澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

DHC製品不買運動は、案外効いているのではないか。

(2021年3月20日)
前川喜平が、実名に(右傾化を深く憂慮する一市民)という自己紹介文を付したハンドルネームで、ツィッターを発信している。なるほどと、頷けることばかり。

https://twitter.com/brahmslover
前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)
@brahmslover

一昨日(3月18日)発信の前川ツィートが、「DHC」に触れている。

「この前泊まったホテルの浴室にはDHC製品が置かれていた。もうあのホテルは使わない。」

「DHC製品、私は買わない」というだけでなく、アメニティとしてDHC製品を使っているホテルへの宿泊もやめようというメッセージ。DHCへの批判を、積極的に具体的な行動で表そうという呼びかけでもある。

このツィートは、沖縄タイムス阿部岳記者の以下の発信にリツィートしたもの。

「デマとヘイトの責任を問う法廷で、DHC「ニュース女子」側はなおもデマとヘイトを垂れ流し続けた。制作会社プロデューサーの一色啓人氏は(証人として)「高江に住んでいる半数以上が基地建設が決定してから住んだ」と述べた。すぐ高江区長に電話して確かめたが、事実ではなかった。」

阿部記者の言う「デマとヘイトの責任を問う法廷」とは、辛淑玉さんが原告となって、DHCテレビジョン(DHCの100%子会社、代表取締役会長:吉田嘉明)と長谷川幸洋を訴えた訴訟での証人調べ法廷のこと。

沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設への抗議行動を取り上げたDHCテレビ番組「ニュース女子」で名誉を毀損されたとする辛淑玉さんが、制作会社DHCテレビジョンと司会を務めていた長谷川幸洋に計1100万円の慰謝料などを求めて東京地裁に提訴し、併せて番組の差し止めと削除、謝罪広告の掲載も求めている。

3月17日東京地裁法廷での証人尋問の模様を阿部記者は、沖縄タイムスにこう書いている。

「涙」「能弁に」「笑いながら」 証言台の3人、語る姿の違いに現れた差別の構造

 証言台に立った3人は、ともに恐怖や被害を語った。だが、語る姿は全く違った。テレビ番組「ニュース女子」に名指しされた辛淑玉(シンスゴ)氏は涙で言葉に詰まりながら。司会だった長谷川幸洋氏は能弁に。制作会社の一色啓人氏は時に笑いながら。
 この差は、個性だけによるものではない。社会における力の差、差別の構造が表れている。仮に同じ出来事が降りかかったとしても、少数派には差別の重さが加わり傷はより深くなる。

前川ツィートは、この阿部記者の姿勢に共感するとともに、DHCやそれに与する人々への批判を形にすべきことを訴えているのだ。ヘイト容認派対ヘイト批判派、デマ容認派対デマ撲滅派。そのせめぎ合いの最前線で、DHCへの向き合い方が問われている。デマやヘイトを許さないとする者は、DHC製品をボイコットして、DHCの姿勢を正さなければならない。

前川は、2020年12月20日にも、
「DHCが提供するTV番組は見ない。」
とツィートしている。「DHCがスポンサーになっているTV番組」をみんなが見ないとなれば、DHCの売り上げは確実に激減するだろう。

 「DHCの製品、私は買いません」
 「DHCの製品、私の親類縁者には買わせません」
 「DHCの製品を使っているホテルには泊まりません」
 「DHC提供の番組は見ません」
 「DHCのコマーシャルが流れたら、スイッチを切ります」
 
前川喜平に倣って、DHCに対する批判を具体的な行動に表わそう。積極的に表現しよう。あるいは、下記の米山隆一のごとくに。

 差別を見過ごす人はその人も一定程度差別に加担しています。今般のDHCのキャンペーンの広報は、私には耐えがたいものに思えます。私は以前DHCの製品を使っており、その後止めた後現在時折買っていたのですが、もう金輪際買いません。差別に加担する積りはありません。(2020年12月16日)

DHC製品ボイコットに対する経済制裁は案外効いているのではないだろうか。

最近までのDHCは、業界ナンバー1を豪語し、1000億円(年間売上)企業と誇ってきた。しかし、今やDHCは確実に売り上げを減らして業績を悪化させている。既に、業界ナンバー1でも、1000億円企業でもなくなっている。

2019年までは、何とか1000億円の売り上げをキープしていたDHCだったが、2020年(7月決算)の売り上げは、973億円と大台を割り込んだ。とりわけ当期純利益は、49億(18年)⇒41億(19年)⇒13億円(20年)と、激減と言ってよい。

この間、ライバル会社ファンケルの業績が好調で、18年に初めて売上げ1000億円を超えてDHCを凌駕した。2020年(3月)の決算では、売上高1270億円と大きく水を開け、当期純利益がちょうど100億円となっている。

また、「通販健康食品」という分類で、DHCは長く業界のトップに位置していたが、2019年の販売金額でのトップはサントリーウエルネスで923億円。次いでDHCが399億円と、大きく引き離されている。

DHCの業績悪化の本当の原因は分からない。しかし、ニュース女子の番組で、DHCのヘイト体質が世に知られるようになったのが、2017年1月のことである。この辺りから世論の指弾とともに業績の悪化が始まっている。案外DHC製品不買運動が、効果を上げているようにも思える。

前川喜平や米山隆一に倣って、DHCの製品不買を呼びかけよう。「DHC製品、私は買わない」、たったそれだけのことが、デマやヘイトのない社会の実現につながる。

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