本日「浜の一揆衆」100人が盛岡地裁に提訴
「浜の一揆」提訴決起集会にご参集の皆さまにご報告申し上げます。
先ほど、盛岡地裁に「浜の一揆」訴訟の訴状を提出して受理されました。事件番号は、盛岡地裁平成27年(行ウ)第9号です。いよいよ、訴訟が始まります。その内容をご説明し、原告の皆さまの主張の正当性に確信を持っていただきたいと思います。
本日の提訴の原告は、三陸沿岸の漁民100人。岩手県を被告とする行政訴訟です。裁判所では、この裁判を「サケ刺し網漁不許可取消・許可義務付請求事件」と呼びますが、これでは舌を噛みかねません。ぜひ、「浜の一揆訴訟」と呼んで、支援を広げていただきたいと思います。まぎれもなく、沿岸の漁民100人が、一揆の旗印を掲げ、権力に抗して起ち上がったのです。そのことに敬意を表します。
ご存じのとおり、サケこそ岩手県沿岸漁業の基幹魚種です。ところが、信じられないことに、岩手の一般漁民は沿岸のサケを獲ることができません。毎年2万トンを超すサケの水揚げは大規模な定置網業者に独占されている反面、一般漁民は最高刑懲役6か月の威嚇をもって、サケの捕獲を禁止されているのです。大規模な定置網業者とは、漁協と浜の有力者です。残念ながら漁協のサケの水揚げによる利益は必ずしも、漁民の利益に還元されません。
訴訟における請求の内容は、県知事の行った「サケ採捕申請不許可処分」の取消と、知事に対する「各漁民のサケ採捕申請許可」義務づけを求めるもの。小型漁船で零細な漁業を営む漁民に「サケを獲らせろ」という要求の実現を目指すものなのです。このことは、「漁民を保護して、漁業がなり立つ手立てを講じよ」という行政への批判と、「後継者が育つ漁業を」という切実な願いとを背景にするものです。
三陸の漁民は、予てから沿岸でサケの採捕を禁じられていることの不合理を不満とし、これまで岩手県水産行政に請願や陳情を重ねてきましたが何の進展もありませんでした。とりわけ、3・11の被災後はこの不合理を耐えがたいものと感じることとなり、法的手続に踏み切りました。
まず、岩手県知事宛に、「小型漁船による固定式刺し網漁のサケ採捕許可申請」をしました。2014年9月30日に第1次申請、11月4日に第2次申請、そして今年2015年1月30日に第3次申請です。これに対して、今年の6月12日に、すべて不許可決定となりました。申請をして不許可となった者102名です。
その全員が、知事のこの不許可処分を不服として、農林水産大臣への審査請求に及びましたが、請求後3か月を経た今日農林水産大臣の裁決の見通しは明らかでなく、そのため予定のとおり、100人が原告となって本日の提訴に踏み切ったものです。
結局、「裁決を待たず審査請求3か月経過によって本日提訴した者が100名、訴訟提起を見合わせ審査請求に対する農林水産大臣の裁決を待つ者2名、と分かれたことになります。
本日の提訴において求める判決の内容は2点、
その第1点は、知事の100人に対するサケ漁獲申請不許可処分の取消請求、そしてもう1点は、知事に対する許可の義務づけ請求で、義務づける許可の内容は次のとおりです。
「年間10トンの漁獲量を上限とするサケの採捕を目的とする固定式刺網漁業許可申請について、申請のとおりの許可をせよ。」
本件の訴訟の争点は次のようなものになると思われます。
原告は、知事のした不許可処分を違法と主張しています。
まずは、手続的違法です。法は、行政処分には理由の付記を要求します。しかも、付記すべき理由とは形式的なものでは足りず、実質的な不許可の根拠を記載しなければなりません。しかし、本件不許可処分には、「内部の取扱方針でそう決めたから」というだけで、みごとなまでに実質的な理由が書かれていません。このことだけで、不許可処分は違法として取り消されなければなりません。
法は、許可申請あれば許可処分をすべきことを原則としていますが、許可障害事由ある場合にだけ不許可処分となります。?漁業調整の必要と、?水産資源の保護培養の必要の2点がサケ採捕の許可申請に対する障害事由として認められるか、これが問題となります。飽くまで、主張・立証の責任は岩手県側にあって、許可できない根拠を具体的に主張し挙証しなければならないのです。しかし、本件不許可処分にはそのような具体的な根拠を示すところはまったくありません。
原告らは、自主的に漁獲量の上限を年間10トンとして、許可を求めています。もしかしたら、被告(岩手県知事)は訴訟において、「水産資源の保護培養の必要から一般漁民に許可はできない、許可すればサケ資源は枯渇しかねない」などと言い出すかも知れません。しかし、10トン制限を付したサケ捕獲の許可が、「水産資源の保護培養」反するものであるか常識的にお考えいただきたい。各原告の年間漁獲量上限10トンは、全原告の総量として1000トンです。これは、各年の定置網漁による漁獲高20000トンのおよそ20分の1に過ぎません。元来、小規模な固定式刺し網漁は、定置網漁とは設置場所や深度、漁時の海水温などに差異があって、定置網漁と漁獲を競合するところは僅かなのですが、これに加えて漁獲量の自主的制限の設定は、水産資源保護にも定置網漁者の漁獲量の維持にも、およそ問題はないというべきことが明らかです。
しかも、三陸の漁民たちの運動として、IQ(漁獲量割当制度)あるいはITQ(譲渡性のあるIQ)の制度作りがあります。IQは、資源保護の立場からも、民主的で公平な資源配分の実現の観点からも、漁民間の競争ではなく協働への志向としても望ましい制度です。「漁獲量自主的10トン制限」は、まさに漁民のイニシャチブによるIQ(漁獲量割当制度)作りの第一歩と評価できるものと思います。
漁民が生計を維持し後継者を育成するために力を発揮すべきはずの行政が、実はまったく無為無策。これに代わる漁民側の具体的な提案として、10トンと制限を付した一般漁民のサケ漁許可の意味には大きいものがあるといわねばなりません。
さあ、本日一揆の旗が立ちました。押し出しが始まったのです。要求を貫徹するまで、自信をもってご一緒に闘い抜きましょう。
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「NHK包囲行動」第2弾が11月7日(土)実施されます!
NHK包囲行動『アベチャンネル』はゴメンだ! にご参加ください
日時: 2015年11月7日(土)
PM 1:30?2:45 集会:NHK(渋谷)西門前でリレートーク
PM 2:45?3:15 宮下公園北側へ移動
PM 3:15?3:30 デモコースの説明・諸注意、コールの練習
PM 3:30?4:00 宮下公園北側からデモスタート、神宮通公園ゴール
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告知チラシPDFダウンロード
表→http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/20151107/a117omotehoi.pdf
裏→http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/20151107/a117urahoi.pdf
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カンパのお願い :『アベチャンネル』はゴメンだ!NHK包囲行動第2弾
前回の8.25行動ではみなさまの多大なご支援をいただきました。今回の11.7行動はその時のカンパの残金で進めてまいりましたが、前回に比べ
(1) 今回は”西門前”だけでのリレートーク、コールなのでかなり細長い集団になります。そのため端の人にまでトークが聞こえるように音響効果をうまく考えなければならず、機材、調整技術等に費用がかかる。
(2) デモに必要な車、機材、プラカード等の費用など
のため、大幅な赤字になってしまいました。
そのため大変恐れ入りますがまたまたカンパのお願いをしなければならない状況です。よろしくお願い申し上げます。
2015.10.20 NHK包囲行動委員会
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下記口座へ振り込みをおねがいします。
(1)ゆうちょ総合口座番号 10420-21759161 名義「NHK包囲行動実行委員会」
これはゆうちょ口座から振り込むときの番号です。
(2)ゆうちょ以外の金融機関の口座からの振込む場合は口座番号が変わって
〇四八-048-2175916 名義「NHK包囲行動実行委員会」になります。
(〔店名〕〇四八 (ゼロヨンハチ)〔店番〕048 〔普通預金〕 〔口座番号〕2175916)
よろしくお願い致します。
(2015年11月4日・連続第949回)