澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

本郷三丁目をご通行のみなさま、ご近所のみなさま、「本郷湯島9条の会」です。

(2022年1月11日)
 2022年初めての街宣行動は冷雨の中でのこととなった。用意した、「9条改憲反対」署名用紙をひろげることができない。結局手作りのプラスターが主役となって、傘を差して歩く通行人の目を惹いた。

 ★人類の理想 戦争放棄の9条。
 ★敵基地攻撃能力、憲法違反。
 ★戦争できる国 9条改憲 ストップ。
 ★穏やかな声、優しそうな顔で平和憲法を壊してゆく岸田文雄首相。
 ★6兆円こえる軍事費、いつの間にか戦争する国に。

 通行人がプラスターを横目で見ていく。子どもたちが興味津々で文字を読む。中には、「写真を撮らせていただけますか」と立派なカメラを向ける女性も。そして、「ご苦労様、ガンバってくださいねー」という威勢のよい男性の掛け声。「9条守れ」「平和を守れ」の訴えには、それなりの手応えがある。

 マイクで語られたのは、「敵基地攻撃能力保有論」「緊急事態条項」の危険性。一見ハトに見える岸田文雄のタカの振る舞い。そして、あらためて「人類の理想9条を守ろう」という訴え。

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 あらためて訴えます。憲法9条は、再び戦争はしない、戦争をしない保障として軍備をもたない、と決めています。これは、日本の世界に向けた約束でもありますが、それだけのものではありません。

 憲法9条は人類の理想です。世界に先駆けて、日本は平和の理想を実定憲法に書き込んだのです。ですから、憲法9条は世界の宝でもあるのです。私たちは、この人類の理想、世界の宝を守り抜いて、やがては、世界に拡げなければならないと思います。

 「平和のためには武器を持たない」という9条の精神の対極に、「自国の平和を保つためには軍事力を持たねばならない」という考え方があります。その軍事力は大きければ大きいほど、強ければ強いほど、自国は平和で国民は安心していられる。周辺国に負けない軍事力があってこそ平和の維持が可能だというのです。

 この考え方ですと、隣り合う国は、際限なく相手国よりも強大な軍事力を持とうという競争を続けざるを得ません。平和のための軍事力拡大競争という矛盾に陥ってしまいます。現に、そのようにして日本は一度、戦争を引き起こし、国を滅ぼしました。9条はその手痛い経験から生まれたものです。

 「敵基地攻撃能力保有論」は、究極の挑発行為です。日本がそのような立場をとれば、日本の仮想敵国と想定された隣国は、日本からの攻撃に備えた防備を増強するでしょうし、反撃の能力を誇示することにもなるでしょう。そうすれば、日本の軍事力はさらに一層の強化をしなければならなくなります。相互不信ある限り、お互いに、馬鹿げたことを積み上げなくてはならなくなります。

 1月7日におこなわれた日米両政府の「外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会」、いわゆる「2プラス2」では、日本政府が「敵基地攻撃能力保有論」の検討をアメリカ側に約束したと伝えられています。

 これは危険なことです。戦争の気運を促すことにもなりかねません。こんなことは即やめさせなければなりません。そのための世論の力を積み上げましょう。ご協力をお願いいたします。

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