澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』への抗議署名に賛同を

複数の友人から、教えられた。子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会》が、ネットで次の訴えをしている。
憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文に賛同をお願いします!
https://blog.goo.ne.jp/text2018

確かにこれはひどい。こんな事態を看過して極右ナショナリズム勢力をのさばらせてはならない。しかも、こういうバカげたことの中心にいるのが、維新政治の申し子というべき「民間人校長」(小田村直昌)である。広く、抗議の声を集約して、インターネット署名を集めたい。ぜひご協力を。以下は、拡散・転載大歓迎というネット記事の転載である。

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  抗議文への団体・個人賛同をお願いします!
  憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での
  『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文
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 5月8日(水)、大阪市立泉尾北小学校において全校の子どもたちが参加する『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』(以下、「児童朝礼」)が行われました。「児童朝礼」では、まず小田村直昌校長が代替わりと新元号の説明をしました。なんと新天皇を「126代目」とまで紹介しています。
 その後、「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)氏(「教育勅語」を歌にし、塚本幼稚園でも歌ったことがある)がゲストとして登場しました。そこでは、明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌いました。どちらも神話上の天皇を賛美し、「万世一系」を印象づける国民主権に反する歌です。さらに「仁徳天皇」を歌う前には、教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に登場する「民のかまど」の話をしました。
 さらには、自身のオリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌いました。「行くぞ!日の丸!」は、「日の丸」を先頭にしてアジア諸国に侵略した戦前の日本軍の姿を彷彿とさせます。外国籍の子どもたち、中でもかって日本が侵略・植民地支配した国々にルーツを持つ子どもたちは、この歌によって深く傷つくのではないかと私たちは憂慮します。
 小田村校長は同校のHPで山口氏の歌や話を「とてもいいお話」「とても素晴らしいゲストでした」と絶賛しました。このような「児童朝礼」は、戦前の教育勅語教育を小学校に露骨に持ち込もうとした森友学園の「瑞穂の國小學院」に通じるものがあり、明らかに憲法違反です。公立学校でこのような集会が行われていること自体、全国的に例を見ません。
 私たちは、憲法に反する内容を子どもたちに押しつけた「児童朝礼」を行った小田村校長と、同校長を任命した大阪市教育委員会に対して厳しく抗議したいと思っています。そして同校の保護者・子どもに対してはもちろんのこと、大阪市民に対する説明と謝罪を求めたいと思います。

 大阪市教委に対して抗議の申し入れを行いたいと思っています。
それまでに出来るだけ多くの団体・個人賛同を集めたいと思っています。
ぜひ、ご協力をお願いします。

■下記の要望書への団体・個人賛同を呼びかけます。
◇団体賛同の場合
団体名をお知らせください。
◇個人賛同の場合
お名前
お立場(教職員、保護者、生徒、学生、研究者、弁護士、市民など)
できればで結構です。
お名前の公表(インターネットを含む)の有無
◇締め切りは7月7日(日)
◇送り先
メール iga@mue.biglobe.ne.jp
◇PC・スマホ用署名ページ
http://form01.star7.jp/new_form/?prm=6a6b423%2F2–21-0583fb*********************************

■憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文

5月8日(水)、大阪市立泉尾北小学校において全校の子どもたちが参加する「5天皇陛下ご即位記念」児童朝礼(以下、「児童朝礼」)が行われました。「児童朝礼」では、小田村直昌校長が「天皇陛下がお代りになった話と126代目であること、元号も日本古来から続いているお話」(泉尾北小HP)をしています。新天皇を「126代」とすることは、神話上の神武天皇なども含む数え方をしており、歴史的事実に反し皇室が「万世一系」であるかのように教えることに他なりません。
その後、「児童朝礼」では「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)氏(「教育勅語」を歌にし、塚本幼稚園でも歌ったことがある)がゲストとして登場しました。そこで山口氏は、明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌いました。どちらも神話上の天皇を賛美し、「万世一系」を印象づける国民主権に反する歌です。さらに「仁徳天皇」を歌う前には、教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に登場する「民のかまど」の話をしました。これは、戦前の皇国臣民化教育の定番教材で、子どもたちを「臣民」に仕立て上げていったものです。2015年2月、愛知県一宮市教育委員会は、「建国記念の日」を前にした全校朝会で「民のかまど」の話をした市立中学校校長を注意をしたこともありました。
しかし、大阪市立泉尾北小学校のHPには、この「児童朝礼」の様子が紹介されており、小田村校長は山口氏の歌・話を「とてもいいお話」「とても素晴らしいゲストでした」と絶賛しました。HP記事の最後には、小田村校長が山口氏の書いた色紙をもった写真も掲載されています。その色紙には、「皇紀2679」と書かれています。「皇紀」は神話上の天皇である神武天皇に由来するもので、戦後は公教育でも行政文書でも一切使用されていません。「皇紀」を使った色紙の画像を公立小学校のHPに載せることは不適切です。
山口氏は、自身のオリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌いました。「行くぞ!日の丸!」は、「日の丸」を先頭にしてアジア諸国に侵略した戦前の日本軍の姿を彷彿とさせます。外国籍の子どもたち、中でもかって日本が侵略・植民地支配した国々にルーツを持つ子どもたちは、この歌によって深く傷つくのではないかと私たちは憂慮します。大阪市がめざす「多文化・多民族共生教育」に反するものです。
公立学校の児童朝会での山口氏の歌や話は、戦前の教育勅語教育を小学校に露骨に持ち込もうとした森友学園の「瑞穂の國小學院」に通じるものがあり、明らかに憲法違反です。公立学校でこのような集会が行われていること自体、全国的に例を見ません。
泉尾北小に山口氏を呼び、「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼を行ったのは小田村校長です。小田村校長は大阪市の民間人校長として5年目(泉尾北小では2年目)で、任命したのは市長と教育委員会です。小田村校長は、大阪市立小学校校長になってから、右派団体である「学ぼう会北摂」で講演をしたり、龍馬プロジェクト会長の神谷宗幣氏のインターネット番組に登場し、大阪市の人権教育や歴史教育を「偏向教育」と批判している人物です。今回の「児童朝礼」は、小田村校長が意図的に実施したことは明らかです
私たちは、憲法に反する内容を子どもたちに押しつけた「児童朝礼」を行った小田村校長に対して抗議します。小田村校長を任命し、「児童朝礼」を実施させた大阪市教委の責任を追及します。小田村校長と大阪市教委は、同校の保護者・子どもに対してはもちろんのこと、大阪市民に対する説明と謝罪を行ってください。

(資料)
■山口采希氏が歌った曲
「行くぞ!日の丸!」
喜びと悲しみに
情熱が肩を組む
うつむいた日は過ぎた
時が来た まっしぐら
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ
ひたぶるに駆け抜けた
根こそぎのなにくそで
どん底も手を伸ばし
風一つ 掴んだる!
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
揺るがぬ魂 日の丸が行くぞ
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
白地に赤く 日の丸が行くぞ

□「令和の御代
春の訪れ 風も和やかに
薫り高く 梅の花のように
うるわしき日々を
ありのままに
咲き誇る
令和の御代に
和らぎの日々を
それぞれの心
満ち足りて
咲き誇る
令和の御代に
心寄せ合う
令和の御代に

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いやはやなんとも、というほかはない。
大阪市教委は、事態を把握していないのだろうか。見て見ぬふりなのだろうか。府教委はどうなのだろう。

内閣が天皇賛美一色であり、それを可視化した儀式を行うから、こんな校長が出て来るのだ。衆参両院が、全会一致で天皇就任の賀詞決議などするから、こんなことが許されると思う輩が出てくる。

この公立小学校の天皇礼賛行事。ごく例外的な跳ね上がりの孤立した行動と軽視できないのではなかろうか。これを許す時代の空気の反映とすれば、怖ろしいことなのかも知れない。
(2019年6月23日)

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