「思想新聞」主張に見る、勝共連合と安倍晋三との親密さ。
(2022年8月23日)
これまで、統一教会や勝共連合のホームページに何の関心ももたなかった。が、今は若干の関心がある。生前の安倍晋三や自民党とのつながりがどうだったのか、安倍国葬にどんな見解をもっているのか、そして、世を挙げての統一教会バッシングをどう考えているのかを知りたいからである。
統一教会のホームページでは、次の記事(2022年8月21日付)が目にとまった。
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報道機関各位
世界平和統一家庭連合広報部
【異常な過熱報道に対する注意喚起】
現在、民放のワイドショーや報道番組、新聞・週刊誌記事を中心として、世界平和統一家庭連合(以下、当法人)および友好団体等に対する異常ともいえる過熱報道が続いております。
(中略)
今後は、事実に反する報道や不当に当法人等を貶める報道に対しては、法的手段を講じて厳重に対処させていただく所存です。
以上
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そして、勝共連合のホームページには、2022.07.28付「思想新聞」(機関紙)の主張が掲載されている。「我々は『勝共』の使命を貫徹する」という、悲壮感漂う記事。勝共連合自らが安倍晋三との親密さを表白するものとして紹介に値する。以下はその抜粋、但し括弧内は私の註である。
安倍晋三元首相が銃弾に倒れた。令和4年7月8日、そのニュースが飛び込んでくると、ひたすら無事を祈ったが、安倍元首相は還らぬ人となった。遺憾にも凶悪犯は本連合の友好団体に恨みを持つ者で、その矛先を安倍元首相に向けたと報じられている。痛恨の極みである。安倍元首相は日本のみならず世界の「羅針盤」であった。その安倍元首相を失うことは世界史的損失である(勝共的な歴史観からは、安倍晋三とはかくも偉大で、その死を惜しむに値する人物なのだ)。心から哀悼の意を捧げたい。
今事件で本連合についてもメディアでさまざまな情報が飛び交っている。中には共産主義勢力による悪意に満ちた偽情報が少なからずある。改めて本連合の設立目的を明記しておきたい
本連合は政治資金規制法に基づく政治団体である(法の名称が間違い。「政治資金規正法」が正しい。こういう明らかな間違いは、少々恥ずかしい)。主義・主張は「勝共」すなわち「共産主義から人類を解放する」である。共産主義の解放に向けた思想啓蒙を主な使命としている。1968年に世界的宗教指導者の文鮮明師の提唱で笹川良一氏を名誉総裁、久保木修己氏を会長に創立された。共産主義と戦う全ての人と連帯
共産主義は大学界、マスコミ界、労働界など各界に浸透し「70年安保決戦」を呼号していた。本連合は学生・青年会員を中心に、「共産主義は間違っている」と、大学内、街頭において果敢に思想戦を展開し、共産主義の正体を暴いた。爾来、共産党は「狂信とデマの勝共連合」と中傷し続けている。今日に至るまで我々は一貫して彼らの誤謬を知らしめており、それゆえに共産主義勢力から攻撃を受けるのは宿命と考える。(自らの積極的な理想や理念は語らない。ただひたすらに、「共産主義は間違っている」というだけの「主義・主張」。虚しくないのだろうか。)自民党は立党宣言において「議会政治の大道を歩み、暴力と破壊、革命と独裁を政治手段とするすべての勢力または思想を排撃し、個人の自由と人格の尊厳を社会秩序の基本条件となす」と唱っている。野党では民社党(当時)が「左右の全体主義と戦う」とし、主に労働界で共産主義と戦ってきた。愛国団体・有志もまた然りである。(自分の仲間は、自民党・野党右派・右翼だという。今なら、自民・維新・国民というあたりか)
こうした人士と連帯・連携して戦うのは当然のことである。本連合と関わる国会議員や有識者に対して非難中傷する向きがあるが、それこそ共産主義の分断工作と言わねばならない。(産経も読売も日本テレビまでもが、「共産主義の分断工作」に加担しているというわけだ)
本連合は創設以来、運動方針に「憲法改正を実現しよう」を掲げている。70年代に岸信介元首相は自民党立党の原点である自主憲法制定へ全国的な啓蒙運動を展開されていた。共産主義勢力は中国共産党やソ連の意図を汲み日本弱体化を狙って護憲を唱えた。改憲は戦後日本の悲願であり、それなくして真の独立国たり得ない。本連合は同運動に参画し今日に至る。(改憲願望こそが、自民党と統一教会・勝共連合とを結ぶ、切るに切れない赤い糸なのだ)
未曽有の危機に備える国民運動
89年11月に「ベルリンの壁」が崩壊し、東欧は共産主義の呪縛から脱し、91年にはソ連邦が解体し東西冷戦が終焉した。それに代わって今日、共産中国が台頭し台湾のみならずわが国への軍事侵攻を虎視眈々と狙っている。北朝鮮の核・ミサイル脅威も迫る。ウクライナ軍事侵攻のロシアも日本列島への野望を高める。未曽有の危機である。(自民党の現状認識と瓜二つ)これに対して本連合は「防衛力強化、スパイ防止法制定などを通して我が国の安全保障体制を確立する」を運動方針に掲げ、国民運動に取り組んでいる。国内では文化共産主義勢力が国家の基盤たる家庭や伝統、文化を破壊しようと策動している。同性婚合法化や行き過ぎた「LGBT」人権運動はその一端である。本連合はそれらに歯止めを掛け、「正しい結婚観・家族観」を求めている。(反共とは、「文化共産主義」への反対も含む。要するに、「なんでも共産主義のせい」「あれもこれも共産党が悪い」という珍説。)
こうした勝共国民運動が安倍元首相の希求した「日本を取り戻す」の一助になれば幸甚である。我々は勝共の使命を貫徹する決意を安倍元首相の御霊前に捧げる。
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記事に説得力は乏しいが、安倍晋三に対する敬意や、親近感や、弔意は伝わってくる。もしかしたら、勝共の諸君は、安倍晋三に対する宗教的な尊崇や畏敬の念を抱いていたのではないだろうか。そんなことを感じさせるほど、安倍晋三と勝共とは親密であったのだ。