澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

「あせるあべあきらめきれないあさましさ それにつけても憲法改正」

一昨日(10月4日)、臨時国会冒頭の首相所信表明演説。これには驚いた。安倍晋三が臆面もなく、金子みすずを引用したことにである。みすゞファンには、さぞや衝撃の災厄であろう。

世の中には、釣り合いというものがある。梅に鶯、竹には雀、月には雲居、スッポンに泥水ではないか。安倍晋三には旭日旗がお似合いだろう。あるいはハーケンクロイツか。同じ山口県でも、金子みすずはこの上なく不釣り合い。

誰が原稿書いたやら、安倍はこう言ったのだ。

「みんなちがって、みんないい」 新しい時代の日本に求められるのは、多様性であります。みんなが横並び、画一的な社会システムの在り方を、根本から見直していく必要があります。多様性を認め合い、全ての人がその個性を活かすことができる。

「みんなちがって、みんないい」は、みすゞの『私と小鳥と鈴と』の中のよく知られたフレーズだが、「ウソとごまかし」の安倍晋三に引用されたことによって、この詩のイメージは汚された。これを再び清浄化することは、河清百年を待たねばならない。

安倍の引用で、みすずの詩は、こんなイメージになってしまったか。

私が両手を広げても、
青いお空は横を向く。
私が身体をゆすっても、
身から出る錆落ちるだけ。
だれも仲良くしてくれぬ。

私が声を張り上げて、
これは「TAG」と言ったけど、
気遣い無用とドナルドは、
「FTA」だと言っちゃうの。

「せめて2島」と言ったのに、
ゼロ回答とはこれいかに。
私の面目丸つぶれ。
ほんにつれないプーチンさん。

いつの間にやら大国に
なってしまった中国の
タメ口きけない習近平
出るは溜息ばかりなの

なんの手立てもないままに
ちっとも進まぬ拉致問題
どうして忖度してくれぬ
お恨みしますぞ金正恩

忖度お上手萩生田さん
赤坂自民亭には西村さん
メッキのはがれた進次郎
口をへの字の麻生さん

トランプ、プーチン、習と金。
私を加えて5人組み。
国の中にもいろいろで、
みんなちがって、みんなダメ。

所信表明で、安倍はこうも言っている。

「本年5月、天皇陛下が御即位されました。即位礼正殿の儀をはじめとする各式典がつつがなく、国民がこぞって寿(ことほ)ぐ中で行われるよう、内閣を挙げて準備を進めてまいります。」

えっ?  国民がこぞってことほぐよう準備って? そりゃいったい何だ。けっしてことほがないと決めている私にも、ことほげとおっしゃるのか。それじゃ、「みんなちがって、みんなよい」ではない。多様性尊重は、やはりお得意のウソか、ゴマカシか。

どうせ安倍の言うことだ。中身は,ありきたりのタワゴトとうかうか聞いていると突然おかしいことになる。かならず、最後がこうなのだ。

「令和の時代の新しい国創りを、皆さん、共に、進めていこうではありませんか。
 その道しるべは、憲法です。令和の時代に、日本がどのような国を目指すのか。その理想を議論すべき場こそ、憲法調査会(ママ)ではないでしょうか。私たち国会議員が200回に及ぶその歴史の上に、しっかりと議論していく。皆さん、国民への責任を果たそうではありませんか。」

「令和の時代の新しい国創り」という無内容な話が、突然に改憲問題となる。安倍の話は、最後が「それにつけても憲法改正」なのだ。

「みんなちがってみんないい それにつけても憲法改正」
「多様性尊重社会を作りたい それにつけても憲法改正」
「元号が令和に変わった新時代 それにつけても憲法改正」
「忖度とウソとゴマカシ安倍政権 それにつけても憲法改正」
「国民よこぞって寿げ代替わり それにつけても憲法改正」
「無理にでも創るぞ一億総活躍社会 それにつけても憲法改正」
「こりゃたいへん社会の少子高齢化 それにつけても憲法改正」
「一強が何とか乗り切るモリとカケ それにつけても憲法改正」
「外交は八方ふさがり成果ゼロ それにつけても憲法改正」
「がんばるぞあきらめないぞ原発は それにつけても憲法改正」
「今度こそ必ず開くぞ憲法審査会 それにつけても憲法改正」
「犬が西むきゃ尾は東 それにつけても憲法改正」
「春夏秋冬朝昼晩月月火水木金金 それにつけても憲法改正」

(2019年10月6日)

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