「桜を見る会」への批判を ー 「究極の行政私物化」「選挙民を税金で買収」「記録の廃棄」
安倍晋三の「桜を見る会」悪用疑惑。一挙に大問題となってきた。今度こそ、徹底追及して事実を究明し、傲った政権にピリオドを打ちたい。
本日の本郷三丁目交差点での「湯島本郷九条の会」の宣伝活動でも、すべての弁士が「安倍9条改憲阻止」とともに、期せずして「桜を見る会」問題を取りあげた。
安倍晋三追及の論陣は急速に広がりはじめている。メディアも野党も、そしてネットの世界でも。たとえば、小沢一郎。彼は、朝日・毎日・東京の各紙を引用する形で、安倍批判の発言を繰り返している。私は、小沢一郎という人物に好感を持っているわけではないが、彼の昨日(11月11日)のツイッターにこう書かれていることには文句なく賛同する。
ある意味で「権力の私物化」の最終形態だろう。地元後援会850人を、飲食を伴う政府主催のお花見に御招待。全部税金。証拠はきれいに隠滅。たまたま各界の功績ある方々が地元後援会にいたと。この総理の感覚は麻痺している。問題は、国民の感覚まで麻痺したら、この国はついに終わりということである。
このツイッターによく表れているとおり、問題点その1は、安倍晋三の「権力の私物化」である。国民の税金を使って、私的な後援会活動に使う。なるほど、「私物化の最終形態」と言ってよい。政治の私物化、行政の私物化、総理大臣職の私物化でもある。森友事件、加計学園事件でも話題となった、安倍晋三のタチの悪さ・薄汚さがここでもよく表れている。普通、右翼は潔癖なはずなのだが、こういう汚い政治家をどうして応援できるのか。
問題点その2は、選挙民に対する供応である。「地元後援会850人を、飲食を伴う政府主催のお花見に御招待」である。内閣府の「『桜を見る会』開催要項」によれば、「来会者のために茶菓の接待をする」と明記されている。自分のカネではなく、権力を濫用しての選挙時に選挙運動を担う850人もの人への大規模な供応。「茶菓の接待」の内容を追及しなければならない。
問題点その3は、「証拠はきれいに隠滅」である。招待者名簿は、速やかに破棄されたという。これも、安倍政権の常套手段。都合の悪い記録は破棄するか隠蔽する、あるいは改竄する。「破棄をした」は到底信じがたいが、仮に破棄したとしても内閣府は、各省庁や各界からの推薦に基づいて招待者名簿を作っている。再現は容易なはず。しかし、「隠すのは、疚しいから」であり、 「隠れたるより現るるはなし」でもある。
問題点その4は、いつもながらの牽強付会の言い逃れ。。「たまたま各界の功績ある方々が850人も地元後援会にいた」と言ってのける甚だしい無神経。これを「桜論法」と言おう。花に似ず美しくはないが、花に似てすぐに散る言い逃れ。
前記「開催要項」は、「桜を見る会」の招待範囲を次のように、特定している。
「皇族、元皇族
各国大使等
衆・参両院議長及び副議長
最高裁判所長官
国務大臣
副大臣及び大臣政務官
国会議員
認証官
事務次官等及び局長等の一部
都道府県の知事及び議会の議長等の一部
その他各界の代表者等
計 約1万人」
この列挙において「その他各界の代表者等」に後援会員をもぐり込ませようというのは、無理な話。いったいどのような手続で、これらの人びとを特定して選考し、「招待状」を送付したというのか。これを「その他各界の代表者」と強弁する安倍流には、徹底した批判が必要である。
そして問題点その5は、「国民の感覚」である。明らかに、安倍晋三の感覚はおかしい。廉恥の心に欠けているからこんなことをして反省の弁すらない。問題は、この感覚のおかしな男を支えている地元の有権者の感覚である。首相の「桜を見る会」に招待されて喜んでいる850人の感覚が安倍晋三同様に麻痺しているのだ。全国民が、山口一区の選挙民並みになったら…、この国はついに終わりということである。
この国を終わりにしてはならない。安倍政権を終わりにしなければならない。
(2019年11月12日)