澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

愚者・愚問・愚答のぐしゃぐしゃ

(2021年8月26日)
(以下は、すべてフィクションである。このフィクションに多少のリアリティがあるとすれば、登場人物に多少の責任があるからである)

記者  二階幹事長に伺います。横浜市長選では、首相のお膝元で首相ご自身が全面支援した小此木氏が大差で敗れましたる。ご感想を。

二階俊博幹事長  選挙の結果については、我々は謙虚に受け止めたいと思っております。一方で、コロナ禍で国民の不満が政権政党に向かうのは当然で、菅首相はしっかりやっていると思いますよ。

記者  自民党の党内には、菅首相では総選挙は戦えないとの声がで広がっているとの報道もありますが。

二階  それは党内には、いろんな意見がありますよ。しかし誰々さんでは選挙を戦えないというのは、失礼な話だよ。

記者  焦点となっている自民党総裁選ですが、菅首相再選支持の考えに変わりはありませんか?

二階  もちろん変わりはありません

記者  二階派としても支持されるお考えですか?

二階  当然のことではありませんか。愚問だよ!

記者  えっ? 愚問ですか。どうして愚問なんですか。

二階  理由など述べる必要はない。答の分かりきった問いを愚問という。

記者  そんなに分かりきったことなのですか。

二階  それこそ愚問だ! 答える必要はない。

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 菅義偉や小池百合子など40人が、パラリンピックの開幕前夜「歓迎の夕べ」とするパーティーを開催した。

記者  組織委広報担当の高谷さんに伺います。5人以上の会食は控えるように要請をしている方たちのパーティーですが、感染リスクはお考えにならなかったのでしょうか。

高谷正哲・組織委広報担当  あいさつの場をもつことは社会の慣習で、適切な対応ではないでしょうか。

記者  多人数の会合で、感染リスクはお考えにならなかったのかと。

?谷  質問の意図するところが分かりませんね。

記者  意図はともかく、感染リスクはお考えにならなかったのかと。

?谷  愚問ですよ!

記者  えっ? 愚問ですか。どうして愚問なんですか。

?谷  理由など述べる必要はありません。答える必要のない問いを愚問という。

記者  どうして答える必要がないのですか。

?谷  それこそ愚問だ! 答える必要などない。

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記者  小池百合子知事に伺います。9月1日の「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」に追悼文を送らないのでしょうか。

小池百合子都知事  出しません。その必要がないからです。

記者  でも、以前の歴代都知事は追悼文を送っていましたし、都知事に対して、追悼の気持ちを表してほしいという都民の要望も強いのではありませんか。

小池  反対のご意見もございますし、その日に東京都は全ての犠牲者に哀悼の意を示す慰霊祭を挙行しますから、個別の追悼文は控えさせていただきます。

記者  人の手で命を奪われた犠牲者の追悼には、謝罪の気持ちや責任への言及が伴うと思うのです。自然災害の犠牲者の慰霊と一緒にすると謝罪も責任も不問となりはしませんか。

小池  愚問ですね。

記者  えっ? 愚問ですか。どうして愚問なんでしようか。

小池  愚問はあくまで愚問。なぜ愚問かなんて質問は、それこそが愚問。

記者  それでは、記者会見にならないのではありませんか。

小池  そうよね。もうやめましょう。

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記者  菅総理にお伺いします。どの世論調査も、内閣支持率は低迷しています。横浜市長選挙では、総理の推す候補が惨敗しました。世論の菅内閣を見る目はたいへん厳しくなっていますが、その原因はどこにあるとお考えでしょうか。

菅義偉首相  政府としては国民に対する安全安心な生活の確保を責務とし、コロナに対する医療態勢の整備を最優先で取り組んでおります。この急激な感染拡大を阻止して安定したかつての日常を一日も早く取り戻せるように、しっかりと全力で取り組んでまいります。今、明かりははっきりと見えはじめています。

記者  そのような、コロナに対する政府の方針が具体策を欠いて、国民からの信頼を得られていないというご認識はお持ちでしょうか。

菅  政府としては国民に対する安全安心な生活の確保を責務とし、コロナに対する医療態勢の整備を最優先で取り組んでおります。この急激な感染拡大を阻止して安定したかつての日常を一日も早く取り戻せるように、しっかりと全力で取り組んでまいります。今、明かりははっきりと見えはじめています。

記者  政府の方針を楽観的すぎるとして、不満・不安を述べる国民の声は日増しに高まるばかりです。至急に野党が求めている臨時国会を開いて、野党とともに効果的な対策を講じていこうというお考えはありませんか。

菅  政府としては国民に対する安全安心な生活の確保を責務とし、コロナに対する医療態勢の整備を最優先で取り組んでおります。この急激な感染拡大を阻止して安定したかつての日常を一日も早く取り戻せるように、しっかりと全力で取り組んでまいります。今、明かりははっきりと見えはじめています。

記者  別の質問です。そのペーパーは引っ込めてください。必ずしも、菅再選を望む国民の暖かい声があるとは思えないなかで、近づく総裁選への出馬の意思は変わらないでしょうか。

菅  これまでも申し上げたとおり、時期がくれば出馬をさせて頂くのは当然ではありませんか。

記者  自民党や公明党の内部には、菅総理を与党の顔として次の総選挙は戦えないという意見があるやに伺っていますが、後進に道をお譲りになる気持ちはありませんか。

菅  愚問だね!

記者  えっ? 愚問ですか。どうして愚問なんですか。

菅  失礼じゃないですか。理由など答える必要もない。

記者  世論の風は厳しい。いま総理は、どう身を処すべきとお考えか。国民の関心事です。それをどうしてお答えの必要がないとおっしゃるのでしょうか。

菅  それこそ愚問だ! 答える必要などない。

記者  総理、総理。まだ、質問があります。逃げないで、お答えください。総理、総理……。ダメだこりゃ…。

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