澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

安倍自民4個の的を射貫く国民の「4本の矢」

私のブログは転載転用自由。引用元の表示も不要。一部の引用も改案改変もけっこう。時に、丁寧に転載引用の許可の申し入れを受けることがあって恐縮してしまう。律儀なご報告も要らない。労働組合の「分会ニュース」や「職場新聞」のネタに、あるいは民主団体の通信の穴埋めなどに使える記事はそれなりに拾えると思う。少しでも利用していただけたらありがたい。

さて、既に衆議院が「大義なき解散」をした。目前に総選挙がある。言うまでもなく、今回総選挙は日本の岐路に関わる重大な政治戦である。平和か緊張か、国民生活の充実か格差拡大か、脱原発か原発依存継続か、そしてこんな人物を首相にしておいてよいのか、という選択が目の前にある。

菅義偉官房長官は19日の記者会見で、衆院選のテーマについて「何を問うか問わないかは、政権が決める」と述べた。安倍政権の傲りと挑発の姿勢が見てとれる。当然のことながら総選挙のテーマは国民が決める。今回総選挙は、何よりも安倍自民2年間の政治に対する国民の審判である。私は、民主党政権が成立したときには、全面的にではないにせよその評価を惜まなかった。改憲が遠のいたということだけでも胸をなで下ろした。しかし、安倍自民については評価ゼロである。安倍政権がやろうとしていること、やってきたことに、プラス評価すべきところは一つとしてない。この危険な政権は、国民の批判によって一日も早く退陣に追い込まなければならない。今回総選挙はそのチャンス。すくなともその第一歩としなければならない。

国民の側から鋭い矢を放ち、安倍自民を撃たねばならない。射貫くべき的は4個あると思う。この的を的確に射貫く4本の矢が必要である。

4個の的とは、?政治分野の的、?経済問題の的、?原発再稼働阻止の的、そして?安倍晋三という人物の資質についての評価の的である。

国民の側から放つべき、それぞれの的を射貫く矢は、?「平和の矢」、?「生存権の矢」、?「脱原発の矢」、そして?「総理おかわりの矢」でなくてはならない。

?政治分野では、問題山積である。まずは改憲策動から始まって、歴史修正主義、安保防衛問題、非友好的な近隣外交、憲法違反の靖国参拝、沖縄基地拡張、オスプレイ導入、特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認、NHK経営陣人事問題、教育再生などなど…。一口に言って、これまでの保守政権とは次元を異にした安倍政権の「右翼的好戦姿勢」が際立っている。世界中で戦争のできる国を作るための立法が目前にある今、この安倍政権の好戦的政治姿勢を撃つ国民の側からの矢は、国民がこぞって望む「平和の矢」である。
平和の矢は、「9条の矢」でもある。国際協調の外交の智恵を尽くして、安倍政権の戦争準備、緊張増強の政策を批判しなければならない。

?経済問題は、言わずと知れたアベノミクスへの批判である。新自由主義の基本発想は「経済活動は規制のくびきを解いて自由に放任せよ。そうして富者をしてより富ませよ。さすればいつかは貧者にもおこぼれがしたたるであろう」というもの。「企業にとっての天国を作ろう」という政策は、労働者と消費者の犠牲をいとわないということである。非正規雇用を増大させ、首切りを自由とし、残業代踏み倒しの放任による労働者イジメは、消費の低迷をきたし、中小企業と地方の冷え込み、農漁業の切り捨ての悪循環をもたらす。租税負担を応能主義の原則によるものとし、格差貧困を克服しなければならない。国民の側からのアベノミクスへの批判の矢は、「生存権の矢」である。国民の生存権をかけて、アベノミクスと対決しなければならない。

?原発再稼働阻止は、喫緊の大問題として独立して取り上げなければならないテーマである。再びの安全神話が作られつつあり、安全を無視した再稼働への動きが急である。それだけでなく、原発プラントの輸出に血眼になっている安倍政権を徹底して批判しなければならない。国民の側から、あらためて安倍政権へ「脱原発の矢」を射込まなければならない。

さらに、?安倍晋三という人物の資質を問題にしなければならない。この人、到底総理の任にあるべき人ではない、私は長年悪徳商法被害救済に取り組んできた経験から、安倍政権の手法を悪徳商法の手口とよく似ていると指摘してきた。
たとえば、2013年9月10日の「嘘で掠めとった東京五輪招致」をご覧いただきたい。
https://article9.jp/wordpress/?p=1154
彼は、IOC総会で、福島第1原発事故の放射能被爆の影響について、「状況はコントロールされている」「汚染水による影響は湾内で完全にブロックされている」と言ってのけた。嘘は人を不幸にする。一国の首相の嘘は、その国の国民の信用を落とすことになる。悪徳商法の被害者は、誠実そうなセールスマンを信用したことをあとになって後悔する。世界も日本も、あとになって、「アベノダマシ」に臍を噛むことになる。

それだけでない。最近の首相の言動の幼児性と精神の不安定性に言及する論者は少なくない。本日の東京新聞「本音のコラム」欄の山口二郎「総理の器」は、辛辣というよりは、深刻で恐ろしい指摘である。首相にあるまじき、逆ギレ、いら立ち、市民にいちゃもんなどの具体例を引いたあと、「こんな不安定な人物を国の最高指導者に据えていることを日本人は認識した方がよい。衆院解散のスイッチを押して権力を維持できれば、次は戦争のスイッチを押すかも知れない」と言う。私も当たっていると思う。首相には、そう思わせるものが確かにある。国民の側から、大きな声とともに「総理おかわりの矢」を放たねばならない。
(2014年11月23日)

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Published in 日曜日, 11月 23rd, 2014, at 22:23, and filed under 安倍政権, 選挙.

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