澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

みんなの「修正合意」は自爆テロに等しい

今、野党は全部「特定秘密保護法」反対ですよ。実は自民党も、本当の腹を明かせば賛否半々だと思いますよ。総理が廃案言い出せば、楯突く議員はほんの一握り。安倍さんが方針を決めれば、推進派のマスコミの方も方針が変わる。安倍総理として国民から与えられた権力を、正しくあるべき姿に使う、こんな機会はない。殆どの国民も「特定秘密保護法反対」で協力出来る体制なんですよ。みんな万歳じゃないですか。こんな運のいい総理はいないと思いますよ。結局は、総理の判断力、洞察力の問題だと思いますけれども、そういう方向に行ってほしいと思う。

「特定秘密保護法は廃案」という方針を政治が出せば、必ず知恵ある人が、そのことを前提にして、日米関係の維持にいい案を作ってくれる。専門家の知恵を借り、その結論を尊重して進めていくべきだ。これからの日本において、「安全保障にかかわる問題はすべて秘密」と言って済むと思う方が楽観的で無責任過ぎる。

安倍晋三首相が決断すれば特定秘密保護法は廃案にできる。首相の力は絶大だから、首相が「廃案にしよう」と言えば、みんな反対はできない。政治的にはできるだけ早く、特定秘密保護法廃案という方向を明確に出した方がいい。こんな恵まれた時期はない。ピンチをチャンスに変える権力を首相は持っている。この環境を生かさないのはもったいない。分かってほしい。

その時期としては「即廃案」がいいと思う。時期を遅くして、国民の信頼を獲得する目はない。時期を失すれば、また「右翼で軍国主義者の安倍があがいている」なんて印象を悪くするだけだから。

大騒ぎしての廃案だが、国民みんなして、民主々義や知る権利の大切さを確認するというチャンスを天が与えてくれたと思えばよい。みんなで、この道を進まなければいけない時だ。

18日の夜。ここまで書いて、どうも事情が変わっているようすに気がついた。
自・公と、「みんな」が実務担当レベルでは修正協議に合意という報道がなされている。「野党はみんな反対ですよ」ではなく、自公に尻尾を振って擦り寄る政党が現れたのだ。どうも、にわかには信じがたい。「みんな」という政党は、メディアの論調を把握しているのだろうか。反対世論の急速な盛り上がりを無視しているのだろうか。野中氏や古賀氏のような、保守の長老も問題点を指摘して憂慮していることをどう考えているのだろうか。

みんな案の眼目は、「閣僚らが特定秘密を指定する時は首相の同意を義務づけること」だという。憲法65条は「行政権は内閣に属する」としているのだから、特定秘密保護法案における「行政機関の長の特定秘密指定」が、首相の同意に反してなされるはずはない。また、「指定は閣僚が行う」と言い、「首相が同意する」と言っても、実務は官僚に任されることは目に見えている。与党案だという「個々の指定・解除も首相が指揮監督し、必要な際は資料の提出を求める」も、厖大な数(当初は40万件)の特定秘密指定も解除も、所詮は官僚の手の内。「実際の業務を各省庁が担う実態はほとんど変わらない」と報じられているとおりだ。「みんな」は、自・公に恩を売るチャンスを狙っていたのだろう。ほんの少しの、名目だけに過ぎない「改善」案と引き換えに、法案成立推進派への仲間入りを果たそうというのだ。

これしきのことで、特定秘密保護法が成立に至るとは思えない。「みんな」だって、みんながみんな修正案に賛成というわけではなかろう。ただ、確実に言えることは、これで「みんな」の自民党補完勢力としての正体が露わになったこと。「第3極」とは、「半自民」「ミニ自民」「亜流自民」「自民の外から自民に尻尾を振る立ち場」のこと。もし、「みんな」が正式に、この修正案で自・公に手を貸して法案成立促進の側にまわるのなら、国民から厳しい批判に晒される。これは、自爆テロに等しい愚挙と言わねばならない。民主々義と平和を標的にしたテロ行為、そして自らを亡ぼすことにならざるを得ない自爆行為と知るべきだ。
(2013年11月18日)

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