澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

東京都議会にはまっとうな野党が必要だ  ー都議戦の争点その4

昨年暮の都知事選で、革新・リベラル連合は石原後継陣営に大敗した。多少なりともその選挙に関わった私としては無念やるかたない。この敗北をどのように根本から総括すべきか、とりわけ革新共闘のあるべき形をどう描くのか、考え続けている。

その都知事選の苦い記憶冷めやらぬうちの都議戦である。434万票を獲得した「傲れる知事猪瀬」の暴走を許してはならない。これを牽制する真っ当な野党を議会に確保しなければならない。石原ー猪瀬路線の拠って立つ基盤が、新自由主義と開発型利益誘導政治と、そして国家主義・新保守主義のないまぜである以上、この知事への対決姿勢を堅持し、真っ当な野党としての役割を担い得るものは、日本共産党以外にはありえない。

議会制民主々義が健全に機能するためには、野党の存在は絶対不可欠である。謀略によって野党が議会から追放され、あるいは翼賛議会が成立するとき、民主々義は死滅する。大戦前のドイツと日本の歴史が、その苦い実例ではないか。

この立ち場から、赤旗が連日「都議会オール与党体制」を批判している。この批判は、民主々義を大切に思う多くの人々に受け容れられ、説得力のあるものとなっている。

そのことを意識してか、みんなの党の渡辺代表が、都議選の第一声で「自民党がぼろ勝ちし、自民、公明両党で過半数を制すると、民主党も日本維新の会も(加えた)オール与党状態の都議会に改革ができるのか」(読売)と発言し、民主党の海江田氏までもが、「都知事が暴走してしまったら、誰が止めるのか。都議会が止めなければいけない」「石原慎太郎前都知事が…皆さん方の税金を使って銀行(新銀行東京)をつくって失敗、オリンピック招致にずいぶんむだなお金をかけた」(赤旗)と議会で果たすべき野党のチェック機能の大切さを言い出している。

「都議会をオール与党体制としてはならない」「434万票の知事の傲りを放置してはならない」「健全な野党による知事への批判が必要だ」。その願いは、共産党に託するしかない。

赤旗日曜版6月16日号第5面の記事を抜粋する。
「『オール与党ではどうにもならぬ』(「東京」)、『猪瀬人気便乗 オール与党化』。マスメディアからも批判が上がるほど、東京都政での自民、公明、民主、維新、みんなの『オール与党化』がひどくなっています」

「猪瀬知事発足後初の3月都議会、自民、公明、民主、維新、みんなの各党は、知事提出の167議案すべてに賛成しました。生活者ネットも、2議案を除いて賛成です。まさに『オール与党』です」「これらの『オール与党』は、憲法96条の改定反対に関する意見書も、認可保育園増設などを求める請願も、反対してつぶしてしまいました」

知事の予算案に反対票を投じたのは、日本共産党だけ。また、都議選選挙ポスターでの候補者とのツーショット撮影について、知事は「一緒に撮りたいという方々については、共産党を除いて各党派、満遍なく撮影している」とのこと。けっこうなことだ。これだけでも、共産党だけが、知事の暴走をチェックする真っ当な野党としての資格がある。

現有8議席を一回りも二回りも大きくして、共産党に真正野党としての大活躍を期待したい。
(2013年6月16日)

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