安定
※害されるものは国内の産業
※断ち切られようとしているものは日本の未来
以上の国民に対する罪業にもかかわらず、安倍政権が比較的高い支持率で「安泰」なのは、アベノミクス効果と喧伝される経済政策によるもの。しかし、そのメッキも剥がれ始めたとする論調が目につくようになってきた。いや、すでに客観的な経済指標が、アベノミクス崩壊の兆しを明示しつつある。
内閣府は、毎月「景気ウォッチャー調査」として経済の現状と先行きの統計資料を報告している。昨日(3月10日)、その2月度の報告があった。冒頭のリードに当たる総括評価は以下のとおり。
「2月の現状判断DIは、前月比1.7ポイント低下の53.0となり、依然高水準ながら2か月連続で低下した。
家計動向関連DIは、消費税率引上げ前の駆込み需要等もあって、家電を中心に売上が増加したものの、自動車販売の増勢が鈍化したことや、大雪の影響で客足が鈍ったこと等から低下した。
企業動向関連DIは、一部の企業で受注や生産の増加に一服感がみられたこと等から低下した。
雇用関連DIは、一部で求人の増勢に一服感がみられたこと等から低下した。
2月の先行き判断DIは、前月比9.0ポイント低下の40.0となり、3か月連続で低下した。
先行き判断DIについては、消費税率引上げ後の需要の反動減やマインド低下への懸念等から、家計動向部門、企業動向部門及び雇用部門で低下した。」
家計動向も企業動向も雇用も、すべてのDI(景気動向指数。100が最高上向き、0が最低下向き、50が現状維持)が前月比で低下している。現状判断指数はまだ50をキープしてはいるが2か月連続で低下。先行き判断指数は50(中立値)を大きく割った40。しかも、前月比9ポイントの低下というのだ。よいところ、まったくなし。
それでもさすがは内閣府。「以上のことから、今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、『景気は、緩やかに回復している。ただし、先行きについては、消費税率引上げ後の需要の反動減等の影響が見込まれる』とまとめられる」としている。消費増税直前の駆け込み需要が見込まれていたこの時期の指標がこんなに悪いのだ。本当に、「景気は、緩やかに回復している」と言えるのか。「先行きについては、消費税率引上げ後の需要の反動減等の影響が見込まれる」などと、悠長にわかりきったことを言っているだけでよいのか。
本日の朝日の経済欄が、「アベノミクス 相次ぐ想定外」という大きな見出しで、経済指標の「変調」を詳しく報告している。小見出しだけを拾えば、以下のとおり。
「GDP下方修正・経常赤字が過去最大」
「鈍い設備投資・個人消費」
「先行き 震災時に次ぐ下げ幅」
「政権、増税後へ正念場」
リードは以下のとおり。
「安倍政権の経済政策アベノミクスで、想定していなかった経済統計の「変調」が起きている。10日には昨年10?12月期の実質経済成長率が年率0・7%に下方修正されたほか、今年1月の経常赤字額は過去最大を更新した。消費増税を控え、経済政策のかじ取りは一段と難しくなっている。」
昨年の実質成長率は、以下のとおり。
1?3月 4・5%
4?6月 4・1%
7?9月 0・9%
10?12月 0・7%
朝日は、これを「4月の消費増税前の「駆け込み需要」が成長率を押し上げると見られていたが、想定外の急ブレーキがかかっている。」としている。そして、常識的な見方として、「急ブレーキの主因は、景気回復のカギを握るとされる「設備投資」と「個人消費」の力弱さにある。」と解説している。
朝日の次の指摘は重要だと思う。アベノミクスが、自縄自縛に陥っている様をよく説明している。
「アベノミクスは、大胆な金融緩和で株高と円安に導くことで、国内では消費を盛り上げつつ、円安の恩恵がある輸出を押し上げるのが基本戦略だ。ところが、賃金が上がらないなかで、円安の影響を受ける食料品や電気代が値上がりしたため、国内消費が盛り上がらない。一方、製造業の拠点が海外に移ったため、円安でも輸出が伸びない。」
結局は輸入品の大幅高で国際収支も過去最大の大赤字。これも、アベノミクスがもたらした円安のしからしむところ。昨日(3月10日)の参院予算委員会では、安倍もさすがに景気回復の「成果」を強調することはできなかったようだ。
このような状態で、4月の消費増税を迎えることになる。朝日は、この危機的状況にある景気を支えるために、経団連の「5兆円経済対策」と「早期原発再稼働」とを望む声を紹介している。
安倍晋三とは、自ら任ずるとおりの「右翼の軍国主義者」である。人権・民主主義、そして平和という価値への理解を欠く。党内でも、連立与党内にも、その危うさを指摘する声はやまない。しかし、その安倍指弾の声が大きくならないのは、政権の安定性がまだ目に見えるかたちで揺らいでないからだ。危うい極右的政策にもかかわらず、安倍の支持率や安定性を支えてきたものは、ひとえにアベノミクスの経済効果への期待だった。
そのアベノミクスの先が見えてきた。昨日の「景気ウオッチャー調査報告」が、安倍政権崩壊の弔鐘にきこえる。安倍政権の大罪に「経済混乱の罪」が加わことになろうが、民主主義にとっては朗報となる。
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NHK籾井会長、百田・長谷川両経営委員の辞任・罷免を求める署名運動へのご協力のお願い
下記URLからどうぞ
http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-3030-1.html
http://chn.ge/1eySG24
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NHKに対する「安倍首相お友だち人事」への抗議を
☆抗議先は以下のとおり
※郵便の場合
〒150-8001(住所記入不要)NHK放送センター ハートプラザ行
※電話の場合 0570?066?066(NHKふれあいセンター)
※ファクスの場合 03?5453?4000
※メールの場合 下記URLに送信書式のフォーマット
http://www.nhk.or.jp/css/goiken/mail.html
☆抗議内容の大綱は
*籾井勝人会長は即刻辞任せよ。
*経営委員会は、籾井勝人会長を罷免せよ。
*百田尚樹・長谷川三千子両経営委員は即時辞任せよ。
*経営委員会は、百田尚樹・長谷川三千子両経営委員に辞任勧告せよ。
以上よろしくお願いします。
(2014年3月11日)