澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

日本国憲法と民主々義と日民協の発展のためにカンパーイ!

皆さま、日本民主法律家協会第55回定時総会にご参集いただきありがとうございます。恒例の懇親会の冒頭、乾杯の発声の前に若干のお話しをさせていただきます。

参院選の結果が出た直後、そして都知事選が始まった時点での総会となりました。右往左往の状況ですが、本日の総会の討議と広渡清吾さんの記念講演「安倍政権へのオルタナティブー個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指す」とで、何が起こっているのか、何をなすべきか、整理ができてきたのではないかと思います。

この間、「アベ政治を許さない」「立憲主義・民主主義・平和を守れ」という大きな市民の声が巻きおこり、学者も弁護士もそれなりの役割を果たしてきました。とりわけ昨年(2015年)9月「戦争法案」強行採決の直後に立ち上げられた、「戦争法廃止を求める市民連合」の役割には大きなものがありました。日本民主法律家協会も改憲問題対策法律家6団体の中核にあって、野党共闘の成立に力を尽くしてきました。

もっとも、参院選の結果は、重大なものとして受け止めなければなりません。衆院だけでなく、参院でも憲法改正発議に必要な3分の2の議席を改憲派に与えることとなってしまった。このことは率直に衝撃と言わざるを得ません。

かつては、国会の中に日本社会党を中心に堅固な「3分の1の壁」が築かれていました。憲法改正発議などは許さない。そんな国会情勢は、今や忘却のかなたの古きよき時代の語りぐさ。

改憲問題だけを思うと、こんなふうに愚痴が出ます。

 ながらへばまたこの頃やしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき

あの頃だって、政権に文句を言いたいことはうんとあった。でも、今にして思えば随分とマシな保守政権だったではないか。アベ政権のような、ごりごりの改憲姿勢や好戦性はもっていなかった。情勢はどんどんひどくなっていく。もしや、もう少し経って今日を振り返ると「あの頃はまだマシだった」なんて思うことにならないだろうか。

一昔前には、保守政治家の典型だった小澤一郎が、今や護憲勢力の一員なのですから、いつの間にか政治の重心が大きく右にぶれてしまったのでしょう。ここ数年そのように思い続けていましたが、ようやく希望の灯を見るに至りました。それが、市民の後押しによる4野党共闘です。これこそが、パンドラが開けた箱に残っていた希望というべきもの。

この共闘のでき方について広渡さんに詳しく語っていただきましたが、会場からの質問に対する回答の中での、次のご指摘が印象に残りました。

「安倍政権を追い詰めた市民と野党の共同運動は、九条の解釈においては『専守防衛論』でまとまってのものでした。ここで幅広い勢力の意見の統一ができたものです。しかし、私は、この運動に結集した人びとの多くが『自衛隊違憲論』であったと思っています。むしろ、『自衛隊違憲論』派が運動の中心にいて、この人たちの確信を持った運動あればこそ、そのまわりに『専守防衛論』派の人びとの広がりができたものと言うべきだと思います」

意見の違いはあっても、闘う相手を見きわめて、共闘によって味方を大きくする努力の枠組みができてきたことを心強く思います。この枠組みは、参院選地方区の東北6県では、5勝1敗の大成功を収めました。象徴的に特別の意味をもつ沖縄と福島では、いずれも現職大臣を落としての勝利を勝ち取っています。

これが希望の灯。この希望の灯を絶やしてはならないと思います。いま、この灯は都知事選に受け継がれました。鳥越候補支援の声は急速に拡がりつつあります。本日の特別アピールのタイトル「市民と野党の共闘を支援し、改憲勢力3分の2の危機を乗り切り、東京都知事選での勝利で日本を変えよう」は、今日の総会に集まった人たちの気持ちを的確に反映するものとなっています。

このアピールは、参院選を「市民と野党の共闘」の第1回のチャレンジとしています。もちろん第2回目が「33年ぶりの都知事選での野党統一候補」を生みだした都知事選。さらに、3回目総選挙に続けなければなりません。小選挙区の選挙で、立憲派と壊憲派の一騎打ちが実現すれば、日本が変わるチャンスです。

そのような展望を見据えて、日民協は改憲阻止を標榜する法律家団体として、可能な限りその役割を果たしていくことの決意をかためましょう。それでは、ご唱和をお願いします。

日本国憲法と民主々義と、そして日民協の発展のために、カンパーイ!
(2016年7月17日)

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