「憲法を闇に押し込んだ壊憲記念日」 ― 総選挙の争点(その4)
今日は、特定秘密保護法成立からちょうど1年。7月1日と並ぶ壊憲記念日である。
「憲法の輝く理念は闇の中 だから12月6日も壊憲記念日」
安倍内閣が存続すれば壊憲記念日が増え続けることになる。なんとかこれを阻止しなければならないと思う。
昨年の今日付の私のブログを読み直してみた。さすがにボルテージが高い。一節だけ引用しておきたい。
「今日も道行く人々にマイクで語りかけた。反応は様々。街宣活動参加者の怒りのボルテージと、道行く人の醒めた日常の心境とには明らかに隔たりがある。その温度差は当然といえば当然なのだが、昨日の特別委員会強行採決への怒りが治まらない。自ずからマイクの声にもトゲが混じる。
ご通行中の皆様、私たちは今参議院で審議中の特定秘密保護法案の廃案を求める宣伝活動を行っています。昨日の特別委員会強行採決には怒りを禁じ得ません。ぜひ、ビラをお読みください。皆さん、『自分には関係ない』とおっしゃっても、この法案の方は、あなたは無関係と放っておいてはくれません。この法案が通れば、必ず、あなたの権利や自由に影響が及ぶことになります。少なくとも、確実にジャーナリズムは萎縮する。私たちは知る権利を害される。それだけではありません。昔、軍機保護法という法律がありました。陸海軍大臣が思いのとおりに、軍事秘密を指定します。すると、飛行場も、港湾も、気象も、地震も、空襲の被害も一切秘密になる。写真も禁止、スケッチも禁止、喋ってもならない。うっかり喋るとスパイにされたのです。気象が軍事秘密でしたから、天気予報はなくなります。台風の予報もされなくなる。戦時中は、そのような時代でした。特定秘密保護法はこれと同じ構造の法律です。『大本営発表の時代』が到来しかねません。
今日は平和なようですが、この平和がいったいいつまで続くことになるか。私たちが、大事なことを他人任せ、安倍晋三任せにしてしまうと、『こんなはずではなかった。あのとききちんと反対しておけばよかった』となりかねません。今ならまだ、声を出せます。反対の声をあげられる。皆さん、ぜひ、特定秘密保護法に反対を…」
ところで、昨年の今ごろは1年先に解散総選挙があるなどとはつゆほども思わなかった。仮に総選挙間近という状況であれば、さすがの安倍内閣もこれほどの悪評を招く法律を、これほどのゴリ押しはできなかったろう。その選挙が、今眼前にある。選挙でリベンジしたい。痛切にそう思う。
当然のことながら、特定秘密保護法も大きな選挙の争点である。しかし、これも当然のことながら政権は選挙の争点にはしたくない。
複数の報道では、菅義偉官房長官が解散直前の11月19日の記者会見で、「集団的自衛権の行使を容認するために憲法解釈を変更した7月の閣議決定や、2012年衆院選の自民党公約になかった特定秘密保護法の制定は衆院選の争点にならないとの考えを示した」という。また、「国民の知る権利を損なう恐れのある特定秘密保護法の制定は『いちいち、一つ一つについて信を問うことではない』と述べた」ともいう。何を争点にするかは国民が決めること、国民の審判を仰ごうとする政権の態度ではない。安倍政権の傲りがよく表れている。
昨年の今ころ、「国民の知る権利を奪う特定秘密保護法」「ジャーナリズムを萎縮させ、国民の目、耳、口をふさぐ秘密保護法」というキャッチフレーズは、広範な国民の共感を得るところとなった。私は、この法律を、「国民は政府が許容した範囲の情報だけに接しておればよいとするコンセプトでできたもの」「それは、政権を信頼せよ。外交や防衛の問題は政府を信頼して任せておけば良い、という思想に基づくもの」と批判した。このまま推移すれば「国民の目、耳、口をふさぐ秘密保護法」今月10日に施行日を迎える。特定秘密の件数は政府全体で46万件前後となる見通し(共同)で、平和の維持や表現の自由という憲法の理念が、秘密の闇に沈み込むことになる。
憲法の輝く理念を特定秘密保護法の闇の中から救出しよう。それこそが、壊憲記念日の決意。その具体的手段は12月14日総選挙の各自の一票で、安倍自民党に大きな打撃を与えることである。一年前を思い起こして主権者としての心意気を示そうではないか。
(2014年12月6日)