澤藤統一郎の憲法日記

改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています。

コロナ風強く吹く、本郷三丁目交差点での訴え。

ご近所のみなさま、ご通行中の皆さま。こちらは本郷湯島九条の会です。日本国憲法とその理念をこよなく大切なものと考え、毎月第2火曜日の昼休み時間を定例の街頭宣伝活動の日と定めて、ここ本郷三丁目交差点の「かねやす」前で、雨にもまけず風にも負けず、ささやかな訴えを続けています。

本日は、天気晴朗ですが、コロナ風が強く吹く中の訴えとなりました。緊急事態と言われる今だからこそ、国民の声が封じ込められるようなことがあってはならない。このようなときにこそ、大切な表現の自由を錆び付かせてはならない。そのような思いからの、宣伝活動です。

もっとも、本日は、私たちからご通行中の皆様に、署名を求めたり、ビラの配布のために近づいたりはいたしません。基本的には、スタンディングのスタイルで訴えます。横断幕や、スローガンを書いたポスターをご覧ください。そして、昼休みの限られた時間、マイクでの訴えに耳をお貸しください。

今、私たちは新型コロナウィルス感染拡大の脅威にさらされています。たいへん恐ろしい事態。このときだからこそ、二つのことを訴えたいと思います。

一つは、この感染症の脅威をどう乗り切るべきかです。政権や都政にお任せして安心ではないことは、国民の誰もが肌で感じているところです。私たちは、なんのために国を作って、なんのために税金を支払っているのか。今のままでは、無能な政権に何もかも犠牲にされてしまいそうではありませんか。

とりわけ、政府は、「人的接触の機会を8割減らせ。そのために、経済活動は自粛せよ。家に閉じこもれ」と言っています。この言のとおりにしたら、国民の多くは餓死しかねません。みんなが、家にこもり犬を抱いてコーヒーを飲んでおられる余裕はないのです。

自粛の要請には補償が必要だ、と大きな声を上げなければなりません。この危機的状況を弱い立場にある者の犠牲で乗り切ろうというたくらみは許されません。コロナ禍の対策に、店を閉じなければならず、あるいは通勤もしてはならないとなれば、休業による減収も、賃金のカットも、補償してもらわねばなりません。経済的な補償がなければ、休業できるはずはありません。

この期に及んで、財源がないとは言わせません。国の財政も、東京都の財政も、すべてわれわれの懐から出たものではありませんか。国や都の財政を傾けても、必要な金は出さなければなりません。その補填は、国民がこの危機を乗り切ったあとに考えればよいことです。

「この非常時だ、国を信頼して思いきったことをやらせるべきだ」という声もあります。しかし、それは明らかに間違っています。権力には常に批判が必要です。このようなときにお上にお任せしていては、徹底した弱者の切り捨てが行われます。しかも、安倍晋三政権です。政治と行政を私物化し、ウソとごまかしに明け暮れ、散々に公文書を隠し改竄してきた、薄汚い政権ではありませんか。こんな政権を信頼してお任せできるはずはありません。

そして、小池知事です。オリンピック開催に熱心な時には、コロナを問題にもしなかった。オリンピック開催の来年への延期が決まった途端に、東京は危ないと言い始めた。本当に、それまで「コロナによる東京の危機」はなかったのでしょうか。オリンピック実施のためにコロナの危機の情報を押さえたということではないのでしょうか。オリンピック延期となったら、今度はコロナ感染の危機を叫んで、自分を目立つ場におき、事実上の選挙運動をしている。そのようにしか見えません。こういう飽くまでも自分ファーストの政治家を信頼できるはずはない、いや警戒しなくてはなりません。

もう一つ、訴えたいことは、このどさくさに紛れて火事場泥棒的な憲法改正を許してはならないということです。

憲法改正は、国民みんなが理性的な議論を経て、慎重に自分たちの未来を決めるプロセスです。今、憲法改正の議論ができるような環境ではありません。新型コロナウィルス感染症の蔓延を克服するためにこそ、議論を重ねなければならないとき。社会不安を利用して、どさくさ紛れの改憲策動を許してはなりません。

そのことを心から皆様に訴えます。ご静聴ありがとうございました。(澤藤)

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改定新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されて初の「本郷・湯島九条の会」の昼街宣になりました。

12名の方々が参加し、風の強い蒼天のもと元気よく活動を展開しました。特殊な事情に鑑み、フライヤーは配らず、署名もせず、横断幕をみんなでもち、手書きのプラスターをそれぞれがもち訴えました。

新型コロナウイルス感染症COVID-19で国民に自粛・休業を要請するのであれば補償を完全におこなえと。さらに世界中でコロナとたたかっているさなか、国家緊急権を内容とした緊急事態条項を憲法に書き込もうと画策する安倍政権を告発しました。

強風のなか、みなさまほんとうにご苦労さまでした。コロナや安倍政権に何としても打ち勝ち、新生日本をつくり、世界平和の発進駅にする新しい政権をわたしたち自身の手で作ろうではありませんか。

(湯島本郷9条の会世話人 石井彰)

(2020年4月14日)

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Published in 火曜日, 4月 14th, 2020, at 20:30, and filed under コロナ.

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