澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

本郷湯島の皆様、少しだけ耳をお貸しください。都知事選が終わりました。残念な開票結果でしたが、それだけではない終始釈然としない、モヤモヤとしたヘンな印象が拭えない後味の悪い選挙でした。

(2024年7月12日)
 これまで経験したことのない、いくつものヘンなことが重なったヘンな選挙。日本の民度の低下を見せつけられるような、民主主義の衰退を確認しなければならないような不快感がまとわりついたヘンな選挙。本当にこれが選挙と呼べるものなのでしょうか。

 ヘンな選挙でしたから、当選したのはヘンな人。次点になった人まで、とてつもないヘンな人。真っ当な候補者は3番手に沈みました。「ハテ?」「なぜ?」と、問わずにはおられません。

 それでも、選挙は選挙。開票結果は厳粛に受けとめざるを得ません。トランプのように、「選挙結果は間違っている。都庁を襲撃せよ」などと言ってはなりません。300万に近い東京都の有権者が、稀代のウソつきの都知事三選を容認しました。これが今回投票に表れた、取りあえずの都民の民意です。あと4年、都民は「ウソつき知事」で我慢しなければなりません。4年の我慢…。なんとも長い期間ですが。

 本来、選挙とは、有権者の民意を問うべきもの。候補者間の政策論争がなくてはなりません。そのための主要候補者の討論会。これまでの都知事選では、当然のこととしてNHKや民放のテレビ討論会が行われてきました。しかし、今回は一度も実現しなかった。ネットでの討論会がたった一度ありましたが、極めて不十分。消化不良が否めません。

 なぜ、討論会が実現しなかったか。ウソつき百合子が論戦を不利と見て、逃げたからです。こんな人物を是として、多数の都民が投票しました。なぜ? 民主主義衰弱の病根は根が深いと思わざるを得ません。

 バイデンは不利を承知で論戦に臨みました。論戦を逃げなかった。それだけで、民主主義国のリーダーとしての資質を認めなければなりません。が、ウソつき百合子は論戦を逃げまくり、逃げ通しました。

 ウソつき百合子が論戦を不利と見て逃げた最大の原因は、学歴詐称問題です。学歴など取りに足りない問題です。しかし、ことさらのウソは大きな問題です。彼女は、小さなウソを隠すために、ウソを重ねてきました。ウソで塗り固められた哀しい人生。ですが、そのウソは、彼女一人の哀れだけにとどまらない、大きな影響を及ぼすものとなっています。

 いまや、彼女のカイロ大学卒業という看板を真実と信じる人が存在するとは思えません。それでも、討論の場で公然と学歴詐称を論じられることには耐えられなかったのでしょう。学歴詐称を誤魔化す工作のために、エジプト軍事政権に大きな借りを作り、その国と政権に操られる存在になっているとの指摘を避けたかったのです。

 こうしてウソつき百合子は論戦を避けて逃げ切り、三度目の知事戦に当選しました。8年前は、自民党を攻撃して民意を掠めとり、今回は表立たないように自民党の応援を受けてのことです。「勝てば官軍」です。「選挙に勝てば、ウソつきも知事」なのです。

 しかし、選挙によって百合子のウソが真実に変わったわけではありません。神宮外苑間の再開発も、築地市場跡地も、五輪選手村も、三井不動産ファーストも、電通との腐れ縁も、関連企業への天下りも、在日ヘイトの体質も、歴史修正主義も、議会での答弁拒否の姿勢も、何もかも旧態依然のまま。

 このウソつき百合子に対する制裁の一つは、刑事告発です。公選法235条の虚偽事項公表罪は最高刑禁錮2年。有罪になれば、公民権停止となって知事の資格を失います。しかし、民主主義の本道は広範な世論の声を糾合して、ウソつき百合子を政治的に追い詰めること。

 「あと4年は、ウソつき知事で我慢」は、決して「4年間は知事のなすがままににお任せ」と同義ではありません。ウソつき知事を監視し、批判し、批判の声を挙げ、行動すること。それこそが民主主義の下での有権者のあり方です。

 情報を集め、真偽を判断し、そして「ウソつきは我が国の首都の知事にふさわしくない」「退陣せよ」との声を上げ続けましょう。その声を糾合しましょう。民主主義のために。地方自治のために。私たちの住む東京のために。

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