「公表された議事録作成の経緯の検証と当該議事録の撤回を」ー賛同署名と拡散のお願い
2015年10月17日
「公表された議事録作成の経緯の検証と当該議事録の撤回を求める申し入れ」への賛同署名のお願い
10月11日に参議院のホームページに、9月17日に開催された安保特別委委員会の議事録が公表され、安保関連法案等をいずれも可決すべきものと決定した、との文言が速記録に追加されました。また、〔参照〕として、横浜地方公聴会速記録が追加されました。
私たちは去る9月25日に3万2千余の賛同署名を添えて、山崎参議院議長と鴻池特別委委員長宛に「安保関連法案の採決不存在と法案審議の続行を求める申し入れ」を提出しましたが、そもそも存在しない安保関連法案の「採決」「可決」を後付けの議事録で存在したかのように偽るのは到底許されません。私たちは、このような姑息なやり方に強く抗議するとともに、山崎正昭・参議院議長、鴻池祥肇・参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」委員長ならびに中村剛・参議院事務総長宛に連名で、別紙のような「公表された議事録作成の経緯の検証と当該議事録の撤回を求める申し入れ」を提出することにしました。
つきましては、多くの国民の皆様に賛同の署名を呼びかけ、寄せられた署名簿をこの申し入れ書に添えることにしました。
具体的には、次のような方法で署名を呼びかけます。多くの皆様の賛同をお願いいたします。
1. ネット署名:次の署名フォームの所定欄に記入の上、発信下さい。
http://goo.gl/forms/B44OgjR2f2
賛同者の住所とメッセージを専用サイトに公開します。
https://bit.ly/1X82GIB
2. 第一次集約日 :10月27日(火)22時とします。
申し入れ者(賛同署名呼びかけ人)
池住義憲(元立教大学大学院特任教授)
浦田賢治(早稲田大学名誉教授)
小野塚知二(東京大学・経済学研究科・教授)
澤藤統一郎(弁護士)
清水雅彦(日本体育大学教授)
醍醐 聰(東京大学名誉教授)
藤田高景(村山首相談話を継承し発展させる会・理事長)
森 英樹(名古屋大学名誉教授)
連絡先 E・メールsaiketunai-1@yahoo.co.jp
電話:080?7814?9650
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2015年10月○日
参議院議長 山崎正昭様
参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」委員長 鴻池祥肇様
参議院事務総長 中村 剛様
公表された議事録作成の経緯の検証と当該議事録の撤回を求める申し入れ
(申入者後掲)
前略 10月11日に参議院のホームページに公表された、9月17日開催の「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」の議事録において、速記録にはなかった「右両案の質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した。なお、両案について附帯決議を行った。」という追記がなされ、〔参照〕として横浜地方公聴会速記録が掲載されました。報道によれば、こうした追記は鴻池委員長の判断でなされたとのことです。
これについて、4つの野党会派は14日、中村剛参議院事務総長に対し、こうした議事録が作成された経緯の検証と撤回を求める申し入れを行いました。
去る9月25日に3万2千余の賛同署名を添えて、山崎参議院議長と鴻池特別委委員長宛に「安保関連法案の採決不存在と法案審議の続行を求める申し入れ」を行った私たちは、そもそも存在しない安保関連法案の「採決」「可決」を後付けの議事録で存在したかのように取り繕う姑息なやり方に強く抗議します。
9月17日の委員会室は速記録で「議場騒然」「聴取不能」と記載されたような状況であり、テレビで実況中継を視聴した国民の圧倒的多数は「あれで採決、可決などあり得ない」と受け止めています。
今回の議事録に追加された「議事経過」には、次のような重大な偽り、あるいは採決の存在を議事録への追記で証明しようとする試みの道理のなさが露呈しています。
(1)5つの案件が採決されたと言われたにもかかわらず、委員長が1件ごとに、参議院規則第49条、第136、第137条に基づいて表決に付すと宣告した旨の記載、ならびに、委員長が起立者の多少を認定して表決の可否の結果を宣告した旨の記載が一切ありません。これでは「採決」「可決」は存在しないとする私たちの指摘を何ら反証したことになりません。
(2)公表された議事録で追加された「議事経過」の中に、「両案について附帯決議を行った」との記載があります。しかし、この案件については、上記と同様、参議院規則に基づいた表決の宣告も表決の結果の宣告も記されておらず、正規の議事録とはみなせません。
さらに、本附帯決議については、慣例となっている全委員への案文の事前配布はなく、特別委で決議案文が提案されたことを認知した委員がどれほどいたかすら疑わしいのが実態とされています。鴻池委員長の一存で、このような附帯決議が決せられたと議事録に書き加えるのは民主的議会運営の常識を蹂躙する暴挙以外の何物でもありません。
(3)末尾に〔参照〕として、横浜地方公聴会速記録が掲載されましたが、この速記録の内容が「採決」なるものに先立って特別委に報告された事実はありません。事実に反して、後付けで、〔参照〕などという標題を付けて地方公聴会の報告を鴻池委員長の独断で会議録に追加するのも暴挙というほかありません。
(4)公表された「議事経過」の追記は鴻池委員長の判断と指示でなされたと報道されていますが、委員長といえども、事実を無視し、参議院規則に反する議事進行を議事録に書き込むことを指示する権限はありません。
以上から、私たちは貴職に対し、次のことを申し入れます。
1.今回、公表された議事録の追記が作成された経緯(誰の、いかなる指示・判断で
作成されたものか)を厳密に検証し、その結果を公表すること。
2.事実に背き、参議院規則にも反する議事進行を正当化しようとするまやかしの議事録を撤回すること。
3.安保関連法案の採決・可決の不存在を直ちに認め、法案の取り扱いを至急、協議するよう、各党会派に諮ること。私たちは法案の段階に立ち返って言えば、違憲の法案を廃案とするよう、求めます。
申し入れ者
○○○○ (所属)
○○○○ (所属)
・・・・・・
以上
(2015年10月17日・連続930回)