ヨコスカからの「たより」に頼和太郎さん講演録
(2021年12月21日)
《非核市民宣言運動・ヨコスカ/ヨコスカ平和船団》からの「たより 326」が届いた。発行日付が2021.12.17となっている。
総24ページの「たより」を開いて驚いた。メインの記事が11月23日開催の「横須賀基地問題シンポジウム」、その講師が頼和太郎さん(リムピース編集長)だったからである。
頼さんは、12月10日に亡くなられている。その死を報じる朝日の記事を引用させていただく。
頼和太郎さん(らい・わたろう=基地監視団体「リムピース」編集長)10日死去、73歳。米軍の艦船や航空機の動向を調べて発信するリムピースで、中心的な役割を果たしていた。横須賀海上保安部によると、神奈川県三浦市の三崎港で9日午前10時ごろ、頼さんのシーカヤックが転覆。別のカヤックに乗っていた妻(59)が海に飛び込んで抱え、近くの作業船に救助されたが、搬送先で死去した。
「たより」には、元気な頼さんの写真と講演録(要約記事)が掲載されている。そのリードを紹介したい。「たより」の雰囲気をよく醸し出している一文。
11月23日住民投票の会、基地問題シンポジウム。こういう集まりに出るのも2年ぶり。みんな元気そうで何より(ま、元気な人しか来ないもんね)。空白の期間を感じないほど、テキパキと準備して雑談して、すぐに解けこめる空間になるよね、この会は。
今日は司会なんだけどさ、他所もそう?、打ち合わせなんてほとんどない。大まかに時間決めて誰が話すか確認して、1分で打ち合わせが終わる。講演者の時間だけはっきりすれば、後はなんとかなる。そこが力量なんだろうけど。
講演がなんたって頼さんだからね(リムピース編集長頼和太郎さん)。攻めますよ、きっと。イヤな予感もちょっとする。
始まってすぐに、緊急事態発生。まさかの椅子が足りない。50人くらいかと思ってたのに。追加の椅子を出してもまだ足りない。そしてついに70部用意した資料もなくなってしまった。慌てて追加の印刷に行く。
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頼さんの話はね、詳細なのよ、詳細すぎるのよ。「(難しすぎて)ちょっと何言ってるかわからないんですけど‥・」って思うんだけど、あの記憶力はすごいね。艦船や飛行機の名前、世界中の軍事問題をいつどこで何があったとすらすら出る基地問題第一人者だね。私が認定してあげるわ。(中略)
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帰るときにね、頼さんからカンパを頂きました。講演お礼の封筒がそのまま戻ってきました。こういうとこも頼さんらしい、ありがとう。
その頼さんが、講演から3週間を経ずして亡くなられた。合掌するのみ。
もうすこし紹介したい。この「たより」発行団体が最近刊行した「横須賀鎮守府3人の反戦水兵」というパンフの宣伝。こんな上手な宣伝文句は滅多にお目にかかれない。私も、申し込むことにする。
「横須賀鎮守府3人の反戦水兵」のパンフ、読みました?お薦めですよ、難しくないです。「人生、悪いことばかりじやない」って感じです。
反基地運動(平和活動も)やっている人って、気難しくてひねくれ者で、いつも不機嫌なイメージありますよね。実際多いでしょ。たぶん読者全員が「自分以外はちょっと変わってる人達」と思っているでしょう。体制に反対するなんて、清い心だけでやれないし。
1932年、治安維持法で刑務所に服役した、日本海軍の若き水平遠の活動が書かれているんだけど、こういう本はどうしても資料物が多いし、軍事戦略のことは難しくなりがち。でもこのパンフは時代背景の解説、当事者の日記、家族や身近な人達のインタビューと構成が多方面なので、読み物として人の生き様を感じられる「人物記」です。
たとえ戦時の兵士で、辛いこと悔しいこと悲しいことが多い暮らしの中にも、人は楽しさを見つけ、友情愛情を育み、未来への希望を持っている。元気になれる、久しぶりに良い本を読んだな?と思います。
ちなみに、私のお気に入りは「兵士の友」第1号に書かれた、「ぢや兄弟!俺は紙上で兄弟に握手をする!」ってとこ。な?んか小憎いのよね。
横須賀で運動している人はもちろん、全国の「ちょっと変わってる人達」にも読んで欲しい一冊です。
ちょっとだけ清い心が取り戻せますよ。
●横須賀鎮守府、3人の反戦水兵の「生き様」が問いかけるものは…。
A4・100ページ・200円
注文先は、下記(だと思う)。
非核市民宣言運動・ヨコスカ/ヨコスカ平和船団
横須賀市本町3-14山本ビル2F
tel/fax046-825-0157
市民宣言HPhttp://itsuharu-world.la.coocan.jp/
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