「アパ・DHC・高須」ー 極右御三家に、なぜメディアが甘い。
(2020年12月20日)
冬晴れの日曜日。澄みきった空の色が格別。不忍池には薄氷が張っていた。枯れた蓮の隙間を縫って、オオバンの動きが速い。池の周りは、桜や銀杏の落葉が美しい。今日は、目に入るものものがみな美しい。その景色の中で、たった一つ美しからざるものがアパホテル。経営者の歴史修正主義の醜態が建物の美観を損ね、風景をも害している。これさえなければ、ここは散歩者の楽園である。
アパホテル たえてこの地になかりせば 上野の風情はのどけからまし
ネットニュースを配信している「リテラ」が、《経済界「極右&ヘイト」ミシュラン発表!》という記事を載せたことがある。極右度と、影響度を★で表している。今も、たいして変わらないだろう。
《極右度》星五つと四つは、以下の企業である。
●アパホテル(アパグループ)
極右度 ★★★★★
影響度 ★★★
●DHC
極右度 ★★★★★
影響度 ★★★
●高須クリニック
極右度 ★★★★★
影響度 ?
●出光興産
極右度 ★★★★★
影響度 ★★
●JR東海
極右度 ★★★★
影響度 ★★★★★
●フジ住宅
極右度 ★★★★
影響度 ★★
●アリさんマークの引越社
極右度 ★★★★
影響度 ★
やはり、目立つのは、「アパホテル」「DHC」「高須クリニック」の御三家だろう。「アパホテル」と「DHC」の極右ぶりについては、当ブログで随分書いてきたから繰り返さない。高須クリニック(高須克弥)については、十分には書いて来なかった。あらためて、リテラから引用させていただく。
●高須クリニック
ネトウヨを自認する院長の暴走がとまらない! ホロコーストの否定まで
高須クリニックは「企業」という感じでもないが、院長の高須克弥氏の問題発言の連発ぶりを見ていると、やはりリストアップしておく必要があるだろう。
熱烈な安倍政権の支持者である高須院長は、一昨年の安保法制の際もツイッターで〈平和ボケの若者を悲しく思います!〉と反対デモやSEALDsを攻撃し、韓国や中国に対しても「竹島くらい日本が制圧しちゃえばいいんだよ」「韓国の海軍なんてたいしたことないでしょ。自衛隊が本気を出せば制圧できる」「尖閣の上空を侵犯している中国の無人機だったら、警告をした上で撃ち落としてもいいじゃないの?」(「NEWSポストセブン」)と、タカ派丸出し。挙句の果てに、ナチスの賛美まで飛び出した。
〈ヒトラーは無私の人。ドイツ国民が選んで指示してた。ドイツそのもの。都合の悪いことは全部ヒトラーとナチスのせいにして逃げたドイツ国民はズルい!〉(原文ママ)
〈ドイツのキール大学で僕にナチスの偉大さを教えて下さった黒木名誉教授にお会いした。励まして下さった!嬉しい なう〉
〈ナチスはがんばる女性の支援に積極的でした。スポーツも振興してました。僕は変わってません〉
〈ナチスが消滅してもナチスの科学は不滅〉
〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉
さて、今回のDHCの差別発言について、本日(12月20日)のリテラ記事が、厳しく断罪している。その矛先は、日本マスコミに向けられている。
「DHC吉田会長の韓国差別コメント問題をなぜテレビは取り上げないのか? 広告料くれればレイシストまでもちあげる日本マスコミ」
https://lite-ra.com/2020/12/post-5734.html
概要、以下のとおりである。
まともな民主主義社会であれば、吉田会長やDHCという企業は社会的生命を絶たれてもおかしくない。ところが、吉田会長もDHCもこの件について、なんの謝罪も撤回もしていない。コンビニやドラッグストアではいまもDHCの商品が堂々と売られている。いったいなぜこんなことが許されているのか。
大きいのはメディアの責任だ。今回の吉田会長の差別発言はネットで大きな騒ぎになり、〈#差別企業DHCの商品は買いません〉などの抗議ハッシュタグがトレンド入りしている。また、BBCが「日本の化粧品会社トップの“レイシスト”コメントに批判」と報じるなど、海外メディアの批判報道が相次いでいる。
ところが、日本のマスコミはほとんど厳しい追及をしていない。共同通信や東京新聞、朝日新聞、毎日新聞など一部のリベラルなメディアはこの問題を批判的に伝えたが、読売、産経、日経などはスルーだった。さらに、テレビにいたってはどの局もまったく吉田会長の差別問題を取り上げなかった。芸能人の不倫程度であれだけ大騒ぎするワイドショーもこの問題には1秒たりとも触れず、逆にいまも、テレビでは同社のCMが流れている。
コラムニストの小田嶋隆氏は16日、ツイッターでマスコミや日本社会がDHCのヘイトを容認している裏に「金」の問題があると喝破していた。小田嶋氏の指摘するとおり、こんなひどい差別をしても、マスコミがなんの追及もしないのは、DHCが大きなスポンサーで自分たちにお金を落としてくれる存在だからだ。
そのとおり。まったく同感である。